惑星連邦により建造されたイントレピット級の深宇宙探査船。全長344.4mの中型艦であるが、ワープ速度9.975という連邦艦船最速を誇る。それ以外にも革新的な技術が多数取り入れられており、時空連続体を破壊する恐れのあるワープ5以上の速度を影響を及ぼさずに出す為に開発された可変ワープナセルを導入。コンピューターには伝達速度をより高速化するために有機組織を用いたバイオニューラルネットが採用、緊急用医療ホログラムも導入されている。しかし、バイオニューラルネットは、有機組織を使用しているためウィルス等の外敵に弱いという欠点も持っている。また、単艦での惑星への着陸が可能。そして処女航海の際、75,000光年彼方のデルタ宇宙域へと飛ばされ、故郷である地球への帰還の最中、ボーグを含むさまざまな技術を取り入れ、改修されていく。艦長はキャスリン・ジェインウェイ。
アメリカのTVドラマ「スタートレック ヴォイジャー」に登場する宇宙艦U.S.S.ヴォイジャーです。航海に出てすぐ7万光年も彼方へ飛ばされ、そこから故郷である地球への長い帰還の旅を、この船で果たすことになります。
このキットは、BANDAIがそれまでのもてる技術をつぎ込んだもので、スタートレックシリーズの歴代の宇宙艦をキット化したもののひとつであり、またその最後のキットともなっています。個人的には、エンタープライズD型なんかも作って欲しかったな〜。
では、スタートレックを知らない人も前知識が頭に入ったところで、画像を見ていきましょう。
これがヴォイジャーです。これが全てランナーについた状態で塗装済みというのだからオドロキです。細部に至るまでほんとによく出来ています。ヴォイジャーは、イントレピット級と呼ばれるクラスの艦で、最新鋭の高性能高速中型艦と言ったところでしょうか。様々な新技術が導入された艦でもあります。
正面から。ほんとに細かく塗装されています。型式番号のデカールも貼り付け済みとなっていて、お手軽に作れます。ちなみにヴォイジャーの艦長は、シリーズ初の女性艦長だったりします。
後ろを見てみると、普通宇宙船というと巨大なスラスターがある印象が強いと思いますが、スタートレックではそういった推進装置は補助的なものになります。写真でいうと、本体から左右に延びる部分の後ろ側に、スリットの入った茶色い小さな部分がそれです。では、どうやって進むかというと、幾重もの亜空間フィールドで船体を包み進行方向の空間を折り曲げて進んでいくそうです。そう俗に言うワープというものです。このワープがなければ、広大な宇宙を探索するのは無理ですものね;
左右の構造物(ワープナセルといいます)が設定通り可動します。スタートレックの艦船はどれもワープを使いますが、一定速度以上(ワープ5以上)は宇宙空間に深刻なダメージを与えてしまうことが判明し、問題となっていました。しかし、イントレピット級で実装されたこの可変ナセルは、ワープナセルを可動させ形成する亜空間フィールドの形を調整することで、問題を解決しています。また、最新鋭艦のエンタープライズE(ソベリン級)は、ナセルを可動させることなく、この問題をクリアーしているようです。
電飾点灯! ナセルだけでなく、窓なんかもしっかり光ます。電源は、スタンドに単三乾電池X3のホルダーがあり、そこからとっています。スイッチもスタンド側にあります。
下側から。本体中央部(ディフレクター盤)も、その周辺の窓も光っています。またナセルの先頭部も設定通り赤く光ります。
後方より。後ろ側は窓がない為明かり少ないですね; 劇中だと、最後尾にある格納デッキあたりも明るく照らされているのですが、、、。そこまでは贅沢ですかね。
ナセルを可動してもちゃんと明かりはついたままです(当たり前か;)。ここまで暗い状態だとスタンドも闇に消えるので浮いているようですね。
もう少し周囲の光を拾った状態。これでも下側はいい感じに暗くなっているので、スタンドは上手く消えてますね。
スタートレックに出てくる中型艦以上は、基本的に宇宙空間で作られます。そして、地上に降り立つ機能は持っていません。というのも、上陸する際は、乗員や物資を転送装置で一瞬で送ることが出来るからです。また、シャトル(小型艇)を搭載しているので、転送が使えないときでも、艦がそのまま降下する必要はないわけです。しかし、イントレピット級にはランディングギアが搭載されていて、艦ごとの上陸も可能となっています。キットでは、着陸状態、降下状態のランディングギアを差し替えで再現しています。
それでは、総評を。キット自体は数年前に発売されたものですが、その技術の高さは存分にわかります。塗装を一切しなくても見事な見栄えと、良好なスタイル、電飾ギミック、どれをとっても文句なしです。また、シリーズ最後のキットなだけに組み易さにも配慮が見えます。難点は、船体の塗装色がやや明るいことと、値段が若干高め(7〜8千円前後)ということくらいでしょうか。スタートレックが好きな人にとっては、この上ないアイテムだと思います。
尚、新しい評価基準における「可動性」については、このキットには該当いたしません。可動性は減点形式ですが、中間点として10点を加算することとします。