ウイングゼロを開発した6人の博士のうちの一人、ドクターJにより開発されたガンダム。他の4機のガンダム同様、基本設計はウイングゼロから引き継ぎ、5機のガンダムの中では一番色濃くウイングゼロの外観、特徴を受け継いでいる。しかし性能面では、ゼロの高すぎる性能(破壊係数)の反省点から、ゼロシステムのオミット、バスターライフルのシングル、弾数制限化とかなりのデチューンが施されている。
それでもガンダニュウム合金を使用した桁外れの防御力に加え、一丁のみでもウイングゼロのバスターライフルを受け継ぐことで火力も相当なものになっており、既存MSを遥かに凌ぐ性能を有している。またバード形態への変形も可能で、機動、運用性もかなり高い。ゼロを除く5機のガンダムの中では、もっとも汎用性に富んだ機体といえるだろう。
「新機動戦記ガンダムW」からウイングガンダムです。これまでもMGにおいて”ウイングガンダム ゼロカスタム エンドレスワルツ版 ”、”ウイングガンダム Ver.Ka(アーリータイプ)”と立体化されてきましたが、ここにきてまさかのTV版デザインのMG化です。ただし純粋なTV版ではなく、カトキハジメによるリファインが随所に入っているため、頭は小さく上半身はコンパクトに、そして脚が細く長くなっています。また付属のシールを全て貼れば、”Ver.Ka ”そのものな仕上がりにもなります。この点については賛否両論(個人個人の好みが出ますから…)だと思いますが、搭載されたギミックや色分けのレベルの高さは目を見張るものがありますよ。変形機構ももちろん再現されていますので、そちらも詳しく紹介していこうと思います。
尚、ウイングガンダムのレビューは、「MS形態編」と「バード形態編」の2部構成となっています。
カトキリファインが見事に反映されたウイングガンダムです。元の大河原版とはだいぶバランスが異なりますねぇ。出来ることなら、もう少し肉付きをよく、頭部を大きめ(首ももう少し…)にが、個人的な好みかなぁ。
またウイングガンダムは、設定高が16.3mと一般的な18m級MSよりも一回り小さいため、キットもやや小ぶりになっています。
後姿は、大型化したウイングがあるおかげもあって、そこまでカトキ色は出ていないかなぁ。ただ脚はやっぱり細いですね(^^;
バストアップで見ると、頭部の小ささはそこまで気にならなくなります。上半身自体がコンパクトにまとまっていますから、その所為もあるでしょう。頭部そのものの出来は、小さい割りになかなかだと思います。
首の可動範囲はかなり優秀。顎を引く動きから、上を見上げる(2枚目:飛行状態に有効ですね)動きまでバッチリ。
腕は、そのままでも90度以上あがります。肩に関しては手前に大きく引き出せますが、反らす方向はほとんど動きません。
肘は構造的な問題があるので、可動範囲はそこまで広くありません。しかし、実用レベルとしてはこれだけ動けば十分とも言えますが…。
コックピットハッチは、簡易ハッチ?だけを開くことも出来ます(上側ハッチを手前に引き出す必要あり)し、写真2枚目のように上下を大きく開くことも出来ます。
続いて腰の可動範囲です。回転方向はそのままだと写真の状態が限界ですが、腰関節を引き出す(というか引っ張る)ことで360度回ります。
前後方向は、そこまで大きくはないですが一応適度に動きます。良い点としては、腰のジョイントがしっかりしていますので、ウイングのような重量物がっても重さ負けしないことですね。
フロント、リアスカートは、二軸固定になっているので、非常に大きく可動します。サイドスカートに関しては変形機構の恩恵ですが、どちらにせよ脚部の動きを阻害することはまったくありません。
巨大化したウイングは3分割され、一杯に開くと翼面積が拡大します。また、ウイングは連動して展開されるようになっていますよ。
バックパックは非常に薄いデザインになっているので、そのままだと肩ブロックと干渉しやすいです。しかし、ウイングを繋ぐブロック自体が可動することで、若干ですが肩との干渉を低減させることが可能。
メインのスラスターノズルも左右独立して上下に動きます。
開脚率は180度…申し分ありません。サイドスカートの可動域の広さのおかげもありますね。
膝もなんと3軸の関節機構(うち1つは本来は変形機構用)のため、190度くらい曲がりますΣ 膝関節の構造については、”作成レポート その6 ”にて詳しく紹介しています。
変形機構の一環として、3つ目の関節軸を動かすと足首が伸縮するようになっています。
足首横方向の可動範囲です。一応2重関節にはなっていますが、比較的よく曲がる方だと言えると思います。
足首の前後方向の可動です。極端に大きく曲がるわけではないですけど、及第点って感じかな〜。
一通りの可動範囲を紹介したところで、お馴染み立膝コーナーですっ。膝上、膝下のバランスが極端なカトキデザインですが、綺麗に立膝をつくことが出来ます。
この立膝は、作成レポートで予想した結果(足首の伸縮の恩恵)とは少々異なります。立てた膝は股関節、膝(通常の2軸のみ動かします)の可動範囲の広さで、ついた膝の方は第3の可動軸を使うことで膝上の短さを補う形で成立しています。なかなか綺麗な立膝ですよ〜。
ここからは付属品の紹介。先ずはバスターライフルですね。思ったほど大きくない(ゼロカスタム、アーリーが長すぎなのかな…)ので、コンパクトに感じます。
エネルギーカートリッジは、ライフルのグリップ部分を中折れさせることで着脱が可能です。
専用シールドです。変形時には機首にもなる部分なので、重要な部位と言えますね。裏側もしっかりと再現されていて、シールドの厚みがしっかりとあるのが嬉しい点です。
シールドも中折れさせることで、ビームサーベルのグリップを引き出すことが出来るようになっています。しかも中折れする動きに連動して、グリップが迫り出すギミック付です。
ビームサーベル刃は、クリアグリーンの曲刀タイプ。Ver.Kaと比べると、こちらの方は緑の強い成型色(あちらは珍しいブルーグリーンって感じでした)です。
このウイングガンダムの手は、Vガンダム Ver.Kaと同様に人差し指〜小指までを差し替えるタイプになっています。なので可動するのは親指のみ。手のタイプは、握り拳、握り手、平手、トリガー用の手の4種類。
あとは、お馴染みのアクションベース1用のジョイントアタッチメントとなります。
では、武装を持たせて、ウイングガンダムにいろいろポーズをつけてみましょう。
問題のバスターライフルの保持ですが、グリップの狭い面になんとダボがあり、グリップ用の手にはしっかりした四角いピンが出ています。これにより手にしっかりと持たせることが出来るようになっていますよ。
さらに、バード形態でランディングギアの役割も果たすクロー部分が、ライフルのストックエンドをホールドするので、手首のヘタレも心配無用です。この保持は素晴らしいですね。
上記の点から、バスターライフルの保持は非常に安定しています。ただし、肩周りがバスターライフルの重みに耐えられるかどうかは、関節の固さが無調整の場合はやや不安ですね。今回の作例では、肩周りは瞬接モリモリで調整済みとなっています。
立膝を突いて上空を狙い打つポーズも、上空から撃ち下ろすポーズも自在に決まります。
バスターライフルの保持に不安要素がまったくないので、あらゆるポーズをそつなくこなせます。
後から。ウイングガンダムって、意外とスラスターノズルが多いですな〜。しかも四角いのから丸いのまで様々です。
首がかなり上を向くことが出来るため、MS形態での飛行ポーズも綺麗に決まりますよ。
↑では右前方、横からでしたので、こちらでは後と左前方を〜。
シールドの保持についても、ダボにジョイントを差し込んだあとにスライドさせてしっかりと固定されますので、保持に不安はありません。ただし、こちらも肩周りについては、調整をした方が無難かもです。
続いては、ビームサーベルを使ったポージングを〜。
平手を使うことで、シールドからサーベルを抜刀するイメージもなんなく再現出来ます。この際は、肩の引き出し式の関節機構が役立ちます。
ビームサーベルは、ガンダムタイプとしては珍しく1本しか付属しません。
全身よく動き、思った位置でしっかりと関節がホールドしてくれるので、サーベルを使ったポージングでも困ることはまずありませんね。
最後は、切りつけるようなイメージでつけたポーズで〆でーす。
「MS形態編」はここまでです。引き続き「バード形態編」をご覧ください。