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エアテックス  H&S エボリューションA 使用レビュー

2014.04.28 |author: |開発計画 |緋影流プラモデル製作研究所
エアテックス  H&S エボリューションA 使用レビュー」です。”HD-130の使用レビュー”公開後、何件かエボリューションもとの要望がありましたので、改めて記事にまとめてみました。というか、これ買ったのって……4年以上前なんですね; Oリング関係はエアバルブを除いて一度交換してますけど、操作感(特にレバーの軽いフィーリング)は買った当初のまま今でも軽快です。もちろん今でも一般販売されており、Oリングのような消耗品から本体パーツまで予備部品もちゃんと手に入りますので普通に使えますよ。特徴は、ドイツ製なためか国内メーカーのモノ(といっても純国産は限られてますけどね;)とは細かなところがいい意味で少し変わっていること、ノズル径、カップサイズが変更可能なので、幅広い用途に使えること、レバー操作がとてもスムーズなことでしょうか。簡易レビューは4年前にもやってますが、今回はもう少し掘り下げてレビューを書いてみようと思います。最後までお楽しみくださいませー。

エアテックス  H&S エボリューションA

こんな感じの派手な専用ケースに収まっています。本来は、これに紙の化粧箱(筒状になってます)も付いているのですけど、どこぞやに収納してしまい見つかりませんでした; まぁ普段使うときは紙箱は邪魔ですしね;

エアテックス  H&S エボリューションA

エアテックス  H&S エボリューションA

中を開けると、ハンドピース本体に加え、穴なしニードルキャップが付いています。これは、エボリューションAの場合は標準付属だそうなー。このケースには予備部品を収納するスペースも確保されており、交換用のニードル1セット、塗料カップが別途収まるようになっています。

そういえば、先日(4月25日)エボリューションシリーズの新商品が発売されました。”エボリューションALplus (Evolution AL pluse)”といい、アルミ製で本体重量がなんと56gしかありませんΣ エボリューションAが106g(手元での実測では107gでした)なので、ほぼその半分とか相当軽いですよ。
製造元のHARDER&STEENBECK社のHP(※ドイツ語か英語)を見てみると、ハンザのような黒いボディにカップとノズル(形状はクラウン型)、本体とテールを繋ぐ部分がクロームメッキというツートンカラーになっています。国内販売分は、とりあえず0.2mmノズルに2mlカップだけですが、本国ドイツだと0.4mmノズル、5mlカップが別途用意され(つまりこのエボリューションAと同じ仕様)、2in1モデルも発売されています。ただ、テールアジャスターは残念ながらない模様です。あと説明文に「PTFE gaskets」と表記されているので、テフロンOリングが採用されているようですね。
しかし、この軽さに慣れてしまうと他が使えなくなりそうな気がします; でも実物を触ってみたいですなー。というか、エボリューションCRplusも取り扱って欲しいんですけど……。

エアテックス  H&S エボリューションA

エアテックス  H&S エボリューションA

話が逸れました; 早速エボリューションA本体を見ていきます。形状は比較的スリムなたいぷですね。クロームメッキで覆われたフルメタル仕様で、見た目としては標準的なダブルアクション・ハンドピースです。ただ、見た目のデザインを重視したためか、エアバルブを取り外し難い(滑り止めがない)のが欠点ですね。

エアテックス  H&S エボリューションA

各部をいろいろ見ていきましょう。ノズル周りは、ニードルキャップに特徴的な横穴が6個あいており、整流効果を狙ってのデザインのようです。実際穴なしと穴あきを吹き比べてみると、穴あきの方がより粒子が細かい噴霧が出来ていますので、一定の効果はあるようですよ。あと吹くときの音も違うんですよね。穴なしはお馴染みのシューーって音がノズルからしますが、穴あきはその音がほとんどしません。
ちなみに、ノズルは0.4mmとなっていますけど、オプションで0.15mm、0.2mm、0.6mmへの変更が可能になっています。

エアテックス  H&S エボリューションA

カップ、レバー周りです。カップは、5ccタイプが標準付属していますが、2cc、50ccへの変更が可能です。ただ、交換可能ゆえに清掃時に多少手間が掛かることと、Oリングが1つ増えますから経年劣化する消耗品が増えるということでもあります。
レバー操作は非常に軽く、長時間使用していてもあまり疲れません。加えて、微妙なエアー調整はもちろんのこと、塗料の流量もコントロールしやすく、とても扱いやすいです。レバー天面の溝も、適度な滑り止め(押している指が痛くならない)になっています。

エアテックス  H&S エボリューションA

テールキャップには、ニードルアジャスターが付いています。普通のニードルアジャスターのように”ただ締める緩める”というのではなく、ちょっとした一工夫が施されているのが特徴です。それについては後ほど説明いたしますね。
また本体とテールキャップとの間には、リング状のラバー素材が3本使われており、いい感じの滑り止めになっています。

エアテックス  H&S エボリューションA

エアテックス  H&S エボリューションA

続いて各部をバラした状態も。ノズル周りは、他のハンドピースと同じく、ニードルキャップ、ノズルキャップ、ノズルで構成されています。ただノズルはかなり大型化され、ノズルキャップの中に収まる形で固定されているので、専用のレンチなどを使わなくても簡単に分解が出来るようになっています。あと写真からも分かるとおり、ノズルに使われているOリングは溶剤耐性の強いテフロン製(白いのがそうです)になっています。ノズルOリングは、溶剤に晒されやすいですから安心ですね。
ニードルは、今回の状態は0.4mmノズル使用のため、以前紹介した0.2mmのニードルよりもテーパーが大きくとられています。写真はちょっとボケちゃってますが、肉眼で確認するかぎりニードルの状態はまったく問題なしです。

エアテックス  H&S エボリューションA

カップの中の研磨もしっかりとされています。細かな研磨跡が見えますが、指などで触っても凹凸は感じられず、ティッシュなどがひっかかることもありません。塗料の流路が少し細いですけど、綿棒が余裕を持って入る大きさですので、清掃時に困ることはないですねー。

エアテックス  H&S エボリューションA

ハンドピースは、本体(カップやノズル、エアバルブが付いている部分)とテールキャップの間に、スプリングガイドとニードルスプリング、ニードルガイドの一塊が取り付けられているわけですが、ここの分解はマイナスドライバーを必要とするタイプも多く、分解時にはちょっとだけ手間だったりすることもあります。エボリューションの場合は、この中間部分が完全にユニット化され、工具なしで分解出来るようになっています。ノズルもそうですが、メンテナンス性はとても優れていますよ。
それから、組み戻すときにレバープッシュメタルを入れにくいなー、なんてこともありません。レバーとレバープッシュメタルは一体化されているので、簡単に再組立てが可能です。

エアテックス  H&S エボリューションA エアテックス  H&S エボリューションA

先ほど簡単に紹介したテールキャップの”ニードルアジャスター”を改めて説明します。ニードルの後退幅をテールエンドのねじ込み具合で調整するのは、他のハンドピースと同じです。しかしアジャスターのオンオフが可能になっていて、テールエンドをボールペンのノックのように押し込むとオン、引っ張って戻すとオフになります。
これがどういうことかというと、一般的なアジャスターは”ねじ込み具合で徐々にオン”となるため、オフにするには再び緩める必要があります。そして再度オンにしようとしたとき、以前と同じくらいにしようと思っても、どれくらいねじ込んだかが分からなくなりますよね。しかしエボリューションの場合は、一度設定した後退幅を弄ることなくアジャスターのオンオフが出来るので、よりスムーズな作業が可能になるわけです。ちょー便利ですよー、これ。

エアテックス  H&S エボリューションA

ニードルキャップは、通常状態だと穴あきのため、いわゆる”うがい洗浄”が非常にやり難い構造になっています。そこで、別途付属の穴なしニードルキャップ(ニードルアジャスターと同じく種類によってはオプション扱い)と交換することで、エボリューションでもうがい洗浄を行えます。
これは、最近多いクラウン型のキャップをもつハンドピースでも共通の問題ですから、いっそのことゴムのキャップ……だと溶剤で侵食されるか; シリコンとか?で指サックみたいなニードルサックを作ればいいのではーと思います。どうせ各社ともにノズルキャップ周りの太さなんてそう変わらないのだし。

エアテックス  H&S エボリューションA

最後にエボリューションの特徴をもう一つ。先ほども軽く書きましたが、購入後にノズル径を0.15〜0.6mmへと変更可能な点です。エボリューションAのノズルは0.4mmですけど、オプションの”ノズルベースセット”を使うことで、0.15mm、0.2mm、0.6mmへと簡単にサイズを変えることが出来ます。ノズルベースセットは、ノズル、ノズルキャップ、ニードルキャップ、 ニードルの4点で構成されたセットで、この一式丸ごと交換することによりノズル径を変更するものです。ノズルやニードルだけを換えてもダメなので、かならずベースセットを使いましょう。
ちなみに、写真に写っている中では下に用意してあるのが0.2mmのノズルベースセットです。いわゆる細吹き用に購入したモノで、交換の手間はありますけどとても重宝してます。欲を言えば、0.3mmがあるといいんだけどなー……。

エアテックス  H&S エボリューションA

吹き具合は、0.4mmノズルなので吹き幅が少し広く、ちょっと広い塗装面積でも楽に塗れます。そのノズルの太さゆえ、通常塗装からサフまでいろいろな用途に使えますよ。まぁサフのみを只管吹くのであれば、理想は0.5mmくらいの方が詰まりも少なくていいですけどね; しかし、噴霧状態も細かく良好ですし、普通に使う分にはまったく問題は感じられません。

エアテックス  H&S エボリューションA

細吹きも、写真のように0.5mmくらいのラインは普通に描けます。このあたりは、格安ハンドピースとは比較するまでもなく違いますね。ちなみに0.2mmノズルに交換すれば、さらに細いラインを吹くことが可能です。
ただ、0.05MPa以下だと飛沫が出やすくなるため、塗料の濃度調整幅がちょーーっとシビアになります。吹けないわけではないので濃度をきっちり適正にすれば問題ないわけですが、希釈率にゆとりがない分カップ内の濃度維持も必要になるため、少しだけ面倒です。

模型関係だと比較的低い圧(0.05MPa以下)での使用も多いですから(低圧細吹きの是非はおいといて)、やっぱり模型用に合わせて作られているGSIクレオス等の国内ホビーメーカーのハンドピースの方が、低圧環境下では安定した噴霧が出来ると思われます。エボリューションのように、通常のイラストや、ネイルアートなど(使用圧は0.2MPa以上)で使うことが主体となっている製品の場合は、少しだけ注意が必要です。
しかし、メンテナンス性などは非常に優れていますし、要所のシーリングには溶剤耐性の強いテフロン製が使われているため、ラッカー溶剤も使うプラモ関係への使用には基本問題はありません。少しばかり癖はありますけど、上手くコツを掴んで使いこなせるようになると、メインのハンドピースとして充分活躍できますよっ。


ハンドピース清掃用ブラシの製作

〆はオマケです。先日公開した”エアブラシ(ハンドピース)のメンテナンスについてで用意していた清掃道具について、「一本柄の長いブラシがあるんですけど、どこで売ってるんですか?」という質問がありましたので、お答えします。
柄の長いブラシは市販されてなく、こちらで作ったものとなります。作り方は簡単なので、一応まとめておきますね。用意するのは、写真のような歯間ブラシ(100均で売ってます)と、ガンプラなどのランナーです。

ハンドピース清掃用ブラシの製作

では下準備からいきます。歯間ブラシは、柄をカットして軸の金属線を傷つけないようにブラシ部分だけを取り出します。ランナーの方は、まぁそのままでもいいのですけど……一応カット跡を均して、軽くペーパーがけして綺麗にしてやりましょう。

ハンドピース清掃用ブラシの製作

ランナーのどちらか一方の端に0.4mm前後の穴をあけ(ブラシの軸の太さに合わせて)、瞬間接着剤で固定します。加えて、後から溶剤が入り込まないように、挿し込んだブラシの軸とランナーの隙間にさらに瞬接などを盛って蓋をしてください。

ハンドピース清掃用ブラシの製作

あとはこのままだと滑りやすいので、ビニテなどを巻いて持ち手を作れば完成です。瞬接の乾燥時間を含めても30分ほどで1本出来ますよ〜。

ハンドピース清掃用ブラシの製作

歯間ブラシは、100均でもいろいろな形や太さ(大型店舗だとブラシの太さを3〜4種類から選べました)のが売られています。いろいろ組み合わせて、使いやすいクリーニングキットを用意してくださいな。

以上です。今更ながらのエボリューションAのレビューでしたが、お楽しみいただけましたでしょうか? 少々マニアックなハンドピースなので……使ってる人はあまりいないかもしれませんけど、何かの参考になれば幸いです。3本目のハンドピースは、国内メーカー(といっても純粋な国産は厳しいか;)のも買ってみたいですね。GSIクレオスかタミヤ、もしくはWAVEか…。アネスト岩田のはどうなんだろ? まぁしばらく先になると思うので、のんびり考えまーす。
では、See you next time!

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