A.C.世紀においてトールギスの開発に成功した科学者6人が、生産性、実用性を度外視し、性能のみを可能な限り追求して開発した機体。そのパイロットへの負荷すらも無視した機体は、15年の月日を経ても尚最強と呼ぶに相応しい性能で、その根幹を担っているのがゼロシステムである。ゼロシステムは、センサー等から得られる外部情報を元に、分析結果からでる予測、対処法をパイロットの脳に直接イメージとして見せることが出来る。しかし、ゼロシステムが下す手段、対処法は、その戦闘での勝利の為であれば如何なる手段、非人道的行為、パイロットの生死も厭わないものであり、勝つ為であれば自爆も選択肢に含まれる。当然パイロットに対する肉体的、精神的負荷は尋常ではないため、現状乗りこなせるのはヒイロ・ユイのみという特異な機体である。また、ゼロシステム以外にもゼロフレームを搭載しており、装甲と内部フレームの完全な分離独立に成功している。A.C.世紀で後に開発される全てのガンダムの元になった機体であり、それ以降に登場した5機のガンダムは、いわばゼロのデチューン機である。
OVA「ガンダムW エンドレスワルツ」より、主役機ウイングガンダム ゼロカスタムです。先にPGとして発売され、脚関節の画期的な発想、可動性、特徴ともなっている翼の美しさを見事に再現しましたが、後発のMGも負けてはいません。1/60というPGからスケールダウンをしているものの、機能性はPGからしっかりとフィードバックされていて、先行で発売されたウイングガンダム Ver.Kaを元に、見事に再現されています。ガンダム史上、もっとも美しいガンダムといえるでしょう。
正面から。特徴的な大きな翼を折りたたみ、非常に細身な機体でありながら、存在感がものすごく大きいです。先行のウイングガンダム Ver.Kaと同じフレームを使用しており、機体本体は腕と色が違うだけで同じです。大きく違うのは、翼(バックパック)と武装くらいなものです。しかし色の使い方が大分違うので、受ける印象も結構変わります。
バストアップ。胸部のゼロシステムのメインセンサーらしき部分は、ジュエルシールで再現されています。肩のアーマーも設定通り展開でき、大気圏突入モードでは折りたたまれます。腰関節は思いのほか可動するので、ポージングも自然になります。
コックピットハッチも開閉可能です。しかし、PGで再現された開閉方法(ハッチのみが上方へ開く)ではなく、ゼロシステムごと手前に引き出される形になっています。
すみません、ちょっとぼけてしまいました_/ ̄|○ 肩部のバルカンも展開可能です。ちょっと展開方法が特殊で十分に開けないのが…。このあたりもVer.Kaと同様ですね;
後ろから。ゼロカスタムの翼は、2対4枚から構成されていて、前翼が機体制御や防御の役割、後翼が機体制御、主推進装置になっています。また、後ろ側は、設定通り開閉することが可能です。昔のHGではパーツ差し替え式でしたね。
翼を展開した状態。小さな羽は、一つ一つが独立可動し軟質素材で出来ていてある程度曲げて表情を作ることが出来ますが、PGのような内部に芯があるわけではないので、そこまで自由にとはいきません。しかし、それでもこのサイズなら十分だと思います。
↑の状態を横広に。このMGゼロカスタムは、ただのPGのサイズダウンコピーというわけではなく、新規追加要素も含まれています。それが前翼の上部が展開する点です。PGまでは固定の一枚だったのが、MGでは上部が左右に開き、より前翼を大きく見せることが可能です。これにより、より複雑な翼の構造が視覚的にも再現され、さらに美しくなっています。
後翼を展開した状態。後翼の展開方式は、PGよりはシンプルになっているものの、十分なものです。この展開した部分がメインの推進装置のようですね。「用と美」を兼ねているといったところでしょうか。
バスターライフルを両手に。こうしてみると「頭が小さくて脚が長い」というカトキデザインがはっきりと見てとれます。バスターライフルはかなり大きいですが、グリップ用の溝があるのである程度は保持出来ます(へたりそうだけどw)
上方から。本当に美しい機体ですね。前翼の上部開放により、機械的でありながら本当の翼のように見えます。羽ひとつひとつもフレキシブルに可動し曲がるので、翼ひとつの表情が非常に豊かです。バスターライフルも非常に長いので、迫力ありますね。
上半身を。前翼の最上部を基部に左右に展開しているのが分かると思います。しかも、これは左右が連動していて、片方を開けば、反対側も開くというギミックになっています。
バスターライフルの連結もしっかり出来ます。また、肩に引き出し機構があるため、スムーズにツイン・バスターライフルを構えることも可能です。
正面から。劇中の発射シーンのようですね。膝の部分は独立可動します。Ver.Kaの変形システムのおかげですが、膝関節もよく曲がります…・ぁ、立て膝撮るの忘れたorz ちなみに、従来のMG同様、脚、腕ともに内部フレームが作られています。
大気圏突入形態。前翼を手前にもってくることで、大気圏突入、惑星間航行用ブースター装着自の形態を再現可能です。ただ、左右の前翼同士の接続が甘いのが難点かな。
横から見ると分かりますが、Ver.Kaの変形機構がこの形態のときに使用されます。肩アーマーが折りたたまれ、膝関節をZガンダムのように折りたたむことで、翼の内側に納まるサイズになるわけです。
総評としては、外見上は非常に美しいキットです。新解釈の前翼の展開方法はいい出来ですし、翼自体の出来が素晴らしいです。しかしながら、その美しさとは反対に、翼には一切ポリキャップが使用されていないため、すぐにへたります(自分は補習済み) また、関節可動もそこまで広いとは言えず、接地性もイマイチです。この点は、スタンドを使用することが多いので、気づきにくいかもしれません。ですが、付属のスタンドは、バックパックの下部にジョイントする形になっているのですが、接続自の余剰パーツをスタンド裏側に収納可能で親切な点もあります。また、写真にはありませんでしたが、ビームサーベルは後翼に収納されていて、付属のビームサーベル刃はクリアーグリーンの曲刀成型になっています。いろいろ難点はありますが、完成後は本当に美しい機体なので、是非とも一度は作ってみて欲しいキットですね。