MG 1/100 MSN-001A1 デルタプラス [ DELTA PLUS ] 完成レビュー(MS形態編)

2011.09.02 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 MSN-001A1 デルタプラスMG 1/100 MSN-001A1 デルタプラス

アナハイム・エレクトロニクス社が開発した試作可変MS。かつて、δ(デルタ)計画の最終目標として開発されていた”δガンダム ”という幻の可変機が存在した。しかし構造上の問題により、可変機構を断念した結果誕生したのが”百式 ”である。その後、メタス、ZガンダムといったZ計画により培われたTMS技術の発達により、当時実現不可能だったデルタガンダムを、百式で得たデータを元に量産化を前提で再考されたのが本機である。だが、単純なデルタガンダムの復元ではなく、様々な新技術などが投入されており、試作機という枠を超え実験機としての色合いが濃くなっている。
その代表的な例が、バイオセンサーの導入であろう。サイコミュの一種であるバイオセンサーを搭載したことにより、機体追従性が向上され、百式から受け継がれる”耐弾性よりも回避能力の向上を ”という設計思想をさらに突き詰めていくことが可能となっている。だが、あまりにも性能を重視しすぎたため、従来機との互換性がまるでなく、整備、運用性はお世辞にも高いとは言えなかったようであるが、”δという翼 ”は確かにこの時代に蘇ったと言えるだろう。

待望のデルタプラスがMG化されましたっ。Z系の機体は元々人気が高いわけですが、デザイン的にもシャープでスタイリッシュな上に、見事に百式とZを受け継ぎ融合していますね。このあたりのまとめ方は素晴らしいと思います。キットの方でもそのあたりを忠実に立体化しており、MS、WR、両形態のプロポーションも非常に良いです。加えて完全変形も実現していますので、まさに至れり尽くせりなキットに仕上がっています。もちろんそれらの再現に伴い、”強度 ”が犠牲になってるわけですが…(^^; 洒落にならないですよ、ホント; そういう意味では非常にナーバスなキットでもあるので、組み立て、ポージング、変形に際しては、いつも以上に気を使いましたorz レビューでは、これらの点にも触れながら、じっくり紹介していきたいと思います。

MG 1/100 MSN-001A1 デルタプラス

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前後から2枚〜。プロポーションは、さすがMGだけあって完璧ではないでしょうか。四肢の太さ、長さ、全体のバランスと、申し分ない出来です。成型色がちょっと明るめですけど、劇中のデッキ内ではこんな感じの色合いでしたので、そういう意味ではアニメに忠実と言えるかもしれません。設定画だと緑の入ったグレーだったり、青が入ったグレーのもあったりと、イマイチ統一感がないですね、この子(^^; 背中のバインダーは、Zプラスと似たような状態になっていますけど、百式の後姿をも髣髴とさせます。どちらもクリックするとおーきく表示されます。

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Z系を思わせる二枚目な頭部です。ブレードアンテナが小型化しているので、百式の面影もあります。首の可動は…そこそこ、といったところでしょうか。二重関節化されているので、顎を引く動きはよいものの、見上げる方向が後ろの装甲に邪魔されて思ったほど曲がりませんでした。Z系可変機の特徴にもなっている背中から後頭部の後ろあたりまで延びる装甲がなければ、恐らくもっと曲がったかもしれませんが……構造的なモノは仕方ありませんね;

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肘の可動は十分よく曲がってくれます。ただ、肘はそのままストレートに組んでも保持力などに問題はないのですが、如何せん肩周りがすべてユルユルでした; ただ、構造的に強度が十分確保されている場所ではないので、あまりキツクしすぎるとタイトな関節部分に余計な負荷がかかって、パーツ破損に繋がりやすいです。ですので…ある程度保持力を重視するのであれば、肩周りを動かす際にはショルダーアーマーを押さえつつ、ゆっくり動かしてやりましょう。そうすることで、肩付け根への負荷をある程度軽減出来ます。
尚繰り返しになりますが、キットの関節などの保持力に関しては、キットごとの個体差、製造ロットの違いにより、お手元のキットが必ずしもここで書いてある通りの状態とは限りません。ここでの関節補強を実行される前に、仮組みして実際に固さを確認してから補強するようにしましょう。また、盛り過ぎることでパーツ破損に繋がる場合もありますから、作業は慎重に、そして自己責任のもとで行ってくださいね。

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コックピットハッチはもちろん開閉可能。ただ、シートポジションがMSとWRの中間みたいな状態で、ちょっと中途半端?? ましてこの狭さでは、劇中のようなサブシート(オードリーが使用)を設置することは出来ませんね(^^;

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腰の可動は、Z系可変機であることを考慮すれば、動くだけでもスゴイのですけど…それはZガンダムVer.2.0で既に確立されていたことですし、目新しさはなし。出来ることなら、さらに可動範囲が広がったくらいの発展性を見せて欲しかったですね。写真では左右の捻りのみを紹介していますけど、前後方向はほんとにスズメの涙ほどしか曲がりません;;
ぶっちゃけ…反り返り防止?変形機構上の補助?と思われる、F-15とF-16のボールジョイント先端のピン(切り落としちゃったアレです;;)ですが、ほとんど腰が動かない以上存在意味があまりないかもしれませんorz 

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股関節の開脚方向の可動域もご覧の通りの狭さ; 昔ながらのボールジョイント構造なので、そりゃー曲がるわけありません;; こちらも進歩がないというか退化していますorz 可変機構の関係があるとはいえ、股関節の取り付け角度を工夫するとか、元のデザインを崩さずに可動範囲を広げる方法は、いくらでも対処のしようはあるでしょうに…。お手軽対処としては、外装パーツを多少削ることでもう少し開脚率を上げることは出来ますが、構造が構造なので劇的な変化とはいきません。前後方向の可動は優秀(スカートがよく動いてくれます)なだけに、勿体無いですね。あと、股関節も少々緩いので、補強はしっかりめにしています。

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膝周りの可動はまったく問題ありません。というか、ここが動かないMGって…ここ数年ではユニコーンぐらいですから(^^; 連動ギミックとかで、見た目にも力を入れやすい部位なのでしょう。

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足首周りの可動は、前後方向はほとんど問題ありません。ただ横方向は相変わらず微妙なところ;; まぁ開脚率が低いので…実際はこれでも十分接地してくれたりするんですけど;w; ちなみに、足首周りも一通り関節調整しています。特につま先の可動部分は、変形機構の伸縮も担っているので、可動が緩くなりやすい構造になっています。つま先が緩いと自立出来るかどうかに関わってきますから、こちらでは少ししっかりめに調整しました。

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立膝は、綺麗に決まります。完全変形を実現しながらも、こうして見事な立膝がつけるんは素晴らしいですねー。膝、股関節と足首の前後方向の可動域が優秀だからこそ出来るポージングです。立膝マニアには堪りませぬなー。

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ここからは付属品をご紹介。ビームライフルは、作成レポートでも書いている通り、リゼルで使われているライフルと色違い(成型色違い)なだけで同じものとなります。成型色の違いから、部分塗装色も変更していますけど、見た目が同じですから目新しさはありません。

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シールドです。こちらは可変機構の一部でもありますから、独特な形状をしていますよ。表裏をこうして並べてみると、あまり盾っぽくはないかもしれません(^^; 

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その他付属品は、ビームサーベル刃(薄いクリアブルー)、スタンド用ジョイントアタッチメント(写真下段右)、WR用形態保持用補助パーツ(写真下段左)となります。WR用形態保持用のパーツは、取り付けなくても可変自体は可能です。あくまで補助用ということですね。

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それでは…武装を持たせて、いろいろポージングさせてみましょー。この写真は、ツイッターや先行公開した記事で見た人も多いかな(^^; 写真をクリックすると大きい状態で見られますよー。

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とりあえずライフルを構えた写真を中心に。肩周りの関節補修をしっかりめにしていますから、肩を動かす際には気を使いますけど、ライフルやシールドの重みで腕が下がるといったことはゼロなので、ポージングのストレスはそこまで感じませんでした。ショルダーアーマーを押さえながら肩を動かすのも、慣れるとそこまで苦ではないかも? それから今回のジョイントアタッチメントは、MS形態のデルタプラスをしっかりと支えてくれています。

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開脚率が低いので、接地状態のポージングはあまり様になりませんね(^^; ポージングをしていて気になった点は、大きなシールドが思いの外邪魔なこと(^^; シールドを装備するには、腕の穴にジョイントを差込むしか持たせる方法がないわけですけど、そのジョイント周りにロール軸がないため、ポーズによってはシールドの上側が背中のバインダーと思いっきり干渉してしまいます。せっかくのMGですから、その点も気を配って欲しかったなぁ〜。

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大きめ写真を3枚ほどー。後ろから見ると、膝裏の動力パイプのメッキシルバーがいいアクセントに(ライフルのエネルギーチューブも同様に塗装して統一感を)なりました。今回足首周りにゴールドとメッキシルバーを多用しすぎたかと思いましたが、ポージングをしているうちにさほど気にならなくなりました。んー…単純に見慣れただけか(^^;

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続いてビームサーベルを手にしたポージングです。今回のデルタプラスは、関節保持力に問題のある箇所が多いだけでなく、武器の保持力も久しぶりに非常に低いキットでした; ビームサーベルは、重さもそこまでないので持たせることは可能ですけど、ちょっとしたことで落下します。ビームライフルに至っては、持たせることがまったく出来なかったほどですw ここ最近のキットは、武器保持力が高い子が続いていただけに「最後の最後でもやられたなー」というのが率直な感想ですね;

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大きめ写真をまたまた3枚ほど。先ほど述べた”シールドとバインダーの干渉 ”ですが、まさに一番下の写真がその状態となります。劇中では、サーベルを左手に戦うシーンの描写もあるわけですけど、実際にキットでそれを再現しようとすると、横方向になぎ払うような動きが出来ない…つまりサーベルを振りぬけないのです。せっかくプロポーションが良いのに、もったいないー_/ ̄|○

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〆は特大サイズの写真を載せておきますね。3枚ともクリックすることで、大きい状態をご覧いただけます。ということで…以上、MGデルタプラスのMS形態編のレビューでしたーっ。

「MS形態編」はここまでです。引き続き「WR形態編」をご覧くださいませ。
    

            

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