MG 1/100 F91 ガンダムF91 [ GUNDAM F91 ] 完成レビュー

2006.08.19 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 F91 ガンダムF91MG 1/100 F91 ガンダムF91

サナリィ社のフォーミュラー計画に属する機体。小型の高出力核融合炉の開発により、ジェネレーター出力をさげることなく機体サイズを15m強までサイズダウンすることで、これまでにはない高機動を可能にした。この機体のダウンサイジングを可能にしたのは、小型の核融合炉だけではなく、電装と装甲材を融合させたMCAと呼ばれる新素材をフレームに採用した点もある。これにより機体各所の空いたスペースをそのまま小型化へと結びつけることが可能となった。またビームシールドの採用、そのビームシールドすらをも貫通するヴェスパー、その全てを統括するバイオコンピューターの搭載と非常に革新的な機体である。
この機体の開発コンセプトは、その時点での最高性能を実現することにあり、事実それを達成していた。ただ、あまりにも高性能すぎたが故、通常はパイロットの技能に合わせて、バイオコンピューターによりリミッターがかけられることとなる。真の乗り手と判断されれば、全てのリミッターは解かれ、MEPE(装甲表面の金属剥離による強制冷却システム)が発動し副産物である残像が発現する。この残像は、微細な金属粒子により構成されているため、センサーには”1つの機体=質量を持った残像 ”として認識される。この状態こそが、F91の本来の性能発揮した状態である。

劇場版「ガンダムF91」に登場した主役機、F91です。初代ガンダムから続くUCの流れをくみ、それまで高性能化=巨大化だったMSの歴史を大きく変えた画期的な機体であったことはもちろんですが、これをMG化するにあたって劇中同様画期的な作法が取られています。それは、これまで関節可動部には磨耗の緩和、保持力の観点からポリキャップを使用してきたガンプラですが、従来同様内部フレームを再現しつつサイズを落とすにあたり、そのポリキャップを一切使用しないという選択がされたことです。その代わりABS樹脂による摩擦を利用しています。サイズが小型化したことにより、重量も落ちた分ABS樹脂のみの関節でも保持力は十分というわけです。では、その辺も踏まえてレビューしていきます。

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正面から。作っている時は、かなりパーツの合いがきつく、強度的に問題がある箇所があったりと苦労しましたが仕上がってみると「よくもこのサイズで内部フレームまで再現するなぁ」と関心します。バランスは、ちょっと肩が大きく足が短めですが、自分はこれくらいでも許容範囲です。あまり足が長すぎるのは…なので個人的にはいいと思います。ただ、ややラインが直線的なのは気になりますね…。このアングルだと分かりやすいのですが、肩の放熱フィンが飛び出してしまう点も−点です。構造上フィンの長さを極力伸ばした結果なので仕方ないのですが、可動式と固定式の選択権をユーザーに与えて欲しかったところですね。

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角度を変えて。こちらはBlogではなかった新ショットです。足首もよく動くので接地性はいいと思います。こちらの角度からだと脹脛から足首にかけてがやや短く感じますね。このF91は要塗装箇所がちょっと多くて泣けます;成型色が塗り派にも素組み派にも不親切な配色になってたりするので、塗装箇所の多さと相まって苦労しました。

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バストアップです。ルーバーの隙間から内部がうっすらと見えています。このあたりは素晴らしいですねぇ。ルックスもフェイスオープンを再現したにしては、ハンサムだと思います。そう、コックピットの左右にあるブルーのパーツは、先端部がかなり鋭利に研ぎ澄まされているので、組み立てる際は注意しましょう。自分は流血1回、皮がめくれた数回と見事にやられましたorz

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背後から。今回のキットの色分けで、唯一がんばってると思えるのが、このメインスラスターです。素組みでも十分見栄えいいと思います。しかし、それでも完全に色分けを再現出来ていないので、自分は塗装してしまいました。しかし、スラスターと本体が一体化してるガンダムって珍しいですね…というかF91以外であるのかな?このあたりのデザイン、いいですよね。ヴェスパーも収納状態でこのボリュームは、なかなか迫力があります。

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リミッター解除。肩の放熱フィンは、ダークグレーの単一色成型なので、白部分は塗装必須かな? フェイスオープンしても顔立ちはなかなかです。しかし、、フィン短い+展開の仕方が変ですね; かつての1/60 F91の展開が設定に近いと思いますがあれは激しく引き出しにくかったorz

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リミッター解除状態のバストアップ。巷では不評のフェイスオープンギミックですが、自分はこういうやり方もあるのかと関心しました。↑でもふれました1/60だと取り外し式になっていたのですが、ノーマル状態がお世辞にもいいとは言えなかったので; そういう意味では、どっちもどっち…なのでしょうかねぇ。

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リミッター解除を後ろから。脹脛のスラスターも展開(ノーマル状態でも展開可能というツッコミはなしで)。後ろからだとノーマルとほとんど見た目変わらないですね;

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今回は、脹脛のアップも。スラスター部は、他のスラスター、アポジモーターと合わせオレンジイエローで塗装しています。ここのフィン(カバー?)も、もう少し脹脛の形に合わせて流線だとよいのですけどねぇ…。

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内部フレーム。このサイズで従来のMG同様内部フレームを再現しているのはお見事。さらに肩関節の引き出し機構も搭載されています。あと、実際は頭部も内部が再現されています。

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内部フレームのバストアップ。コックピット周辺の胸部排熱装置は、ラジエーター(バイクのがデザインの元らしいです)という設定だったので、シルバーで。シルバーにすることでルーバーをつけても外部から中の様子がわかっていい感じですよ。

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脚部の内部フレームです。サス系、パイプ系は、すべて金銀塗装しています。他だと膝関節の内部や、ビームライフルの内部等です。そう、、、また写真を撮り忘れましたが、F91はビームライフルにも内部構造が作られています。

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新規SSのコックピットです。コンソール周りが結構再現されています。コンソールの上左右のHUD(ヘッドアップディスプレイ)は、メタルグリーンで塗装。パイロットフィギアは、いつもどおり乗せていません。

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ビームシールド発生器のアップ。こちらにもピストン系があるので金銀でアクセントに。ビームシールドの発生部分は白成型なので、黒で塗装(本来はグレーです)。ビームシールドは、組み立て後にはめ込めるようなことが取説には書かれていますが、無理ですw しかも塗装が禿げます;; なので予備と2個ありますけど、1個はビームシールドに固定しておく形になりますね。すなわち右腰の発生器のマウントラックは、空が基本ですorz

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ここからは、搭載武装です。先ずは、基本のビームライフル&ビームシールド。ビームライフルは、スマートで非常に好みのデザインです。ビームシールドもこれまでで最高の出来で、PET素材を採用したことで従来よりもさらに薄く作られています。また、写真では分かりづらいですが、グラデーションプリントも施されています。スバラシイ!
さて、、、ブログのときには、この技術をMGデスティニーやストライクフリーダムなんかの光の翼の類に使われるといいな〜と話していましたが、とりあえずMGストライクフリーダムの発売が決まり、しかも光の翼はスペシャルバージョンのみに付属することが決定しています。あとはグラデーションプリントが施されれば夢が叶いますよ。頼みますよ、BANDAIさん!

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お決まりの立膝状態。う〜〜ん、、、ちょっとぎりぎりです。膝の可動は申し分ないのですが、問題は股関節ですね。比較的可動軸が前よりにはなっていますけど、やはりスイング機構が欲しかった所。まぁこのサイズだと厳しいかな;

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劇中でシーブックが、はじめてビームサーベルを使ったときをイメージして。ビームサーベルは、腰のマウントから設定通り取り出せます。自分が買ったのは初期ロット品なのですが、初期ロットには成型不良が存在し、丁度この腰のビームサーベルラックの基部の成型がおかしく、ナイフで削りだしたもののポロっと取れやすくなっていました。しかし、BANDAIに問い合わせた所、そのパーツのランナーごと無料で郵送して頂けたので、現在は問題ないです。アフターサポートもいいですね。なお、現行ロットではその不良はないので、これから買おうという方はまず安心していいかと思います。

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新ショットです。クリアグリーンのビームサーベルは珍しいので、ちょっと新鮮です。接地性は、足首がよく可動するのでかなりいいと思います。

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F91最大火器、ヴェスバーです。左右に1基ずつの2基装備されていて、ビームシールドすらも貫通するというアレです。銃身のスライド、グリップ、フォアグリップの引き出しもきちんと再現されています。

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ヴェスバー両手持ち。ヴェスバーは、レールに沿ってスライドする形で展開されますが、レールとのジョイント部がフレキシブルに可動する為、自由なポージングが可能です。

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↑をアップで。ヴェスバーをスライドさせたときに露出する部分に、エネルギーバイパスのようなパイプがあるので、こちらをシルバーに、基部をゴールドで塗装しています。

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ビームランチャー。これまでのガンダムだと、実弾を発射するバズーカの類が多かったのですが、こちらはビーム兵器です。マズルには、ちゃんと球体のレンズのような部分が成型されていてそれらしさを出しています。

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アップで。グリップ部は前後にスイングするので、無理に手首の可動域を増やすことなく、肩にランチャーを担ぐといったポージングもスマートに。ライフルもそうですが、こちらも色分けは設定通り申し分ないです。

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最後にサイズ比較を。標準的なサイズのネモと比べ、頭一つ分小さいのがわかります。ただ全長が低いのではなく、サイズに合わせて腕や足もスリムになっているのもわかると思います。ですが、本来は大型化した直後の時代設定なので頭二つ分くらいサイズが違っています。ネモ18.5m、ジェガンで20.1m、リ・ガズィが20.5m、νガンダムにいたっては24.2mと、、、って肝心のF91は15.2mなので、どれだけサイズが違うかがわかると思います。

では、総評を。ポリキャップレス等の新しい技術に取り組もうとした姿勢や努力はスバラシイですが、それに伴う弊害がやや大きいと思います。強度不足、各パーツの合い、成型不良といった作成する上での根本的なことがおろそかになるのは問題かと。まぁ、その後の対応は申し分ありませんでしたが、開発時間が今回の新要素を考えると短かったのかな? しかし、新技術も悪かったことばかりでなく、ビームシールド等の素晴らしいものもありますので、全てが悪かったわけではもちろんありませんし、これらのことは解消可能な問題ですので、今後の小型MS(現時点でクロスボーン、さらにはVガンダムシリーズへと)に期待出来ると思います。
また別の問題として、販売戦略としての同型機(色違い等)を意識しすぎて、成型色がまったく違うというユーザーへの配慮が足りない点があります。多少の違いならまだしも、本来白のところを黒成型といった真逆になるとさすがに;; なにより、こういったことを「MG」でやってしまうことにショックがありました。何のためのマスターグレードなのでしょう?こちらも今後の大事な課題ではないかと思います。
肝心のバランスなどは、好みが分かれる所ですが、自分はさほど気にならないです。しいて言えば足の長さ、肩の大きさですがこれはこれで…てな程度です。なお、肩に関しては旧キットがそのまま流用出来るようなので、放熱フィンを含め比較的簡単に改装が可能です。あと、これは私も気になるところですが、全体的に曲面が足りないですね。せっかくのF91なのに…といった感じは否めません。ギミック的には及第点かな。特にフェイスオープンのギミックは、「がんばってるなぁ」と関心しましたし、フェイスオープンを再現してあのバランスなら十分です。
尚、「ガンダムF91 ハリソン機」にて再レビューを執筆した際、”プロポーション ”、”可動性 ”、”色分け ”については、やや評価が厳しすぎたと感じたため、それぞれ+2点ずつ加点しています。背景的な問題をおいておけば、キットそれ自体は悪くないと思いますので、F91が好きならとりあえず買ってみて損はないのではないでしょうか。
    

F91 ガンダムF91 ハリソン・マディン専用機     XM-X1 クロスボーンガンダムX1 フルクロス   XM-X1 クロスボーンガンダムX1 Ver.Ka

            

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