スター・トレック イントゥ・ダークネス の感想(ネタバレあり)

2013.08.26 | author: | 開発計画
本日のお題は、23日から公開(先週に先行公開あり)となった”「スター・トレック イントゥ・ダークネス」 の感想(ネタバレあり)”です。自分は、一般公開翌日の一昨日まさみと二人で観てきました。「スター・トレック」は、1966年からアメリカで放送された人気TVシリーズ「スタートレック(宇宙大作戦:TOS)」のif、つまりパラレルワールドが舞台となっているリブート作品です。2009年にその1作目(スタートレックシリーズとしては11本目)が劇場公開され、今年続編となる「スター・トレック イントゥ・ダークネス」がお披露目となったわけです。感想を一言で言えば、”面白かった!”なのですけど、それでは何ですのでネタバレありの感想を簡単にまとめたいと思います。

とその前に、これだけの長寿シリーズなわけですからアメリカはもちろんのこと、日本でも昔から観てる人、一部だけ観てる人など様々な方がいます。またリブート作品ゆえに配役は一新されてますけど、登場キャラクター自体は基本的に最初のTVシリーズのときと同じになっています。それ故、”これまでのスタートレックをどれだけ観てたか”によって、劇中に散りばめられたオマージュ的な要素を楽しめるかどうかだけでなく、シーンによっては視点そのものが変わってしまうこともあるわけです。新しいスター・トレックは、J・J・エイブラムス監督により過去シリーズを知らない人でも楽しめる作品に仕上げられていますが、その人間のスタートレックに対する認知度によっては、見方や驚き、感じるポイントが違ってきてしまいます。なので感想を述べるにあたり、まずは自分の立ち居地を簡単に説明しておきますね。

最初のTVシリーズ(以下TOS)は、子供の頃に再放送?を好きで観てた覚えがあります。ただあまりに小さかったので細かい内容はほとんど覚えてませんw その他のTVシリーズは、1作品を除き(ENTERPRISE)最後まで観賞済みです。映画版についても一通り観ています。ファンとしてのコア度はあまり深くなく、作品自体はとても好きですけど(TVシリーズ2作目”TNG”が一番好きかなー)、グッズからDVDボックスなど何から何まで揃えるような状態までには至ってないですね。
ちなみにまさみはというと、劇場版の7〜10までを観ているのみです。つまり新スタートレック(TNG)しか基本知りませんでした。ぁ、でもヴォイジャーもちょっとだけ観てるかな? でもそれだと今作は充分楽しめないかもということで、前日にスター・トレック(前作)を観させてリブートされた新しいスター・トレックの世界観は頭に入れた状態です。
そんな感じの人間が観た感想となりまーす。では、ここから先は思いっきりネタバレした長文あらすじと感想となりますので、見る方はご注意を〜〜。







スター・トレック イントゥ・ダークネス プログラム








JJトレック1作目となる前回では、TVシリーズのパラレルワールドにて主人公ジェームス・T・カークなど主要キャストの生い立ちや士官学校時代からはじまり、最新鋭艦”エンタープライズ”の処女航海を経て、未来より来たネロを倒しカークがエンタープライズの新しい船長になるところまでが描かれました。今作は、その後いくつかの任務をこなしたカークたちが、探査任務を逸脱し原住民に干渉行為を働いてしまうところからはじまります。結果として、カークは任務途中に命の危険に晒されたスポックを助けるためにエンタープライズの姿を原住民に晒し、さらに上層部への報告を偽ってしまいます。カークは艦隊規約よりも友人であるスポックを助けることを優先し、スポックは論理に基づき艦隊司令部に命令違反をしたという本当の報告をすることで、TOSを思わせる”人間性と論理”の対立がチラチラと見え隠れします。この辺りの台詞回し(翻訳での台詞です)などは、かなりTOSを意識した訳し方になっていて良かったですね。ただし劇場公開時での字幕なので、今後出るであろうメディア版では微妙に変わるかも(特に吹き替え)しれません。
ちなみに自分が見たのはデジタル3D版(XpanD 3D方式)でしたけど、エンタープライズが海中から浮上するシーン、赤い葉の木々の中を駆け抜けるシーン、溶岩がたぎる火山火口でのシーンなどが、3D効果としては一番印象的でした。IMAXでならもっと綺麗(鮮明)に観られるのかもしれませんねー。

しかしこのことがキッカケで、宇宙艦隊におけるカークやスポックの立場は危うくなりますが、パイク(前エンタープライズ船長でありカークの恩師)の計らいによって温情処置で済むこととなります。丁度同じ頃、宇宙艦隊資料保管庫が何者かの手により爆破され、多数の死傷者を出す事件が発生。パイク、カーク、スポックは、この事件の対策本部へと召集されます。しかし爆破テロの本当の目的は、艦隊上層部の人間を1箇所に集め(対策本部の設立)、皆殺しにすることだったため、首謀者のジョン・ハリソンの手により対策本部は襲撃されます。この襲撃でパイクは命を落とし、カークは心の中に闇を落としていくのです。この手の演出としてはセオリー通りではあるものの、カークとパイクの温かみある酒場でのやり取りを持ってきた直後に一気に落とすあたり、前もって死亡フラグを感じさせない空気作りと、フラグに観客が気づく前にケリを付ける手際の良さが見事でした。

犯人のジョン・ハリソンは、この後惑星クロノス(この時代ではあまり関係が良好ではないクリンゴン帝国の母星)へと逃亡したことが判明します。カークたちは、マーカス提督よりジョン・ハリソン抹殺の命令を新型魚雷と共に受領。未知の兵器搭載を拒否するスコットを解任してでも、パイクの仇をとろうとします。しかし、それまでのスポックらとのやりとりから、抹殺ではなく連行して裁判にかける、という論理的な判断をしてジョン・ハリソンの後をエンタープライズで追います。しかしそう言葉にして決断したカークですが、心の闇はまだ消えず、心理的な葛藤が演技の中に見え隠れしています。このあたりは、今回のスター・トレックのテーマにもなっている”闇”に対する重要なファクターであり、カーク役のクリス・パインの演技が光る一面(普段の役柄と正反対なのでメリハリが効いていますし、だからこそ活きてくるシーンですね)でもあります。
ところが追跡の途中でエンタープライズは、謎のワープコアトラブルにより連邦とクリンゴンの中立地帯で座礁状態に。そのため、カーク、スポック、ウラらは拿捕してあったクリンゴン艇でジョン・ハリソン自らの投降という形で身柄を確保することになります。ここでの経緯は、なぜクリンゴン兵に捕まるカークらをジョン・ハリソンが超人的な力で手助けする形となったのか、そして新型魚雷の数を聞いただけで自ら投降したのか、がこの後のストーリー展開で分かっていくわけですけど、前フリがちょっと少なく一瞬「は?」と展開が読めなくなります。演出的にそう狙ったようにも見えますが、前作のようなスパッ、スパッとテンポの良いシーン展開とは違うため、ややもたついた感じにもとれてしまいますね。他にもそういうシーンがいくつかあり、個人的にはちょっとだけ違和感がありました。

確保したジョン・ハリソンは、真実を知りたければ新型魚雷ととある座標を調べろとカークに告げます。そして自分の本当の名がカーンであることも……

は?? カーンってあのカーンですかっ!?(゚Д゚; )

TOSのTVシリーズの内容はほとんど覚えてない+TOSベースの劇場版もやや失念気味の自分にとっては寝耳に水でした。改めて思い返すとそれらしい伏線はいくつかありましたから、トレッキー(熱心なスタートレックファンのこと)の方々ならかなり早い段階から「ん?」と気づかれる人もいるのでしょうね。しかし、さすがに自分はここに至るまでまーったく気づきませんでしたよ(^^;
カーンとは、TOS(24話らしいです)や劇場版2作目(サブタイはまんま”カーンの逆襲”)に登場した悪役で(ウォーフの弟じゃないですよ)、20世紀に遺伝子操作による優生人類として誕生し、同様の遺伝子操作を受けたメンバーらと共に地球を離れ冬眠船で漂流していたところを現代(23世紀)において発見、解凍されたのを期に、カークや連邦を窮地に陥れた張本人なのです。ネタバレついでに話すと、カーンの逆襲においてはスポックが命を落とすほどの強敵でした。

TOSのリブートである今作においては、カーンはマーカス提督により解凍、利用され、宇宙艦隊内の秘密機関”セクション31”(DS9でも活動していたアレです。ただENTの時点で既に存在していたようです)が管理していたのですけど、反乱を企てて(作中ではカーンが仲間を人質にとられたためとのこと)現時点にいたるというわけです。カーンがカークに伝えた座標には、このセクション31の秘密基地があり、カークは残してきたスコッティにこの座標の調査を依頼して密かに潜入しています。
この時点で黒幕はマーカス提督だと判明、物語は急展開を迎えることに。直後、最新鋭艦であるエンタープライズを遥かに超える黒い大型艦(ヴェンジェンス)が眼前にワープアウト、そこには当然のごとく全ての黒幕たるマーカス提督がいるわけですよ、はい。マーカス提督は、エンタープライズにカーンらを魚雷で抹殺させてクリンゴンとの戦争の口火にするつもりだったわけです。いわゆる強硬派ってやつですねー。しかし、妨害工作により故障していたエンジンをチェコフ(スコッティは出発直前に解任されたため)が応急的に直し、ワープで逃げるエンタープライズ! しかしあっという間に追いつかれ、怒涛の攻撃を受けて沈黙するエンタープライズ! カーンを引き渡すよう再度要求するマーカス提督に遂に屈服するカーク!! 全ての責任を自らが負う変わりに、エンタープライズの他の乗組員を助けるよう懇願するも、マーカス提督はそれを拒否し強力な大型フェイザー砲をエンタープライズに発射するよう命じます!!! 絶望に包まれるエンタープライズブリッジの中には、カークの「すまない」の言葉だけが静かに響き、今まさにフェイザー砲が発射されようとするその瞬間っ、ここでヴェンジェンスが突然のパワーダウン! エンタープライズは絶体絶命の危機を辛うじて切り抜けるのでした。

このときのエンタープライズブリッジとカーンのやりとりは、なかなかに迫真の演技だったと思います。流れ的にはここで何かしらの助けがエンタープライズにあるのは分かるのに、そう思わせない、絶望感(これもある種の闇でしょうか)が伝わってくるような緊迫感がスクリーンを通して感じられました。また、それまでとはストーリーの展開スピードが明らかに変わるため、改めて思い返すと少し観ているものを置き去りにするような錯覚を覚えさせもしますが、上記のような緊迫感がそんな錯覚すらも打ち消してくれるのです。個人的には、今作で一番好きなシーンかもしれません。
そんなエンタープライズの危機を救ったのはスコッティでした。例のセクション31の秘密基地に潜入したスコッティは、そこに駐留していたヴェンジェンスに潜り込んでいたわけです。このシーンは、劇場版3作目「ミスター・スポックを探せ!」で追撃しようとするエクセルシオールにスコッティが細工をして追手を振り切ったシーンを彷彿とさせますねっ。まさに、ナイススコッティです。

この好機に、カークはカーンの力を借りてヴェンジェンスに乗り込む計画を立てます。しかしどうしてもカーンを信用できないスポックは、前作にて未来から来た自分(TOSのレナード・ニモイが演じるスポック・プライム)と連絡をとり聞くわけです、「あなたはカーンという人物を知っていますか?」と。ギリギリのところでヴェンジェンスに潜入してブリッジを制圧するカークらですが、カーク自信もカーンに疑念を抱いていたため、ブリッジを制圧すると同時にスコッティにカーンを撃たせます。未来から来たスポックは、艦隊の誓いにより詳細を喋ることは出来ないが、カーンを信用してはならないこと、彼を倒すことは出来たが多大なる犠牲を払ったことだけを伝えます。それに対し若いスポックは「カーンの倒し方」改めて聞くのでした。
カークとカーンが、パワーダウンしたヴェンジェンスに乗り込もうとするシーンは、生身で(宇宙服は着てます)エンタープライズから射出して飛び移るのですけど、結構距離があってその間のスピード感と緊張感が売りのシーンとなります。ただ、3Dとして演出しやすいように撮影していることが、かえって不自然さを強調してしまうことに。大きいデブリをスラスターで避けたりしてますけど、体だけは進行方向を向いたままブレないんですよ。あまりにも綺麗過ぎる水平移動は、ちょっと滑稽にすら見えました。また他にもカークのメットが小さなデブリでひび割れるお約束のシーン(「ファーストコンタクト」の船外活動シーンみたいな……というか船から船へ飛び移るのも「ネメシス」からかもですね)がありますが、あれだけ激しい攻撃を受けて破損したエンタープライズのパーツが浮く空間では、数え切れないほどの小さな破片であっという間に宇宙服に穴が開くのでは?って違和感もあります。こういったシーンでは、演出で観客を引き込むことで多少の矛盾は考えさせないようにするものですけど、今回はその演出が返って観る者を冷静にさせてしまっているような気がします。

ヴェンジェンスのブリッジを制圧して、エンタープライズへの攻撃を止めさせようとするカークとスコッティでしたが、フェイザーの麻痺から驚異的に回復したカーンによって二人はあっけなく倒されます。そしてカーンら優生人類を利用しようとしていた黒幕・マーカス提督はここでお亡くなりに。最初の敵であったカーン、そして黒幕登場のマーカス提督、でもやっぱり最後はカーン、という二段構えのどんでん返しです。ただこれが通用するのは、カーンを知らない観客に限りますけどねー。カーンを知っているスタートレックファンならば、カーンの登場時点で真の敵役であることはすぐに分かりますから;
カークらを人質にしたカーンは、スポックに仲間が冷凍されている新型ミサイルとカークらを交換するよう要求します。しかしDr.マッコイには事前に新型魚雷から冷凍されているカーンの仲間を抜き出すように指示してあり、ヴェンジェンスへと転送された魚雷は十数秒で爆発して内側から致命的なダメージを与えます。交換条件であったカークらは無事にエンタープライズへと転送されましたけど、その直後に受けた攻撃によるダメージでエンタープライズはコントロール不能に陥り、地球の引力に捕まり大気圏へと引き寄せられていきます。

ワープコアの動力が停止したエンタープライズは、船体制御もシールドの展開も出来ないまま大気圏で燃え尽きようとします。しかし、カークが自らを犠牲に炉心内へと入りコアのズレを直すことで、動力を復活させてなんとか船体を安定させることに成功するのです。船長席で指揮を取っていたスポックは、動力回復の要因が単なる奇跡ではないことを本能的に察し、直後のスコッティからの「緊急事態」の一報を受けて機関室へと急ぎます。スコッティの案内でスポックが見たものは、致死量の放射線被爆により瀕死の状態となったカークでした。自らの死期を悟ったカークは、「死への恐怖という”感情”をどう乗り越えればいいのか?」と駆けつけてくれた友に尋ねますが、感情を抑え論理を重んじるバルカンとしての自分を忘れ、ただ「……わからない」と涙するスポック。二人の間には、隔壁という取り払えない現実の壁が存在していますけど、人間とバルカン人という見えない壁を超えて二人の友情がはっきりと形になった瞬間だと思います。
いやー、いいシーンでしたぁ。これまでも何度か隣でえぐえぐ言ってたまさみなのですけど、ここで一気に号泣していたのが横からはっきりと分かりましたw まぁパイク元船長のときもすごかったけどw このシーンは、劇場版2作目「カーンの逆襲」の立場を逆にしたファン向けの演出で、本家ではエンタープライズの危機を救って殉職するのはスポック(劇場版3作目にてジェネシスの力で復活)でした。それにしても、地球へと落下していくエンタープライズの描写は、先ほどの綺麗過ぎる水平移動とは打って変わって激しくスピンしまくります。それに合わせて、船内でこの窮地を脱しようとするカークらも壁や天井を駆け回っており、アクションに次ぐアクション、決死のワープコア復旧、カークの死という息もつかせぬ展開がなかなか魅力的でした。

カークの死を目の当たりにして、感情のままに「カーーーーーーーーァァァァアアアン」と天に叫ぶスポック。それに応えるように、制御不能のまま地球へと落下してくるヴェンジェンス!(まるで召還魔法) カーンは宇宙艦隊への復讐を完遂するために本部ビルを目指し、友を殺されたスポックは感情のままにカーンを倒そうと追い駆けます。何度も激しいやり取りを繰り広げながら、次第にカーンを追い詰めるスポック。しかしそれを返り討ちにしてしまうカーン! その危機を救ったのは転送されてきたウフーラだった。カークを殺された憎しみを怒りに変え、スポックは何度もカーンを殴る。それを止めるために「殺してはダメ。カークを救えるのは彼だけだ」と彼女は叫ぶのでした。カーンの血が持つ超人的な再生能力があれば、放射線により致命的なダメージを受けたカークの細胞を救える可能性があったからです。
カークの死という衝撃が走った直後に、再び激しいアクションの応酬が繰り広げられます。衝撃が抜ける前ではなくて、走った直後というのがミソですね。ただ、遺伝子操作で超人的な力を持つカーンをスポックが走って追い詰めるというのはやや無理があったのでは(^^; 瞬発力、脚力、持久力と、どれをとってもカーンの方が遥かに優秀なんじゃないかと思いますし。肉体的に劣るスポックですが、カーンに対してリフトの部品を使って殴るシーンがあります。プログラムの最後の方に、これまでのスタートレックとの共通点をまとめたチェックリストがあるのですけど、TOS #24で”素手でいくら殴っても効かないカーンに対して棒で殴ったら効いた”みたいなエピソードがあったらしく、スポック・プライムから聞いた”カーンの倒し方”はコレだったのかも……って一瞬思いましたが、得物で殴るのが倒し方というのも何か変ですね; それと、かつての劇場版でのスポックの死と蘇生は映画2作品に跨りましたが、さすがに今回はすぐに復活となったようです。本国アメリカではかなり好評のようで、既に3作目の話も出ている模様。別口ではTNGのメンバーが活躍する劇場版もとの話も聞こえてますから、ひょっとしたら「スタートレック カウントダウン」(ネロやスポックが23世紀へとタイムスリップするキッカケになった話)の映画化という可能性も? 何れにせよ、楽しみですねっ。

再び捉えたカーンの血を使うことでカークの蘇生は成功し、生き返った友を迎えるスポックとの間にはもうなんの壁も存在しないのでした。その後実行犯であるカーンはその仲間と友に再び冷凍冬眠され、多大な犠牲を払いながらも事件はようやく収束を迎えることとなります。亡くなった多くの仲間を偲びつつ、カークたちエンタープライズの乗組員は未知なる世界へと旅立つのです。……そう、5年間とうい長期にわたる深宇宙探査任務へと━━。

スタートレックの最初のTVシリーズは、「宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の創造を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない。これは、人類最初の試みとして5年間の調査飛行に飛び立った、宇宙船U.S.S.エンタープライズ号の驚異に満ちた物語である。」というくだりと共にオープニングがはじまります。そう、この時間軸のカークたちも、ここからが本当の旅立ちなのかもしれませんね。映画の最後でこのつながり方をされると、従来からのファンにはなかなかグッとくるものがあるのではないでしょうか? 3作目とかいわず、この先もずっと続けていって欲しいものです。



個人的な評価としては、10点満点中”8点”(ちなみに前作は9点)、ですかね。物語の展開にわずかながらギクシャクした感じがあったのと、クライマックスでの技あり的な演出(前作で言えば、ナラーダに突入するフェリーフィッシュへ放たれた魚雷を、絶妙のタイミングでワープアウトしてきたエンタープライズがフェイザーで打ち落とす連係プレーみたいな)が欲しかったです。またこれはマイナス評価にはならないと思いますけど、ストーリーとして過去作を知っているかどうかで観る側のスタンスがある程度変わってしまうことはしかたのないことですが、カーンという個人としてはスタートレック史上最高の敵役(種族ならクリンゴン、ロミュラン、ボーグ、カーデシア、ドミニオンといろいろありますけどね)を登場させたことで、今作では認知度の差で観る者に与える印象の違いが大きいなーと感じました。ピカード艦長やデータの活躍するTNGしか知らないまさみにとっては、「ふーん、本当の名前はカーンていうんだ」くらいにしか思わないわけですし。ですが、だからこそ効いてくる伏線もあったりしますから、そのあたりはさすが上手いなーと思いましたね。過去作を観ていなくても充分に楽しめます。その点が前作から一貫して守られているのは、個人的にはとても好印象です。

テーマとなっている”闇”への表現も作品中にいくつも散りばめられており、それをエンタープライズのクルーがどう切り抜けていくか、というのもとても見応えがありました。ただ、チェコフの出番がちょっと少なく感じたのが残念だったな; まぁその分前回出番の少なかったスコッティが活躍していましたけどねw あとこのイントゥ・ダークネスでは、政府施設であるローレンス・リバモア国立研究所内にある核融合実験施設”NIF”が、ロケ地として初めて開放されたことには驚きました。ここで研究されている核融合、物質と反物質の関係などは、スタートレックの科学技術に密接に関係していますからね。実際の現代において、とても縁のある場所だと思います。そういえば、そういった技術的な設定がプログラムにあまり載ってなかったのは寂しかったですなぁ…。なので設定資料集とかあったらちょっと欲しいかも。

そんなわけで、スタートレックを知っている人間、あまり知らない人間のどちらも楽しめる作品でした。まぁファンゆえの甘めの評価も少しはありますけど、もう一度スクリーンで観たいと思わせる内容だったと思います。次はIMAXシアターで観ないとねっ!! 長文あらすじ&個人的な感想を最後まで閲覧いただき、ありがとうございました_(._.)_

スター・トレック イントゥ・ダークネス



以上です。映画は、今年に入ってからはプラチナデータ以来なのでちょっと久しぶりでしたが、とても楽しかったです。スクリーンでの大き過ぎる音がやや苦手なためちょっと気がかりでしたけど、観に行ったところでは嫌な音の大きさじゃなくて最後まで楽しめました。ほんともう一度観に行きたいですな〜。それとJJトレック版のエンタープライズの立体物がほしぃ……(*´Д`) しかしそのJJエンタープライズって、実はTNGのD型、E型よりもさらに全長が大きい(725mもあります)ことを知ってびっくりしました(^^; つまり近い時代設定のTOSのエンタープライズやA型と比べると2倍以上ということにっΣ 意外だなぁ。あれ? そうなるとそんなエンタープライズよりも遥かに大きいヴェンジェンスっていったいどんだけ……(゚Д゚; )
では、See you next time!

    

            

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