まずはサフを吹いていきます。特に延長や形状変更などの改修を行った箇所は、そのままだと整形跡の細かな傷や段差を見過ごしやすいです。サフを吹くことでそういった箇所を見つけやすくなりますよ。問題点が見つかった場合は、削ったり、パテをさらに盛ったりして形を整えた後、もう一度サフを吹きます。それで大丈夫ならOK、まだ修正しきれてないようだったら再調整した後サフを吹く、を繰り返していくわけです。
普段サフを吹くときは瓶サフを使っているので、この段階で塗装に合わせた下地色をサフに混ぜて吹いています。しかし、今回は半端に残っていた缶サフを使ったため、いかにもなグレーになってしまいました;
サフ処理が終わったら、いよいよ塗装に入ります。冒頭にも書いた通り今回は黒立ち上げで塗装しますから、その名の通り黒から塗っていきます。なので、写真のようにクリアーパーツとポリキャップを除いた全パーツが真っ黒ですw 何故こんな真っ黒にするかというと……というか、黒立ち上げという塗装方法自体を説明した方がいいですね。
”黒立ち上げ”とは、下地に黒を塗り、その上から明るい色を塗り重ねることで、影から光の当たる部分、パネルラインの境界線などのグラデーションを意図的に塗装で再現するものです。これにより、外からの光の反射で得られる陰影だけでは得難い重厚感を手軽に表現出来るというわけです。手軽といっても、黒の上から隠蔽力の低い明色を塗り重ねることになるため、”塗装の手間”としてはえらくかかりますけどね;;
手順としては、下地を整えたパーツたちを一旦真っ黒に塗装します。この際普通の黒を使ってもいいのですが、その場合下地の成型色やプラの透けをなくそうとすると何度か黒を吹かないといけない場合があります。ですがこの黒立ち上げという塗装方法は、黒を下地に本来の塗装色を塗り重ねるため、ただでさえ塗膜が厚くなりがちになりますから、下地の黒であまり塗膜を厚くしたくありませんよね。そこで黒にいろんな色を混ぜることで隠蔽力を高めた、”ベースグレー”という限りなく黒に近いグレーを使います。このベースグレーは、”ベースグレーMAX”として市販されてもいますし、黒にいろんな色をちょっとずつ混ぜることで自前で作ることも出来ますよ。
真っ黒に塗り終えたら、あとは希望とする塗装色とその中間色を数色作り、暗い色から巡に中心部から円を描くように吹き付けていきます。コツは、一筆書きの感覚で塗りながら常に動かし続けること。ハンドピースの動きを止めてしまうと吹き溜まりが出来てしまい、そこだけ色が濃くなってしまいます。なので吹き終わるときはスッと手前に引いて吹き溜まりを作らないようにしましょう。一筆書きで吹き溜まりを作らないような塗装の仕方という点では、MG νガンダム Ver.Kaで使用した”シャドー吹き”と似ていますね。
機体色を塗装するときは、塗料濃度は低めに(希釈率は塗料1に対して溶剤3〜4くらい)、コンプレッサーの圧も低く(0.03〜0.04MPa)抑えています。少しずつ何度も吹き重ねる塗装をすることで、階調表現をより滑らかにするだけでなく、失敗した時の修正もしやすくなりますよ。
黒立ち上げの簡単な説明はこんなところですかね。あとは実際に吹いていく形となりますが、時間の都合でそちらはもう少しお待ちを(^^; まとまった時間がここのところなかなか取れなくて、もう少々お待ちくださいませm(_ _)m
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以上です。今回はちょっと短めですが、多忙な時期でもあるためご容赦を; 一応手元ではメタリック系の塗装までは既に終えていたりしますので(Instagramアカウントには少しだけ写真載せてます)、その他外装色の塗装が完了したらまた記事にまとめますね。お楽しみに〜。
では、See you next time!
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