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銃とチョコレート

銃とチョコレート
乙一

初読: 2008.08.03


ミステリーランドのシリーズです。装丁がなかなかシックでよろしいのですが、中の絵は微妙に怖いです。雰囲気的には合ってると思うのですが、電車内で読んでいると、ちょっと周りの目を気にしてしまいます。

乙一は、「夏と花火と私の死体」で情景描写に心底惚れこみました。あの夏の描かれ方にとても感動をしたのですね。で、「暗いところで待ち合わせ」を読んで見事にはまりました。ただ、個人的に、惹かれるものと拒絶したいものと、同じくらいに書かれる作者さんなので、まだあまり数は読めていません。
こちらの作品は、少年少女に向けたものであるから大丈夫だろうということで手にとってみました。

結論から言うと、まあそこそこ、でしょうか。なんだかしっくりこない感じが強いのは、多分、主人公の男の子の正当性がラストでもはっきりとみなに表されなかったせいだと思うのです。有名な大人の前では、名もない小さな子どもはなにもできない、というのはまあ確かにその通りなのかもしれませんけど、それを覆すようなシーンが結局出てこなかったのが淋しいです。せっかくの「お話」なのだから、都合がよかろうがなんだろうが、そういう部分も欲しかったなあと。「嵌められた」「騙された」というわだかまりの気持ちが残ったままになってしまうので、気持ちが悪いのです。

ストーリーの流れ的にも、苦境に立たされっぱなしで、こう、爽快感のあるシーンがないのが辛いです。児童書としてみるのならば尚更、どこかで主人公がぱっと輝くところが欲しいなあと。終盤で、川に落ちたドゥバイヨルを助けるシーンが、唯一、好きだと感じました。

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