MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0 [ Z GUNDAM Ver.2.0 ] 完成レビュー

2005.12.30 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

反地球連邦組織・エゥーゴの依頼のもと、アナハイム・エレクトロニクスで開発された可変モビルスーツ。「Z計画」に基づく機体で、ティターンズより奪取したガンダムMk-IIのムーバブルフレームの設計を元に、リック・ディアスで培った技術、カミーユ・ビダンによるプロットも加え完成したこの機体は、機体標準装備のみで初の大気圏再突入を可能とした画期的な機体である。また、サイコミュデバイスの一種である”バイオセンサー”を採用するなど、革新的な面も数多く見られ、当時としてはまさに次世代機(第3世代MS)の名に恥じない仕上がりとなった。
しかし、高コスト、複雑な変形システム等からくる整備性の悪さ、高出力にともなうピーキーな操縦性と、そのままではとてもではないが量産に向かない機体であったのも確かである。武装には、斬撃も可能な高出力ロングビームライフルを標準装備としているが、オプション兵装として、専用のハイメガランチャーがあり、当時のMSとしてはかなり強力な火力を持たされている。

ここ数年で劇場版も公開され再燃した「機動戦士Zガンダム」から主役機Zガンダムです。変形するガンダムとしては最初の機体ですが、あまりにも複雑すぎる変形システムは、キット化するにあたり多くの問題を抱えていました。変形をしてもプロポーションにかなりの問題があったり、プロポーション重視のためにあえて一部組み換えを取り入れたりと、試行錯誤が繰り返されてきました。かつてMG化した際も完全変形とプロポーションの両立はしたもののひどい強度不足に悩まされました。その後PGとなり全ての問題をクリアーしましたが、数年の時を経てVer.2.0としてMGにおいても3つの課題をクリアーしつつ、さらに可動性という要素においても満足のいくキットに仕上がりました。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

初代MGと比べるとスリム&鋭角的になっています。また、サイドアーマーの形状もカトキ氏のアレンジバージョンからアニメ画の形に。PGでもカトキ氏Ver.でしたのでこれは嬉しいところですね。

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丸みのあった初代と比べると、シャープでいいですね。特に胸周り、腕がいい感じです。頭部もアニメ画に近い形状になりました。

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コックピットハッチも完全に開きます。半端に開くのではない、ってとこがいいです。ハッチ自体も非常に直線的なラインになっているのが分かります。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

背中もシャープです。初代であった、テールバーニアスタビライザーの発光ギミックはオミットされていますが、これは問題ないでしょう。脹脛のスラスターノズル外側は、メッキシルバーで塗装しています。

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ビームライフルは、伸縮、可変します。予備はありませんが、エネルギーパックも取り外し可能です。手首関節には、Mk-II等で採用されている新関節軸が取り入れられているので、手首の表情が豊かです。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

少しアップに。シールドと腕のジョイント部は、比較的角度調整が容易なので、肩との干渉にはそれほど悩みません。全体的なバランスも良好ですね。ただ、フロントスカートがやや小さいのが気になります。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

立膝も容易に可能です。ハイメガランチャーは、今回構えた状態を撮り忘れましたorz Blogで紹介したときには、構えた写真をあげていたので、、、まぁいいかな?要望があればUPします;

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

写真では台座を使用していますが、変形システムの恩恵と言うべきか足に伸縮機能があるため、それを活用することで、自然なポージングが可能となっています。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

グレネードランチャーも初代同様発射体勢が取れます。マガジン(?)は、付属のアーガマカタパルト風台座の裏面に取り付けられるよになっています。このあたりは親切ですね。また、肩関節には変形システムの関係でまったくスペースがない状態なのに前後へのスイング軸が設けられています。スバラシイ!

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

ビームサーベルも設定通り取り出せます。以前サイドスカートが大型化していたのは、カトキデザインというだけでなく、収納ギミックを再現する意味もあったと思うのですが、今回はアニメ版の薄い形状でありながら、見事に実現しています。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

別アングルから。股関節は非常によく動きます。腿にロール軸があるおかげもありますが、ちょっと位置的に下過ぎると感じるかもしれません。ただ、足首の関節は構造上あまり可動性が広くない(しかも固めです)ため、関節可動範囲のバランスが悪いです。その結果、接地性は悪いといってもいいぐらいかもしれません。しかし! このMGでは、可変機構を取り入れたZガンダムで初の腰関節の可動軸を設けたキットであり、それにより写真のようなひねりを加えることが可能で、より自然なポージングが出来るようになりました。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

変形システムです。この時点でやや原型をとどめていませんが、胸部分を上に跳ね上げ、頭部を胴内部に下げ、腹部を折りたたみ、股関節のロックを解除して蟹股状に開き、リアスカートと背中のパーツにロックさせ、フロントスカートを折りたたみ、肩を胴内部方向へ折りたたみます。以上の結果、この形態まで変形することになります。特に股関節のロックが、MS形態時、WR形態時ともにしっかりとロックされるため、初代での泣き所のひとつが完全に解消されています。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

背中のバインダーを変形させ、所定の手順で手前側に持ってきます。こちらも初代では固定アームを伸縮(折りたたみ式)させることにより前へともってくるため強度上、保持力上問題がありましたが、見事に解消しています。また、MS時にはノズル側に、WR時は機首側に固定用のジョイントパーツがバインダーを変形させた際に飛び出す仕組みになっていて、MS形態ではテールバーニアスタビライザーにWR形態ではシールドに、それぞれロックが可能となっています。これにより、どちらの形態でも「がっちり」固定されるわけです。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

先ほどの状態に、シールドを首下のロックパーツ+左右のバインダーの先端部ジョイントパーツで固定して、裏返した状態です。そこから、テールバーニアスタビライザーを後ろ側に移動させ、サイドスカートを裏返して前方に移動し、ロックすることでてここまで完了です。本当にあちこちに固定用ロックがあります。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

初代MGでは、膝裏のパーツを膝関節の変形に際し、その部分だけをスライドさせることで変形させていましたが、Ver.2.0ではきちんと膝の変形に連動して、スライドするようになっています。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

これで、あとは膝から下を押し込むことで変形終了です。そうすることで、脹脛のバーニアノズルが露出するようになっています。………が、申し訳ない、この後の写真でその行程(足首の押し込み)を忘れてしまいましたorz 折を見て写真修正しておきます_/ ̄| 実際はそれにより足首周りが、線を引いたようになり非常に綺麗なのです。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

WR形態の完成です。非常に薄く、シャープで、スタイリッシュな姿です。これほど美しいWR形態はいままでなかったのではないでしょうか? しかも多数のロック機構のおかげで、この状態をがっちり保持しています。尚、写真では付属のアーガマカタパルトデッキ風スタンドを使用しています。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

正面から。薄さがよくわかる角度ですね。バインダーがやや反るような形も、ロックでしっかりと保持されています。Zの複雑な変形とWR時のプロポーションをよくここまで再現できたものです。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

角度を変えて。MS時でシールドとなっている機首部分も、シャープでいいですね。初代では丸みのある形状をしていたので、個人的にはあまり好きなZのアレンジではなかったのですが、今回は大満足です。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

今回のVer.2.0では、色分けもほぼ完璧と言えるのではないでしょうか。足のアポジモーターも外はオレンジイエロー、内はグレーときちんと再現されています。また、初代では出来なかった脚部内部フレームも再現されています。このあたりは装甲のパーツ分割的にもPGからのフィードバックでしょうね。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

やや横方向から後ろを。スタンドアームの先端は、Z用、Mk-II用(どちらもVer.2.0専用)のジョイントが付属していて、使わない方のジョイントアームは、グレネードマガジンと同様スタンド裏に収納出来るようになっています。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

ちょっとピントがあっていませんorz WR形態でもコックピットハッチはちゃんと開きます。初代では半開きが限界だったのでこういった細かい所も修正されているのは、嬉しい誤算です。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

底から。以前は、バインダーを変形(斜め後ろに引き出す)と前側に隙間が開いていたのですが、Ver.2.0では連動ギミックで隙間が塞がれるパーツが出てきます。これもPGからのフィードバックですね。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

付属のアーガマカタパルトデッキ風スタンドは、Mk-II Ver.2.0付属の格納庫風デッキスタンドに連結することが可能です。またMk-IIで付属していたメカニッククルーのフィギアに対し、Zではカタパルトデッキクルーが付属しています。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

この2機が並ぶと、本当にアーガマのデッキ内のようです。こういう構図は、本当に絵になりますね。残念な点は、今回のZではWR形態のランディングギアが完全にオミットされている点です。差し替えでもいいので、付属して欲しかった。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

アップで。なので、こういったMS時の並んだ写真は撮りやすいですが、ZをWR形態でとなると、、、。非常に惜しいですね。

MG 1/100 MSZ-006 Zガンダム Ver.2.0

こうしてみると、Zの方が一回り大きいのが分かります。スペック上でもZの方が2m全長が高いですし。う〜ん、壮観。

さて、多数の写真を交えてレビューしてきましたが、そろそろ総評に。これまでのZキットと比較すると、文句なしの出来でしょう。PGと比較してもなお、PGで良好だった点をきちんと取り入れ、MGだけの要素も加え、尚且つ1/100にスケールダウンしているという点を考えれば、ある意味上回っていると考えてもいいと思います。完全変形でること、スタイル(MS&WR両方)、可動性保持力、どれをとっても素晴らしい出来です。しかしながら、完璧に近いが故に、些細な点が目立つのまた然り。肩、フロントアーマーの小ささ、接地性の悪さ、ランディングギアのオミット、複雑なパーツ構成により作成難度がやや高くなっているといった箇所がもし解消されていたら、個人的には100点をつけていたでしょう。色分けなども完璧に近いだけに、非常に惜しいです。しかし、Mk-II同様、「Ver.2.0」という肩書きは伊達ではなかったことは確かです。オマケ要素の付属スタンドも私としてはツボですしねw 少なくとも、現Zガンダムキットとしては最上の出来(価格的なことも踏まえて)であることは確かだと思います。Zに思いいれのある方もZを知らない人も、是非一度手にとっていただきたいキットですね。
    

RG MSZ-006 Zガンダム   RG RX-178 ガンダムMk-II   PMX-003 ジ・O   MSN-00100 百式   RX-178 ガンダムMk-II Ver.2.0

            

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