初歩と制作上のポイント(シール貼り(ドライデカール))

2009.XX.XX | author: | 緋影流プラモデル製作研究所 | 開発計画
ドライデカールは、インスタントレタリングやスクリーントーンと同じもので、貼りたいシールの部分を切り取り、貼りたい場所に当てて表から先の丸いもので擦り付けることで転写させるものです。つまり、乾式の転写シールということで、ドライデカールと呼ばれるわけです。特徴は、インレタ等と同様にプリントなので厚みがほとんどなく、余白がまったくない、失敗した場合はセロハンテープで剥がせるといったものがあります。ただし、プリント面が脆く、多面、球面構造には貼りにくい(貼れないわけではないが手間がかかる)といった欠点もあります。
スライドデカールと特徴が似ていますが、こちらの方が手軽に綺麗なプリント面を再現出来るのが利点と言えるかもしれません。プリント面の保護についても、水転写デカールと同様に、トップコートを何回かに分けて吹くことで保護することが出来ます。MGキットではほとんどに付属しているシールなので、貼りなれておくと楽ですよ。

シール貼り(ドライデカール)

今回の生贄モデルは、MGガンタンクです。ドライデカールを貼る場合は、先ず貼りたいシールをシートから切り出すことから始まります。今回は14番のシールを貼ります。
またシールの裏には、粘着面を保護する保護シートがついています。これは、とりあえずそのまま付けた状態で作業しましょう。そうしないと、粘着面にごみがイッパイついて使い物にならなくなってしまいます;

シール貼り(ドライデカール)

続いて貼る場所を確認します。今回貼る所は、キャタピラユニットの一部、赤○のところとなります。ここに手の油分やごみが付着していると剥がれる原因となりますので、薄めた中性洗剤を染み込ませたティッシュや布でよく拭き、さらに乾拭きします。このあたりは、他のテトロンや水転写デカールを貼るときと同様ですね。
どんなものでもしっかりと定着させるためには、かならず必要な手順となりますので、ふき取る癖をつけておくといいですよ。

シール貼り(ドライデカール)

貼る場所を確認、油分のふき取りが完了したら、貼りたいシール部分を切り取ります。このドライデカールは、冒頭にも述べたとおり余白(糊しろ)がありません。なので、余分な糊しろをなくすためにギリギリに切り取る必要はありません。プリント面が入る形で適当に切り出しましょう。

シール貼り(ドライデカール)

切り終えたら、台紙を外したプリント部分を貼りたい場所にそっとのせます押し付けてしまうと転写されてしまうので、あくまでそっと置いてください。
あとは、ピンセットなどで細かい位置調整をして、貼る場所を決めましょう。

シール貼り(ドライデカール)

貼る場所が確定したら、マスキングテープをデカールの上から貼り付けてしまいます。このとき、せっかく位置決めしたシールが動いてしまわないように、慎重にマスキングテープを貼りましょう。
今回は対称となるシール部分が小さいので覆うように貼りましたが、もっと大きいモノであれば部分的に上下とか左右のみに貼るのでも大丈夫です。ようはシールが動かないようになってれば良いのです。

シール貼り(ドライデカール)

あとは、何で擦るかが問題になります。理想は先が固く細いけど丸まってるもの…日常品ではインクの出なくなったボールペンとかですが、意外とないですよね; 一応スクリーントーンを貼るための道具として、バーニシャーというのもあります。しかし、画材店等にしかない上に、2000円前後と若干高価です。
そこで写真のもの”金属製の耳かきを利用します。金属製ですから硬いのはもちろん、先が丸まってる上にヘラのような形状をしていますので、ドライデカールを擦るにはもってこいです。オマケにお手軽仕上げでパーティングラインなどの部分的なペーパーがけをした跡や、ゲート処理で白化してしまった箇所の密度を戻すのにも使えますので非常に重宝します。しかも、100円ですw ある程度の大きさの100円ショップなら、大抵置いてるのではないでしょうか?

シール貼り(ドライデカール)

あとは、シールを貼った場所(転写する部分)の上から、ある程度の力で擦りつけるだけとなります。あまり強く擦りすぎるとシールがずれたりしますし、弱すぎると転写はされても定着が不十分ということもありますので、ある程度は力を入れて擦ってください。
今回のようにシールをマスキングテープで覆ってしまうような場合は、転写する部分が隠れてしまいますので、擦り漏れがないよう広めに擦ると良いでしょう。

シール貼り(ドライデカール)

擦り終えたら、マスキングテープ(と転写元のシール)をそっと剥がします。これで転写完了となります。この状態でも大丈夫ですが、念をいれるのであれば、このあとさらにドライデカールの保護シートを貼った場所に押し当て(粘着面と触れていた方を下に)、上からもう一度軽く擦ってやると良いでしょう。
ただし、このままでは転写したプリント面の強度が弱いことには変わりないので、トップコートによる保護をした方が無難です。ドライデカールを貼る際は、位置決めをした後にマスキングテープで位置がずれない様に固定することが基本となります。これさえ守れば、基本的にはどんな場所でも綺麗に貼ることが出来ますよ。
    

            

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