この新型エンジンに換装した雪風は、機体背面にラムエアインテークが増設されたことにより、機体外観が幾分変更されました。通常のターボファンエンジンを使用時には閉じていますが、ラムジェットモード時にはインテークが開きラム圧を得る仕組み(一定速度以上で飛行することにより、空気の流入圧を利用して圧縮する方式)になっています。
取説の機体データでは、推力においてはミリタリーパワーで10220kg、アフターバーナー使用時で14930kg、ラムジェットモード使用時で16800kg。速度は、巡航速度がマッハ1.75、アフターバーナーを使用した最大速度はマッハ3.3(いずれも地球大気内・高度17700mにおいて)ですが、ラムジェットモードではマッハ3.8(地球大気内・高度21000m)にまで加速します。
しかし、この形態もきちんと再現出来るメイブ雪風の立体ブツは当然これまでありませんでしたので、まさに決定版といえる仕上がりですな〜。本当に素晴らしいです♪(*´Д`)
そういえば、昔「YS FLIGHT SIMULATOR」+メイヴ雪風の機体データで、この状態を再現して遊んだりしてたなぁ〜。懐かしい……(*゚ー゚)
ではいきます! 前半では、データ処理をしつつSAFハンガー内で無人のまま駐機していた雪風ですが、格納庫内からの即時離陸離脱のために垂直上昇用ブースターを装備しています。前側ランディングギアに2基、機体下面左右のハードポイントに1基ずつの計4基で構成され、使い捨てながら滑走路なしに機体を即時離陸させることが可能です。武装としては、機体下面中央と左右主翼上にAAM-III(空対空短距離ミサイル)を合計4発、主翼下にクラスター爆弾を左右1基ずつの計2基、機体下面中央にエアゾルボム(燃料気化爆弾)を装備と、対空対地の両面において火力を発揮できる重武装の構成になっています。
しかし……ダミーのデータ処理をしながらあれだけの高機動をするとか、戦闘知性体というだけあって物凄い処理能力のコンピューターですなぁ(^^;
一方のエアゾルボムはというと、装備状態だけでなく傘の開いた投下時の状態も付属しているため、専用のスタンドアームとベースを使うことで、投下状態を手軽に再現可能になっています。やはり前半パートのクライマックスシーンだけあって、しっかりと投下シーン用のディスプレイセットも付けてきましたね。さすがです。
まぁ実際には、雪風に搭載出来る程度の兵装ではあの無数のジャムに到底足りるはずもなく、[FRX-99 レイフ TYPEハンマーヘッド]3機を従えたフリップナイト・システムに加え、当該エリアで作戦行動中の多数のFAF機の火器も使用するという、まさに荒業を駆使しての撤退でした。雰囲気的にはガンダム00のガガの群れに似ていますが、このときのジャムの数はその比ではありませんので(パッと見ガガの数十万〜数百万倍以上…いやもっとかも;)、ちょっとトラウマチックな数でしたね(^^;
搭乗者は、パイロットの深井零のみで、フライトオフィサーは乗っていません。故に、後部座席は空けておいた方がより劇中のイメージに近くなりますよ。こちらも、1枚目と2枚目の写真はクリックすることで大きい状態でご覧いただけます。
レーザー機関砲1門、ジェネレーター2基、ドロップタンク3基、AAM-III 短距離空対空ミサイル10発、AAM-V 中距離空対空ミサイル4発、AAM-VII 長距離空対空ミサイル8発、クラスター爆弾2発、エアゾルボム2種、垂直上昇用ブースター4基(+角度交換用2基)、角度交換用カナード翼2枚、角度交換用尾翼2枚、初期型エンジンノズル2基、初期型エンジン用カバー2点、後期型エンジン用カバー・インテーク開2点、ランディングギア、エアゾルボム用台座、本体用台座、専用工具2種
ってところかな。文字にするとますます多く感じます(^^; これだけオプションの充実したメイブ雪風は、恐らくこれが最初で最後でしょうねー。
〆は、大きい写真を2枚ペタペタっと。以上、「アルター 1/100 戦闘妖精雪風 FFR-41MR メイヴ ”雪風”のレビュー」でした。2編に渡る長文レビュー、読了まことに感謝です_(._.)_

では、評価項目を順に確認していきましょう。プロポーションは、元々が独特で複雑なフォルムをしているのですけど、曲線と直線の織り成すアウトラインを見事に立体化しています。オプションの充実ぶりなどにより、劇中に登場するほとんどのシーンを再現出来るのも素晴らしいですね。塗装も非常に完成度が高く、塗り分けもとても綺麗でした。厳密に言えば気になるところはゼロではないですけど、大目に見れる程度かな。ただ、ギミックとしてはちょっと物足りなさが感じられます。翼の固定位置やコックピットのポジションなど、ほとんどの選択肢が2択になってしまっているので、通常の飛行ディスプレイや着陸時の形態において、細かい部分が気になってきます。たとえば、劇中ではカナード翼と尾翼を小刻みに動かして姿勢制御をしている描写が多数ありますし、着陸時には主翼と尾翼を立てることでエアブレーキとフラップの効果を演出しているのですが、この商品では各翼に回転軸がないので、そういった部分を楽しむことは出来ません。非常に惜しいです。
ユーザーへの配慮としては、パッケージングも値段に見合った凝った作りになっていますし、梱包の安全性についても問題なく、取説も非常に丁寧と、価格が高すぎる点を除けばとても満足のいくものでした。まぁ価格についても、オプションや本体の塗装の出来などを見れば、ある程度は納得のいくものなので、減点としては極わずかです。オマケ要素は、言わずもがな満点です。もちろん欲を言えば他にもあれがほcとかありますけど、現状の付属品だけでも充分満足出来る内容です。全てにおいて非常に高いレベルで商品化されており、今後これを越えるメイヴ雪風が出ないであろうと思わせるほどの仕上がりに感じます。ということで、追加点+9をつけます。本当は+10といきたいところですが、あと一歩な面もゼロではなかったので、+9止まりとさせていただきました。
ここまで書いたことですし、気になる点も書いておきます。先ほども触れた各翼の回転軸がないことが一番大きいですけど、他にもギミック的にエアブレーキの開閉(選択式でもOK)がないのは寂しかった; 再現性という意味では、ミサイルとパイロンの切り離しも出来ると、ミサイルの発射後を演出出来たのですが……。結局ミサイルを搭載しているかしていないかの2択であって、間がないわけですよ。それに初期型と後期型を換装可能にするなら、いっそのことエンジンディティールそのものも再現して欲しかったです。そうすれば換装シーンの再現なんかもしやすいですしね。もひとつ、MAAM(Operation5で使用した近距離高機動AAM)やダミーミサイル、タラップなども付いていると、付属品としては完璧になったのではないでしょうか。
ま、どんなものでもなかなか完璧にとはいきませんからね。それにこれだけハイレベルな仕上がりだからこそ、求められる部分もより多くなるとも言えます。しかし、それら気になる点を差し引いたとしても、満足度が最も高い[メイブ”雪風”]であることに変わりはないと思いますので、ファンの人には是非手にとって欲しい一品です。予算的に余裕があるのなら、レイフ(ハンマーヘッド)とともにディスプレイすると尚良いんじゃないでしょうか。そして「戦闘妖雪風」を知らない人にも、この機会に観たり読んだりして欲しいですね。小説版は自分も読んだことがないので、読んでみようかと思ってます。総じて「アルター 1/100 戦闘妖精雪風 FFR-41MR メイヴ ”雪風”」、ものすごーーくオススメですっ!!