MG 1/100 PMX-003 ジ・O [ THE-O ] 完成レビュー

2010.09.01 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 PMX-003 ジ・OMG 1/100 PMX-003 ジ・O

ティターンズに所属する重量級MS。木星における資源採掘、及び運搬を主目的としたジュピトリスの艦内工廠にて開発、製造が行われた。パプテマス・シロッコ自らの設計のもと、彼自身の専用機として様々な調整が行われている。その1つとして独自のサイコミュデバイスを搭載しており、索敵、機体制御、反応速度の向上に一役買っている。ただし、受動的な働きが強いため、”複数の思惟 ”といったパイロットのNT能力を上回る力により、機体制御を奪われる危険もある。手足があるため一見すると巨大なMSに見えるが、設計自体はMAに近い。四肢の動きは、通常MSのようにAMBAC制御のためではなく、全身に設置された50基に及ぶスラスターのベクトル変位に利用されている。それ故、これだけの巨躯でありながら、見た目に似合わない機動性と加速性能を有している。
武装は、専用のビーム・ライフルとビーム・ソードのみというシンプルな構成だが、ライフルの出力は非常に高くメガ・ランチャーにも匹敵するほどである。ビーム・ソードは、両腕以外にもフロントアーマーに内臓された隠し腕での運用も可能になっている。

MG化希望アンケートにより急遽?立体化の決まったジ・Oです。正直なところ…入手報告でも書きましたし、諸所で言われているように”以前ボツになったモノを持ち出してきた ”感が非常に強いキットです。これだけの巨体ですから、近年のMGに見られる特徴(ギミック)が随所にあってもよさそうなのに…まるでありませんからねぇ…。ですが、全高28.4m(頭頂高24.8m)の1/100サイズは物凄い迫力です。ジ・Oの場合は、高さだけでなく横幅もある分、そのあたりがより顕著に表れていると言えるでしょう。以前にも書きましたけど、この迫力こそがジ・Oのアイデンティティだと思いますので、組み上げたあとの存在感は他のMGではそうそう得られないと思います。
おっと、冒頭からいろいろ書いてしまうと〆で言うべきことがなくなってしまいますね; じゃあ可動性などもみながら、ジ・Oのボリュームをたっぷりレビューしていきましょう。

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なんというボリュームでしょうか…。写真で見れば、前回レビューしたRGガンダムと同じようなものですけど、実寸の差は物凄いです(^^; モールドやディティールの追加はほとんど皆無ですが…ある意味劇中に忠実といえますし、変にうるさくなる(情報量が増えすぎる)よりはこの方が好きだな〜。

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縦にとても長い特徴的な頭部ですね。首自体は2重関節化されているので、顎を引く動きはイマイチですけど見上げる方向は結構動きます。ジ・Oは、実はこれまであまり興味をもてなかった機体だったり…。そのためか各部(モノアイだったことも今まで気づきませんでした;)をジックリと見るのはこのキットが初めてなんですよ。そういう意味ではデザイン的にもとても新鮮ですな〜。

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モノアイは、写真のように頭部装甲を取り外して行います。昔ながらのギミックですけど…出来れば首の動きに連動可動するギミックが欲しかったですね…。

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ショルダーアーマーは、肩にある大きなスラスター、垂れ下がる装甲が可動します。特にスラスターの方は、かなり可動範囲が広めになっています。

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腕周りの可動はそう悪くはありません。構造的に肘はあまり曲がりませんが、手首にも可動箇所があるためトータルでは結構曲がっています。また、肩には引き出し機構もありますよ。

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コックピットハッチは、ハッチブロックを手前に引き出してからハッチを上下に開きます。コックピットハッチの開閉は、ジ・Oの立体物としては恐らく初めてでしょうね〜。

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腰の可動は、写真のような左右の回転のみです。それもあまり広い可動範囲とは言えません; 腰の軸受けのポリキャップはかなり長い構造になっていますので、引き出せば多少は前後左右にスイングは可能になります。ですが上半身、下半身ともにとても重いですから、基本スイングさせない方がいい(重さに負けてヘタるから)と思います。そういう意味では英断だったと言えるかもしれません。

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フロントスカートは、写真のように隠し腕を内臓している関係でかなりの膨らみになっています。保持に関しては、スカートの取り付け基部、隠し腕ともに十分だと思いますけど、もう少し跳ね上げる方向に動いてくれると良かったかな。

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開脚率はあまり優秀とは言えません。これは…太腿付け根のポリキャップのポジショニングの所為ですね。まぁこの巨体で180度開かれても怖いですけどw 股関節には、前後にスイングするギミック(左右独立ではありません)が採用されています。前後のスカートがかなり大型なので、スライドすることでその干渉を軽減できる恩恵はかなり大きいです。問題点は、きちんとしたロック機構がないことですね;

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脚回りの可動をまとめてご紹介。膝はかなり独特な3重関節になっていて、見た目に反して意外と動きます。太腿装甲は一応連動ギミックですけど…フロントスカートが大きいですから、あまり動いているのが見えませんね。足首下に関しては、接地性、つま先と踵の可動ともにイマイチです; このあたりは、見た目通りな可動範囲デスネ(^^;

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あー、いつもなら立膝を紹介する頃合ですが、さすがにこのジ・Oでは無理でしたorz というわけで、ここからは付属品の紹介です。先ずはビーム・ライフルから。ジ・O自体が巨体ですから、ビームライフルもかなり大振りです。グリップエンドにエネルギーカートリッジがある点からも、その大きさが伺えます。

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サーベル刃は、珍しいクリアーイエロー成型。しかし、4本あるビーム・ソードに対して付属しているのは2本のみ_/ ̄|○ 仕方ないのでハイザックから流用してきました。他のMGだと…百式(バリュート装備も同じく)なんかも同じSB1タイプのクリアーイエローかな?

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付属品最後は、アクションベース1用のジョイントアタッチメントです。これも普通のものと比べると大きめですよ。しかし、付属品はこれだけですので、ジ・O本体のボリュームを考えるととてもあっさりした感じです。

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では、付属品を使っていろいろポーズを付けていきます。大きさ、股関節、脚部の構造から、少々ポーズ付けが大変ですが、迫力、存在感はさすがですね。

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ライフルの保持は、掌のダボとグリップのピンの合いがイマイチですが、飾る分には支障がないほどしっかりと持ってくれます。恐らくライフルのデザイン上、グリップポジションが良い(前後の重量バランスが取れている)からだと思われます。腕や肩の関節保持力も十分ですので、お好きなポーズでしっかりホールドしてくれますよ。

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MG 1/100 PMX-003 ジ・O

アクションベース1と専用のアタッチメントを使うことで、一応飛行状態をイメージしたディスプレイも可能です。ただ…ジ・Oの巨体を支えるには、少々心許ない感じが…(^^; この価格ですから、出来ればしっかりとした専用スタンドが欲しかったな〜。

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しかし、劇中では空間戦闘の描写しかありませんでしたから、やっぱりスタンドを使ったディスプレイが似合いますよ。それに四肢の大きさからくる絵的な迫力は、空中姿勢の方が効果的に発揮できます。

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続いてビーム・ソードを持った状態を。ジ・Oの巨体を考えると、通常のMGと同じサーベル刃ですのでやや小ぶりに感じてしまいます。ソードグリップと掌のマッチングは、ビーム・ライフル同様あまりいいとは言えませんね…。でも不思議と安定感は悪くないんですよ。グリグリ動かすなら調整が必要ですが、飾る分には引っ掛けでもしない限り落ちることはなさそうです。

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ライフルとソードの両手持ち、プラス隠し腕です。付属品はほんとに少ないですけど、ビーム・ライフルとビーム・ソード両方を持たせたポージングは、とても”ジ・Oらしい ”といえるかもしれません。隠し腕のビーム・ソード保持は、まったく問題ありません。ツメ内側(1本の方)にピンがありますし、掌とは違ってサーベルとのマッチングも良いですから。

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せっかくサーベル刃を4本用意しましたので、両手、両隠し腕に持たせた四刀流状態も。セラヴィーで阿修羅(隠し腕4本を使って6本腕)になってましたから、腕?サーベル?の数という意味ではあまり驚きはないと思います。

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それでも、ジ・Oのボリュームはセラヴィーのそれを軽く上回りますので、迫力としてはこちらが圧倒的かな〜。サーベル刃が4本あろうとも、ジ・Oの存在感は揺らぎも霞みもしませんから(^^; 撮影スペース的にローアングルはキツイのですが、写真のようなやや下から目線でも、かなり威圧的に見えます…まさに”プレッシャー ”を感じますねw

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ここからは、U.C.0087に登場するいろいろな機体とのサイズ比較です。ハイザックとリックディアス(黒)以外は、作成済みのMGを使用しています。何故この2機を外したかというと…単に撮影時に思い浮かばなかったから(^^; ご要望があれば追加掲載します;
先ずは”ガンダムMk-II Ver.2.0 ”のエゥーゴカラー、ティターンズカラーから。両脇に2体置いてもジ・Oが圧倒的です; ガンダムMk-IIは標準的なMSサイズですから、大きさの差もかなりあります。

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続いて”ネモ ”です。背景紙をグリーンにしてしまっているので、少々後と色が同化してますが気にしないでください; ネモは、ガンダムMk-IIと同じ頭頂高18.5mなので、サイズ比はご覧の通りです。同一スケール(1/100)で並ばせる日がこようとは思いもしませんでした…。

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お待ちかね”キュベレイ ”です。頭頂高こそガンダムMk-IIやネモと変わりありませんけど、両肩のフレキシブル・バインダーがありますから、全幅という意味ではジ・Oを超えています。まぁ見た目の太さのイメージは、比べるまでもないのですが(^^; しかしこの2体のツーショットは、高さと幅をものすごーく取るので、正直なところもうやりたくないですね_/ ̄|○

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”百式 ”とのサイズ比較。Zガンダムのクライマックスでは、キュベレイ、百式、ジ・Oの三つ巴の戦いは外せません。百式も、これまで紹介してきた他MSと全高はほぼ同じですから、見た目の差も変わりありません。派手さは百式が上ですけどw

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〆はお約束の”Zガンダム Ver.2.0 ”です。全高が他よりも1mちょい高い分、サイズ比較もこれまでとは雰囲気が少し違いますね。対峙のシーンも少し撮影してみましたが、スペースの関係であまりカッコよくはならないなぁ…。実は百式、キュベレイ、ジ・Oの写真も撮っていたりしますが、気に入らなかったのでボツにしました;;

MG 1/100 PMX-003 ジ・O

そして、カミーユが多くの思念と共にジ・Oに体当たりしたシーンです。厳密には、ジ・Oの持ってるビーム・ライフルはこの直前にZが蹴り飛ばして(劇場版での描写)います; Zガンダム Ver.2.0を変形させたのはかなり久しぶりでしたが、案外覚えているものですねw
勢いで撮影したものの……ふと我に返ると「ジ・Oのレビューで”その最期 ”を載せるのか!?」と、ちょっと悩みました(^^; 

MG 1/100 PMX-003 ジ・O

以上、圧倒的な存在感と威圧感に満ちた”MG 1/100 PMX-003 ジ・O ”のレビューでしたーっ。ちなみにこの写真のジ・Oが、大体実物大くらい(パースも効いているので大まかですが)ですよ。

総評でーす。1/100という大きさのジ・Oをなかなか実感出来なかったので、実際に組立て始めるまでは、構成の古さ、価格の高さが結構頭の端をよぎることが多かったです。しかし、組立て終えてみれば「こりゃやられたな〜」という感じでした。そこにあるというだけで、これほど自己主張をしてくるキットはそうないでしょう。ただ、存在感に圧倒されてばかりでは〆のコメントになりませんので、細かい部分まで掘り下げて書いていきます。
プロポーションは、大きさの割りに破綻なくまとまっていますので、ただ直立させているだけでも見ていて飽きません。可動性は、腰、股関節、足首周りに、MGらしい新しい解釈による可動範囲の拡大が欲しかったところですが、腕や膝、首あたりは標準的にまとまっていますので、見た目に反してよく動くとも思えます。色分けは…作成レポートでも何度も触れている通り、スラスターノズル周りが骨が折れますね; まぁノズルは仕方ないとしても、向う脛、頭頂部のグレー、サイドスカートの赤といった、最近のMGなら問題なく色分けされたであろう箇所まで要塗装というのはどうかと思います。この点も”古さ ”を感じさせる所以でしょう。ギミックについても、サイズと価格を考えると物足りなさは否めません。少なくとも、Ver.2.0化で培ったきた技術が活かされている感じがほとんどないですから…。それと、股関節のスイング機構(スイング自体の効果はとても有用)は、きちんとロックする構造が必要だと思います。
しかし、ユーザーへの配慮という意味ではそう悪くはありません。各関節の保持力は、股関節以外無調整でも問題ありませんでしたし、フレーム構造が最近のMGのように複雑化していない分、組み易いというメリットがあります。あと、パネルラインを再現したビーム・ライフルのシールも思いの他効果的でした。コストパフォーマンスの悪さ、合わせ目の問題がなければ、満点に近かったと思います…; オマケ要素としては、付属品の少なさは設定上仕方のないこと(サーベル刃の本数不足は別として)ですので、組み上げた後に得られる存在感もちょっと加味しています。
欠点も非常に多いキットではありますけど、それらを一瞬でも忘れさせる”MGらしからぬ迫力 ”に追加点+5をつけましょう。レビュー中でも書きました通り、ジ・Oにあまり思い入れのないにとっては、ジ・Oの魅力を十分に感じさせるMGだったというのが率直な感想です。価格的になかなか手を出しにくいキットではありますが、安くなったときにでも一度は作ってみて欲しいですね。
    

RG MSZ-006 Zガンダム   RG RX-178 ガンダムMk-II   AMX-004 キュベレイ   MSN-00100 百式   MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

            

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