MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式 [ GUREN TYPE-02 ] 完成レビュー

2009.08.21 | author: | ETCETERA | 開発計画
コードギアス MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式コードギアス MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

紅蓮弐式は、ブリタニアによって占領された日本の開放を画策する旧国家首脳陣主導の下、中華連邦領インドの技術者、ラクシャータ・チャウラーにより設計、開発された機体である。ナイトメアとしては、初めて輻射波動機構を搭載し、近接戦においては非常に高い攻撃力を有している。右腕に内臓された輻射波動機構は、出力可変型のマイクロ波/誘導加熱のハイブリットシステムで、触れた相手を内部から加熱、破壊することが可能。ナイトメアフレームの開発ステージとしては、日本においては第2世代型に分類されるものの、ブリタニアの第7世代型(ランスロット)に匹敵する性能を有している。 完成後は、ゼロ率いる”黒の騎士団 ”に供与され、パイロットであるカレン・シュタットフェルト(=紅月カレン)の高い操縦技術により、その性能を見事に引き出している。

「コードギアス 反逆のルルーシュ」から紅蓮弐式の登場です。といっても発売されたのは1年半ほど前なのですが、ようやく製作、完成に至りました。グレードは、様々なロボットものをキット化している”メカニックコレクション ”に分類されており、完成後のサイズもHGクラスとお手頃な大きさとなっています。しかし、色分けのレベルは非常に高く、可動性も下半身に問題があるものの、上半身は非常に良好です。何よりサイズ的にも非常に組み立てやすく、MG等と比べると敷居はそれほど高くないと思われます。パーツの光沢処理も非常に綺麗ですよ。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

プロポーションは独特なものですが、劇中のものをよく再現していると思います。色分けは本当に見事で、このサイズでこれだけ再現されていれば、十分なレベルです。要塗装箇所は、コックピットブロックのグレーと、握り手と一体化したナイフ、スラッシュハーケンの展開クロー、コックピット内部(カレン込み)くらいです。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

後から。設定上の全長が4.51mなので、コックピットブロックが大きく背中に張り出しているのもナイトメアフレームの特徴の一つなので、この紅蓮弐式も同様の構造となっています。

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コックピット内部も精密に作られていますが、残念ながらコックピットハッチの開閉は選択式となっています。閉じている状態は赤○同士を繋げ、展開状態は青○同士を繋げます。

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コックピット内部、パイロットのカレンを塗り分けてやれば、よりリアルなコックピットとなります。コンソール類のディティールもある程度確保されているので、そのまま塗り分けてやるだけでも十分でしょう。

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パイロットのカレンも、1/35というサイズのおかげで、塗りわけが格段に難しいということはないと思います。……まぁ、面倒ではありますけどね;

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可動範囲を見ていきましょう。先ずは頭部から。首は、2重関節化されており、なかなかよく動いてくれます。このサイズ、構造を考えると十分なレベルじゃないでしょうかね。

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肩にも引き出し機構が含まれており、良く動きます。ガンダムのような引き出し機構とは多少異なりますが、基本的な構造は同じですよ。右写真は、肘の曲がり具合です。紅蓮弐式は、左右の腕の形状が全て異なっているので、曲がり具合も左右で違ったり。右腕は伸縮ギミックの絡みもあるので良く曲がりますが、左肘が90度くらいなので、もうちょい曲がって欲しかったところです。

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右腕の伸縮ギミックも再現されています。って、ギャーーー、実際はさらにもう1段伸びます…orz 撮影時に完全に失念していましたが、肘関節の折り畳み機構だけでなく上腕部分にも伸縮機構があるので…;

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その、さらにもう一段伸びる部分です。右腕の伸縮機構を使うことで、より長く見せることが出来ます。ってか、肘の分だけでも十分長いと思うのですけどね;

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続いて腰です。腰の前後の可動範囲は、後側に仰け反ることは出来ませんけど、前かがみはある程度出来るようになっています。

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回転方向は、かなりのレベルです。左右あわせて180度近く曲がりますよ。これだけ曲がるキットも最近では珍しいような…。

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今度は足回りなのですが…上半身に比べると平均以下の可動性となってしまっています。先ずは開脚率ですが、サイドスカート類がない割には、あまり開きません。股関節位置がやや高すぎるのでしょう。

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この紅蓮弐式には、足首というものがないらしく、つま先はボールジョイントで繋がっており、回転軸が設けられているので、それにより接地性を確保しています。そして、踵側も、内側の方だけより上側に動かすことが出来るようになっています。これにより2つの踵が綺麗に接地しているように見えるわけです。

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膝も90度くらいしか曲がらないので、お世辞にも曲がる方とは言えません。1軸関節ですし、構造的にもこれじゃあ曲がりませんなぁ…。

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なので、立膝をすると妙なことになりますorz 膝が曲がらない、足首がない、膝位置がやや高い(膝上、膝下のバランスが悪い)点から、とてもじゃないですが立膝は無理です;

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脹脛に内臓されたランドスピナーは、設定通りに可動。差し替えナシで、展開状態を楽しめます。ちなみに、タイヤ部分は、キットとしては大変珍しいゴム製となっています。

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展開した脚部をアップにすると、膝下が空洞になっているのが分ります。構造的に大丈夫か!?という不安が見ててありますが、まぁ軽量化されてるといばされているのでしょう。ランドスピナーは、単に引き降ろせるというだけで、このスピナー自体に垂直方向の回転軸がありません。出来れば、ボールジョイントとかで表情をつけられると良かったのですが…。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

付属品です。呂号乙型特斬刀も付属していますが、左の握り手と一体化しています。そのままだと手のワインレッドの成型色なので、塗り分けてあげる必要があります。

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スラッシュハーケンは、展開状態のクローにリード線を組み合わせたものが付属。なので、左胸の閉じた状態のクローと差し替えとなりますよ。

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スタンドも付属。HGなどで使いまわされているスタンドですが、紅蓮弐式用の延長パーツを使用して、アーム部分がちょっとだけ長くなっています。

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では、実際にポーズをつけていきましょう。上半身はよく動くので、ポージングもいろいろなものが楽しめます。写真2枚目のように、ランスロットのヴァリスを受け止めたようなポーズ(劇中とは腕の角度違いましたねorz)も〜。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

全体的なプロポーションは良いので、ポーズをつけていると、爪の長さも気にならなくなってきます。まぁ、改めてまじまじと比較しちゃうと、長いな〜とは思いますけど。

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この時点では、腕の伸縮機能をすっかり忘れてますので、見事に伸ばし忘れていますorz それについては↓の方で追加で撮影した分を掲載していますので、完全に伸ばした状態をご覧になりたい方は、そちらを別途どうぞ〜。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

腰が大きく回転させられるのが、ポージングの幅を広げてくれます。これで下半身がもっと動いてくれれば、さらに躍動感あるポーズが取れるのですが…。

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スタンドを使用すると、体制を低くして突進するポージングが取れます。輻射波動を狙い突撃するようなポーズが非常に似合いますよっ。これなら下半身の動きの悪さをカバーしてくれますね。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

右手の輻射波動機構の色分けも、何気にしっかり再現されていたりします。この紅蓮弐式は、ロイヤルコーティングバージョンというメッキ処理されたものも発売されていますが、このレベルで色分けされている以上、メッキ処理がハズレでなければかなり良さそうです。

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↑では、腕の伸縮を使っていないものばかりでしたので、使ったものも掲載します。伸びる長さはそれほどでもないですが、伸ばすことでマイナスモールドが露出する等の細かい演出もありますよ。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

短刀のような呂号乙型特斬刀を構えた状態。左手と一体型となっているので、保持の心配は全くありません。握り手の真ん中に穴があいていて、そこに差し込むタイプよりも、一体型の方が指一つ一つが自然で綺麗です。その分塗装は必要となりますが…。

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近接戦闘に特化した機体であることをうかがわせる武器です。紅蓮可翔式や紅蓮聖天八極式になると、かなり飛び道具も搭載されるようになって、大分機体特性も変更になっていますが、紅蓮弐式は接近して何ぼですからね。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

飛燕爪牙(スラッシュハーケン)も射出状態を再現可能です。リード線なので自由に形状を変えられますから、お好みの状態でポーズをとることが出来ますよ。

MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式 MC 1/35 Type-02 紅蓮弐式

飛燕爪牙により相手を引き寄せて、輻射波動を食らわせるようなポーズも。ただ、このコードギアスのMCシリーズでは、グラスゴーやサザーランドといったナイトメアが立体化されてないのがイタイです。もう少し商品展開がしっかりしていると、より楽しめたのですけど…残念です。

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以上、紅蓮弐式の完成レビューでした。「パンドラの匣」では、初めてのHGサイズのレビューでしたが、お楽しみいただけましたでしょうか? もっと時間があれば、HGなども作ってレビューしていきたいのですけどねぇ……ぎぶみーたいむ&まねー_/ ̄|○

では、総評を〜。プロポーションは、なかなかに良好な上、キットデフォルトの光沢も意外といい味出しています。キャラモノはつや消しが多い中(塗装しなければ半光沢ですが)、こういう光沢仕上げもいいですね。色分けも、このサイズでこのレベルなら十分満足のいくものだと思います。カレンの塗装はちょっと大変ですけど、がんばる価値はあると思いますよ。コックピット内部もある程度作りこまれていますし、塗装したカレンと会わせれば見栄えもグッと良くなります。可動性も上半身はよく動きます。付属品もとりあえずスタンドを含め、基本は揃っていますので十分じゃないかな〜。
ただ…粗さや欠点も多くあるのが残念な所。スタイルで言えば、作成レポートの頃から述べている通り、爪(右手指)が長すぎます。可動性も良く動く上半身に対して、下半身の動きが悪いのでバランスが悪いです。サイズ的な要素を考えるとがんばっているとは思うのですが…価格を考慮するとそうも言ってられません。このサイズ(プラ量、パーツ数等を含め)で、なんとちょっとしたMGと同程度の価格だからです。まぁ、この価格だからこそ、コックピットも再現しているし、光沢処理もしていると言えなくもないですけど、その分基本的な部分が疎かになってしまってはダメですよね。もう少しバランス(全体的に)を煮詰めて欲しかったキットです。
このシリーズは、現状キット化されたものが少ないのでコレクション性としては低いですが、スタイルはなかなか良いので価格に見合うものと思えたら買って損はないと思います〜。
    

            

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