MG 1/100 FA-78-1 フルアーマーガンダム [ FULL ARMOR GUNDAM ] 完成レビュー

2010.07.19 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 FA-78-1 フルアーマーガンダムMG 1/100 FA-78-1 フルアーマーガンダム

連邦軍初のMSとして開発された3機の内の1機で、白兵戦を想定した機体となっている。コックピットは、コア・ブロックシステムと呼ばれる脱出装置を兼ねた小型戦闘機を変形収容しており、他の2機も同様の仕様で規格の統一が図られている。このコア・ブロックシステムだけにとどまらず、使用されている素材、部品どれをとっても採算を度外視したワンオフ(ある意味3機セットのワンオフである)に近い仕様になっており、性能を可能な限り追求した機体である。V作戦本来の目的である量産については、この3機を元に機体構造の簡略化、コストダウンをすることで実現(RX-79ジム)している。また、ビーム兵器を形態、運用した初のMSでもある。
フルアーマーというバリエーションは、FSFW計画の下に開発された試作機。ほぼ全身を追加装甲で覆い、2連装ビームライフル、ミサイル・ベイ、360mmロケット砲といった艦船規模の武装を1機のMSに詰め込んだ武装を持つ。それらの過剰なまでの装備を、追加された推進装置で補うことで機動性の低下を回避している。極秘裏に運用された幻の機体である。

1stガンダムのMSVキットとしては、久しぶりのMG化ですね。てっきりジムキャノンあたりが、連邦機としては先に来るかと思いましたけど…まさかのフルアーマーでした。このキットの最大の特徴といえば、装甲の着脱を完全再現した初のフルアーマーであり、尚且つその装甲の装着方法に”ゲルシート ”を初採用したMGであることでしょう。まぁ…新しい試みは最初は上手くいきにくいものです; これまでのMGでもイロイロな素材、新しい解釈が試されてきましたが、果たしてこのゲルシートは今後のスタンダードとなれるのでしょうか? 個人的なファーストコンタクトとしては、改良次第…ですかね; 改修が利いたおかげで、ポージングくらいでの自然落下はなくなりましたけど、まだまだこれからでしょう。それではレビューといきますかーっ。
尚、装甲を取り外した場合は、ガンダムVer.2.0と色違いなだけで本体構造は同一となっています。なので、可動範囲等についてはガンダムVer.2.0のレビューをご覧くださいませ。

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最初は…ガンダムVer.2.0のときと同じようにコア・ファイターからいきましょうか。オリジナルのカラーリングでは、主翼、尾翼にオレンジは入っていませんでしたが、アレンジで塗装しています。

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このコア・ファイターも、カラーリングが異なる以外は、ガンダムVer.2.0、ガンタンクに付属するものと同一です。

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ただ、上記の2体は青、白、赤のトリコロールでしたから、緑、白、オレンジのこのコア・ファイターは新鮮ですね。

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キャノピーは、フレーム部分のみ白で塗装するところまで同じです。

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コックピット構造も当然ことながら同じとなりますよ。塗り分けはちょっと変更していますけどね。

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ミサイルポッドの開閉ギミックも変わらず搭載されています。ミサイル弾頭は、赤からオレンジイエローに変更。

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このタイプを組み立てるのはこれで3度目になるわけですが、1/100コア・ファイターとしては抜群の出来ですね〜。

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後からの見栄えもgood。主翼を大きく見せるギミックも、とても効果的。

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そして、コア・ブロックへの変形もしっかりと再現されています。

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機首を収納する際に連動する着座シートの回転ギミックもいいですね〜。

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追加装甲を取り付ける前のガンダム。冒頭で注記したとおり、Ver.2.0と比べカラーリング以外は同一となります。

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白とダークグリーンが新鮮なガンダムです。こういうカラーリングはAFVのような感じがあり、MSVらしさも演出してくれています。作成レポートでも何度か言いましたけど、出来ることならこのカラーリングのシールドは欲しかった;;

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このガンダムに取り付ける追加装甲郡とのツーショット?です。こうして並べると壮観ですなぁ〜〜。

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追加装甲は、改めて一覧として並べるとかなりの量になります。一番密度が濃いのは、やはり脚部ですね。これら追加装甲を取り付ける際の注意点がいくつか。
ゲルシートを使用したパーツを取り付ける前に、ゲルシートと密着する箇所の埃や油分を予めしっかりと落とすこと。固定する箇所を塗装する場合は、定着性が低い塗料だとゲルシートで剥がされる恐れがあるので、定着性の高い塗料を使い(ないし定着しやすい下地を作る)、尚且つクリアコートをすること。この2点を忘れずに〜。塗装についての注意事項は、作成レポート その0にも追記しておきました。

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ガンダムに追加装甲を取り付けて、フルアーマーガンダムの完成となります。四肢のボリュームが増して、幾分マッシブになりました。

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フルアーマーとなった場合、ランドセルにビームサーベルのマウントは出来ないので腰後ろに取り付けます。

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んーーー、なんとなくガンダムMk-IIティターンズカラーを彷彿とさせるものがあります。こういう濃い色のガンダムヘッドは、渋いくていい味出てますよ。

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顎を引く動きはあまり得意ではないですが、見上げる動作は比較的いいですね……って襟元には追加装甲はないので、ここはノーマルガンダムと同じか;

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左肩には、追加のランドセル用装甲から伸びるセンサーが目を惹きます。

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両肩付け根のふくらみは、ミサイルベイの1つです。ハッチの開閉ももちろん可能。

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肩の動きに関しては、追加装甲で厚みは増していても引き出し機構を活用することで思ったほど影響は出ません。ただ…さすがに肘に関しては、20度ほど可動範囲が狭まっています;

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こういう追加装甲が取り付くとおろそかになりがちなコックピットハッチも、今回のフルアーマーではきちんと再現されています。追加装甲のハッチ+ガンダムのスライドハッチ+コア・ファイターのハッチという3重構造ですけどw

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フルアーマー化に伴う可動範囲で、一番影響を受けたのは腰です。回転方向はほとんど回らず…。

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前後方向もご覧のとおり; リアスカートは、追加装甲を取り付けることでほぼ固定化されるのですが、その際に腰にもその影響が出てしまう(ガンダム特有の腰構造が関係しています)ようです。ただ、このおかげでバックパックの重みで仰け反るようなことはありません。
写真を載せ忘れましたけど、左右へのスイングにも影響が出ていますよ。

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開脚率についても、サイドスカートの厚みが増したことによる弊害が出ています。しかし…開脚率に関しては、これだけ開けば十分ですけど(^^;

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脹脛に追加装甲がある分、膝の可動範囲にも若干影響しています。ちょうど肘と同じくらいですかねぇ。ですが、こちらも↑同様これだけ曲がればOKでしょう。

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肩と同じく膝にもミサイルベイが内臓されています。って、膝のような被弾率が高そうな場所にミサイルは…ちと恐いですね;

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脹脛外側に取り付けられた追加スラスターは、ノズル部分がある程度可動するようになっています。

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足首の接地性の低さは、相変わらずorz ですが、追加装甲の影響は特にないようです。

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前後方向も思ったほど影響はないですね……いや、つま先が曲がらないのかっΣ

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立膝は、ご覧のとおりばっちぐーです。やはり重装甲タイプの立膝は迫力が違います。Coolっ!!

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では付属品の紹介に入りまーす。といっても今回は少ないですよ? 2連装ビームライフルです。マズルが2つになっただけでなく、装甲も追加されています。そしてライフルタイプではなく、腕への密着型へと姿が変わりました。

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形態用にバレルが180度折りたたむギミックも搭載。こんな機能があったとは……MGでの新解釈でしょうか?

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シールドです。といってもえらく小さい(↑のビームライフルに付いた装甲とほぼ同じ大きさ)ですが; 全身追加装甲で覆われてるフルアーマーにとっては、無駄に大きいシールドはかえってデッドウェイトになるということでしょう。

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ビームサーベル刃。少し薄めのクリアピンクです。形状は、刃元が膨らんだお馴染みのモノですよ〜。

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あとはコア・ファイター用のクリアスタンドと、アクションベース1用のジョイントアタッチメントです。

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付属品の紹介も終りましたので、装備を取り付けていろいろなポージングをさせていきましょうかっ。

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2連装ビームライフルは、バレルも太くなり見た目以上に構えると迫力があります。逆にシールドは、あまりにも小さくなったので……。

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ライフルの見た目的に、立ても横倒しにしてもポージングが様になりますよ。

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濃い機体色と見た目のボリュームアップのおかげで、ポージングに”力強さ ”が伝わってくるようです。

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今回は右手にビームライフル、左手にシールドを装備していますが、左右逆に装備することも可能となっています。

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360mmロケット砲を立膝で。広角レンズで撮ると、なかなかの迫力〜〜〜♪ ロケット砲のマズルは、もう少しだけ長くてもいいかも?

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旧1/144フルアーマーガンダムを作ったのは小学生の頃だと思うので記憶が曖昧ですけど、肩のキャノンはビームだと思い込んでました;

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四肢でAMBAC制御を行いながら、脚に追加されたスラスターでロケット砲の反動を打ち消す姿は、リアリティを感じさせるポージングです。顔…隠れちゃってるけどーー(>_<)

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両肩、両脚のミサイルベイハッチを開いて、フルウェポンファイア形態も。装弾数的にマクロスのような絵にはならないと思いますが、迫力は十分ありそうです。

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首がしっかりと上を向けるので、巡航ポーズもバッチリ。

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最後はビームサーベルを引き抜いて。ガンダムVer.2.0ほど大きなアクションは出来ませんが、ボリュームアップしたボディから繰り出す斬撃は、可動性の低下(思ったほどではありませんけど)を補うのに十分な力強さを感じさせます。

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サーベルの保持力もかなり高いので、ポージングをさせていて不安定さはありませんでした。

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両手両脚を開くようなポーズをとった場合、追加装甲のボリュームをしっかりと感じ取れますね。

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迫力の緑の悪魔をご堪能いただけましたでしょうか? 以上、フルアーマーガンダムのレビューでしたー。

いつもの総評ですよ。ガンダムのバリエーションキットの1つなのですが、このボリュームアップ(バランス変更)とカラーリングの違いがあるとベツモノと言えますね。特にプロポーションの出来は素晴らしいです。変なアレンジがなく、昔のイメージに限りなく近い形での立体化ができたのは、素体であるガンダムVer.2.0がTVを意識した作りであったからと言えるでしょう。懐かしさもあり、MSVらしさもあり、今見ても廃れた感のない無骨さには、追加点+3を進呈です。
可動性が落ちてしまうのは追加装甲の宿命と言えますし、思ってたよりは動いてくれるかなというのが正直な感想です。色分けについても、追加装甲の分もかなりがんばって再現されています。ギミックについては申し分ありませんね。コックピット、ミサイルベイの開閉、ライフルの折りたたみ機能と、追加装甲分についてもぬかりはないようです。ユーザーへの配慮としては……後述としますか; オマケ要素は、繰り返しになりますけど、ノーマルガンダム用のビームライフルとシールドだけでも付けて欲しかったところ。これがあれば、フルアーマーカラーのガンダムとしてもディスプレイ出来るのに…モッタイナイ;;
問題点は、やはりゲルシートです。コレ単体での粘着性はかなり高い(ガンダムマーカーの塗料を剥がすほど)ので、もう少しきちんと密着できる設計にすれば、サイドスカートも膝横も(これらはガイドがあるので密着できるかどうかがかなりシビアです)ポロリしまくりということはなかったと思います。今回自分なりに改修はしましたが、本来はキットそのままでもポージングくらいでは落ちないようにしてなければいけませんよね。ネットでの反応を見てると、相当数苦情がいったのではないでしょうか? 2次生産分以降は、なんらかの修正が入るかもしれません。あとは…腰の可動範囲の著しい低下が気になったくらいかなぁ…。
ですが、これほど見事なプロポーションのフルアーマーガンダムには、そうそうお目にかかることはありませんので、MSV好きにはたまらない一品だと思います。昔ながらのMSVファンはもちろんのこと、MSVを知らない人にも”ガンダムの違った一面 ”を見せてくれるこのシリーズを、是非キットを作りながら味わってみてくださいっ。
    

RX-78-2 ガンダム(REAL GRADE)   RX-75 ガンタンク   RGM-79 ジム Ver.2.0   Gファイター ガンダムVer2.0用V作戦モデル   RX-78-2 ガンダム Ver.2.0

            

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