MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム [ STRIKE FREEDOM ] 完成レビュー

2007.01.11 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダムMG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

元は、ザフトがフリーダムの後継として量産を前提に開発していた機体。開発自体はフリーダムと同時期に開始されたが、ドラグーン、高機動推進システムの開発の遅れ、核搭載を禁止したユニウス条約の締結により事実上凍結されていた。しかし、そのデータは秘密組織ターミナルにより奪取され、インパルスとの戦闘で大破し修復中だったフリーダムに反映することで、当初の量産機ではなくキラ・ヤマトの能力を最大限引き出すために特化、チューンされた専用機として生まれ変わることとなる。その代表とされるのが内部フレームが露出してでも機体各所の装甲を分割し可動域を極限にまで引き上げ、防御力よりもキラ・ヤマトの反応速度へ対応するための機動力を重視した機構である。これは大戦終結するまで、被弾率0%を達成するほどの効果をもたらした。内部フレームが発光するのは、素材にPS装甲を用いることでキラ・ヤマトの超常的反応速度によるフレーム剛性の破綻を防ぐためで、エネルギーを消費するPS装甲がシステムの限界をこえた反応をされた際に、光となって負荷が外へとより強く漏れるようである。(レーシングカーのブレーキディスクが、フルブレーキで赤く発光するのとイメージ的に似たようなもの)
また、スターゲイザーに搭載されたヴォワチュール・リュミエールを応用した光圧推進システムも取り入れられている。
武装もフリーダム以上に多岐にわたり装備され、マルチロックオンシステムとドラグーンシステムとの併用により今まで以上の火力、オールレンジ攻撃が可能となっている。火力、機動性ともに最強と呼ぶに相応しい機体であるが、これらの複雑なシステム全てを同時制御するのはスーパーコーディネイターであるキラ・ヤマト以外には不可能であるため、ある意味一兵器としては破綻しているとも言える。

機動戦士ガンダムSEED DESTINYより、キラ・ヤマトの愛機、ストライクフリーダムです。かつての1/100では、かなりバランスの悪いスタイルになっていたストライクフリーダムが、MGとして新たにキット化されました。MGフリーダムのバランスのよいスタイルを継承しつつ、ストライクフリーダムの為のギミックの追加、フリーダムを超える可動性を実現しています。2006年に発売されたMGで文句なしの一番の出来でしょう。
本当は、フルバーストモードが欲しかったのですが、、、売り切れで買えずorz なので、金フレームの塗装はフルバーストを入手したときにすることにしました。今回は、極々部分塗装+墨入れで仕上げています。(現在は入手、作成、レビューUP済みです。)

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

全体的なプロポーションは、よくまとまっていて申し分ありません。敢えて言うとしても個人個人の好みの範疇でしょう。MGフリーダムに比べ、角がたち平面が多く若干骨太な感じがよく出ています。(1/100ではコレが過度に出すぎていました。)1/100と比べると、クスィフィアス3レール砲も長くなっています。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

後ろから見ると、ドラグーンのマウントベースにもなっているウィングのボリュームが見て取れます。メインスラスターの形状がオリジナルになっていますが、いいアレンジですね。しかし、組み立てで一番やっかいだったのが、このドラグーンウィングでした。しかも相当な重量がありますよ。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

脹脛のスラスターも設定通り展開可能です。ちょっと分かりにくいですが、スラスターパーツ自体も他フレームと同様金色ぽいABS樹脂で成型されています。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

バストアップです。MGフリーダムでは若干アレンジの入っていた顔立ちでしたが、ストライクフリーダムではTV版をよく再現しているルックスです。非常にCoolですネ! 腹部のカリドゥス福相ビーム砲の形状は、ストライクフリーダムの面の多いスタイルに合わせ、楕円から長方形に変更されています。こちらもいいアレンジですね。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

コックピットハッチもモチロン開閉出来ます。開閉ギミックは、MGフリーダムとまったく同じです。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

MGならではの内部フレームも再現されています。金フレームのパーツは、すべて金色っぽいABS樹脂で成型されているので素組みでもそれっぽく仕上がりますよ。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

本当は腹部もきちんとフレーム再現されているのですが…パーツが硬くちょっと外れませんでしたorz 腕もしっかりフレームが作りこまれていますが、肩部のみ再現されていません。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

脚部のフレーム再現も文句なしです。太ももの上部に回転軸があるため、脚の表情も豊かです。足首のシリンダー部は残念ながら1パーツ成型で、シリンダーの伸縮ギミックはありません。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

膝は恐ろしいほど曲がります。膝の可動軸の位置取りもあって、立て膝はご覧の通り鮮やかに決まります。足首も2重間接化されているので、接地性も素晴らしいです。難点は、MGフリーダム同様足首、つま先の関節のヘタレですね。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

脚の可動ギミックは、MGフリーダムの膝関節+MGストライクの太もも装甲スライドを合わせた完璧な仕上がりです。この2つの融合により180度曲げることが可能になっているんですね。また、装甲がスライドすることにより、内部のフレームが露出する演出もいい塩梅です。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

1/100では、常に写真のような状態になっていましたが、MGではリアスカートが上下にスライドし、レール砲を背面に移動する際にのみリアスカートを↓へと移動するので、通常時はちゃんと腰のレール砲可動軸が隠れる仕組みになっています。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

リアスカートの基部(中央部)にレール砲固定用の凹があるので、しっかりと固定されます。また、先のリアスカートの上下のスライドギミックもカチッと最上部、最下部で固定されるので、こちらも保持力は問題なしです。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

レール砲を背面へ移動させると、横部分にビームライフルをマウント出来ます。こちらも結構しっかりとマウント出来るので保持も問題ないかな。ビームライフル側にジョイント部に可動軸(ジョイント部を折り畳むのにも使われる)が設けられているので、この状態でも脚の可動の妨げにはなりません。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

腰もそうですが、ビームライフル自体がスリムに作られているので、正面からみても思ったほどの腰の野暮ったさは見られませんね(素晴らしい)

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ビームライフルの色分けも申し分ないです…が、青のライン部分がシールで再現されていて、そのまま貼ると青ラインの上面のみ白く成型色が残ってしまうので、ここは塗装しています(その部分だけでしたら楽ですのでガンダムマーカー青で塗っちゃいましょう)。手にライフルを握らせたときの保持力は、ちょっと問題ありですね。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ドラグーンウィングを展開した状態です。フリーダムもそうですが、このストライクフリーダムもウィングを開いたときの存在感は相当なものです。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ドラグーンウィングは、左右それぞれ前後に2枚ずつ付いてます。で、背面側のウィングを↑方向に開いていくと…前後外側のドラグーンがさらに外側へ(写真 赤矢印方向)連動して動くようになっています。一見すると「ぉぉー」で終わりますが、ここが連動でのみ可動するようになっているので、翼のヘタレ(MGフリーダムでの泣き所)を抑える役割もしている点が、非常に素晴らしいですね。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

そして、ドラグーンウィングは、それぞれさらに外側へと少しスライドします。コレによりさらに翼を大きく見せることが出来、加えて金フレームを露出するという素晴らしいアレンジが施されています。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

これらギミックのおかげで、ドラグーンウィングを大型化(面積の拡大による重心の後方移動、及び背面重量がさらに増えるのは好ましくない)することなく、MGフリーダムと同等の展開面積を再現することに成功しています。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

MGフリーダム同様、翼を広げた状態をイメージしたスタンドが付属しているので、スタンドを使ったポージングも単体で可能です。これだけの存在感があるものは、やはりスタンドで飾る方が絵になります。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ビームライフルは、設定通り連結してロングライフルにすることが可能です。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

↑でも述べたとおり、ビームライフルはかなりスマートな作りになっているので、ロングライフルにすると本当に長く見えます(いや、実際長いけどw)。肩、肘、手首の可動域も広いMGであれば、OPでタイトルバックに映っていた絵をそのまま再現出来ますよ。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ビームシールドは、F91で初採用された、PET素材+グラデーションプリントがストライクフリーダムにも付属しています。また、シールドマウント基部は、設定通り可動してビームシールド展開状態を再現することが可能となっています。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

F91は中央部分が透明に近く、縁の方が濃いグラデーションになっていましたが、ストライクフリーダムでは逆のプリントになっています。いい仕上がりですね。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

この裏面からだとよく分かりますが、単に縁側が薄くなっているのではなく、色の薄い部分が放射状に広がっています。これにより、よりビームシールドっぽくなっていますね(TV版のあの模様状のものはサスガに再現できないかな;)

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ビームサーベルは、手に保持する際の凹があるので、マウント時、グリップ時ともに保持は申し分ないです。クリアーピンクの成型刃は、曲刀に仕上げられているので二刀流がよく合います。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

また、キラが二刀流をこよなく愛していたため劇中では使われませんでしたが、フリーダムと同様連結することも出来ます。連結は、MGフリーダムと同じカチッと固定されるタイプですので、保持力はばっちりです。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ドラグーンは未使用ですので、、、プチバースト?モードです。それでもビームライフル+レール砲+福相ビーム砲の5門なので、フリーダムと同時攻撃数は同じですね。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

プチバーストを上方から。これにドラグーンが加われば+8門で13門…異常ですね; 説明書によるとキラ・ヤマトの能力に機体性能を追いつかせる為に、限界まで機動性を上げ(対弾性を犠牲にしても)被弾率を0に近づけるチューニングを施しているそうですが、現段階で”被弾率0% ”だそうです; この被弾率0%には、回避率の異常なまでの高さだけではなく、13門という火力による所も大きかったのではないでしょうか。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

クスィフィアス3レール砲は、そのまま(収納状態)でも少し長目になっていますが、アレンジで展開時にはさらに前方砲身が伸びます。これにより内部の金フレームも露出するというナイスなアレンジです。

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ドラグーンは、1/100に比べモールドが細部にわたり施されていて、気持ち細身に作られています。一般的なファンネル(キュベレイ除く)が可動時に変形するものが多いので、SEED系のドラグーンは少し物足りなさを感じてしまうのは、わたしだけでしょうか?

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

ドラグーンが射出されると、金色のフレームが露出します。このデザインはいいですね。しかし、フルバーストキットで付属するのは、ドラグーンのエフェクトパーツではなく、PET素材(PET素材でないと重量オーバーになりそうなので)+グラデーションプリントで再現された光の翼(ヴォアチュール・リュミエール)にして欲しかった……;

MG 1/100 ZGMF-X20A ストライクフリーダム

アップで。金色のフレームにも細かなモールドが刻まれています。しかし、この金色のフレームもABS樹脂で作られているので、これがウィングの重量をかなり重くしてしまっています。

長くなりましたので、そろそろ総評に。スタイル、可動性、原画(TV版)の再現性、アレンジ要素、色分け、どれをとっても一級品です。これまでのMGの中でも屈指の出来ではないでしょうか。特にアレンジ面はかなり力が入っていて、再現性から極端に逸脱することなく、うまくまとめられている点が非常に素晴らしいです。スタイルについても鋭角で骨太な面を出しつつスマートに仕上げられていますし、単純に可動性を高めるだけでなく、背中の過大な重量物によるイナバウアー(仰け反りw)を防止する為のロック機構、固めの関節といった、MGフリーダムでの反省点も上手く解消しています。
しかしながら、固めの関節によるパーツ破損の危険性(これについては諸刃の剣ですね)、ABS樹脂多用によるドラグーンウィングの過大な重量、ビームライフルを手に持つ際の保持力の低さ(可動指の限界なのでしょうか)、ドラグーン、レール砲といった一部パーツ分割の悪さといった問題点があるのも事実です。ですが、これら問題点も重心バランス、パーツ分割以外は現状仕方のない面もあるので、そこまで大きなマイナスではないと思います。
というわけで、一押しなキットであることは間違いないでしょう。価格が若干高めではありますが、このボリュームと質であれば損はないと思います(フルバーストモードについては人それぞれの価値観により…かな)。TVを観ていた人はもちろんのこと、観ていなかった人にもオススメ出来る本当にいいキットです。
    

RG ZGMF-X10A フリーダム   ZGMF-X56S/β ソードインパルス   ZGMF-X19A インフィニットジャスティス   ZGMF-X42S デスティニー EXTREME BLAST MODE   ZGMF-X56S/α フォースインパルス

            

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