RG 1/144 MSZ-006 Zガンダム [ Z GUNDAM ] 完成レビュー(MS形態編) + 月刊ガンダムA 2013年01月号 ヘッドディスプレイベース

2013.01.17 | author: | ETCETERA | 開発計画
RG 1/144 MSZ-006 ZガンダムRG 1/144 MSZ-006 Zガンダム + 月刊ガンダムA 2013年01月号 ヘッドディスプレイベース

反地球連邦組織・エゥーゴの依頼のもと、アナハイム・エレクトロニクスで開発された可変モビルスーツ。「Z計画」に基づく機体で、ティターンズより奪取したガンダムMk-IIのムーバブルフレームの設計を元に、リック・ディアスで培った技術、カミーユ・ビダンによるプロットも加え完成したこの機体は、機体標準装備のみで初の大気圏再突入を可能とした画期的な機体である。また、サイコミュデバイスの一種である”バイオセンサー”を採用するなど、革新的な面も数多く見られ、当時としてはまさに次世代機(第3世代MS)の名に恥じない仕上がりとなった。
しかし、高コスト、複雑な変形システム等からくる整備性の悪さ、高出力にともなうピーキーな操縦性と、そのままではとてもではないが量産に向かない機体であったのも確かである。武装には、斬撃も可能な高出力ロングビームライフルを標準装備としているが、オプション兵装として、専用のハイメガランチャーがあり、当時のMSとしてはかなり強力な火力を持たされている。

大変お待たせしました、”RG 1/144 MSZ-006 Zガンダム 完成レビュー”です。RGシリーズとしては記念すべき10体目のキットで、1/144での完全変形を再現した初のZガンダムとなります。完全変形というだけでなく、これまでのRGと同様のハイディティールな仕上がりは、そのまま素組みで作るだけでもスケールの小ささを感じさせません。ただ、その分組み立てや完成後の変形に関しては、注意点もいくつかありますので、作成レポートとレビューを合わせてご覧いただけたらと思います。
実際に組み終え、レビューの撮影まで終えた状態で振り返ってみると、いろいろな問題点は見受けられるものの、RG10体目としてふさわしい出来栄えだったのではないでしょうか。両形態でのプロポーション、可動性、ギミックをこのスケールにぎゅっと凝縮していますからね。様々な意味で、本当に密度の濃いキットだと言えるでしょう。もちろん犠牲になっているマイナス面もアレやコレやあるわけですが、その点についてはこれからレビューでゆっくりと解説していこうと思います。なお今回は、「MS形態編」 「可変機構編」 「WR形態編」、と久しぶりの3編構成でのボリュームたっぷりのレビューとなります。どうぞ最後までお楽しみくださいませー。

RG 1/144 MSZ-006 Zガンダム

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何はともあれMS形態ですね。実を言うと、劇中の初登場シーンではWR形態からでしたので、WRの紹介、WR⇒MSへの変形、MS形態の紹介っていう流れも考えたのですが、レビューであまり奇をてらいすぎるとかえって見難いかなーと思い、オーソドックスなスタイルにしました;
肝心のスタイルはというと、これだけの色分けと完全変形を詰め込んだのに対し、非常に良好なプロポーションを実現しています。ちょっと気になるのは、脇の下のところ…胸部ユニットと腹部の間に出来た隙間が大きいって点ですね。MG Zガンダム Ver.2.0(ふるーいレビューで申し訳ない;)と比べると、全体的なシャープなイメージはそのままに、ボディのメリハリが強調され、フライングアーマーも大型化しているあたり、いい意味で今風にアレンジされています。かといって、MG Ver.1.0のような過度のリファインが入っていないところが良いですなっ。まぁ個人的には、ちょっと寸胴っぽいMG Ver.2.0版のスタイルも味があって好きだったりします。ガンダムと同じで、”リアル志向のRG、劇中に近いMG Ver.2.0”って感じですかねー。

ちなみに、今回の”RG Zガンダム ”で使用した塗料は、以下16色(クリアー含め19色)となります。
ガンダムマーカー  : グレー、ゴールド
ガイアカラー    : ピュアホワイト、スカーレット、橙黄色、コバルトブルー、ウルトラブルー、フラットブラック
            ニュートラルグレーIII、ニュートラルグレーIV、スターブライトシルバー、スターブライトアイアン、スターブライトゴールド
            EXシルバー
Mr.カラー     : クリアーブルー、スーパークリアー半光沢、スーパークリアーつや消し
Mr.カラーGX   : スーパークリアーIII
タミヤエナメル   : フラットブラック


RG 1/144 MSZ-006 Zガンダム

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可動を上から見ていきましょう。先ずは首周りから。首は、軸+ボールジョイントの2重関節で構成され、見た目の首の短さに反して、予想を上回る可動範囲を実現しています。顎もしっかり引けますし、これは嬉しい誤算ですね。特に胸部のボリュームのある機体の場合、顎が引けるか引けないかでポージングの表情が随分変わります。Z系は、形状や可変機構の絡みから首があまり動かない子も多い中、これだけ動くRG Zはかなり希少だと思われます。

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腕周りについても概ね良好な可動となっており、肘は140度ほど、肩も水平に近い状態まで上がるので、一通りの動作は可能です。背中のフライングアーマーもある程度動かせるため、腕に対する干渉はありません。ただし、腕自体は結構太めゆえ、ライフルの取り回しに少し気を使うかも。あと、シールドのジョイント部分の可動に制限がありますから、ポージングの際は左腕の角度がある程度固定されやすいかも。

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コックピットハッチはもちろん開閉可能。これまでのRGと同じく、パイロットの登場状態再現は不可ですが(それ用のパイロットフィギュアを自作すれば可)、MS形態とWR形態でのシートポジションの変更も出来ちゃいます。これはPG以来のギミックですね。

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組み立てるまで気づかなかったのですが、この子腰が動くんですね(゚o゚;)! 従来の完全変形するZガンダムの立体物は、可変機構の制約で腰が動かなかったのですけど、MG Ver.2.0で初めて腰の可動が再現されて当時はかなり驚いてたものなのですが……まさか1/144サイズでこれを再現するとは; アドバンスドMSジョイントの恩恵は凄いですねーー。RG Zガンダム…恐ろしい子!Σ( ̄□ ̄;)

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背中のフライングアーマーとロングテールスタビライザーです。どちらも設定通り可動しますし、MS形態では連結ピンによりしっかりと固定されているので、ポージング中もグラつきを心配することはありません。フライングアーマーは、主翼を展開させた状態も再現できますけど、この場合はスタビとの連結保持は出来なくなるので注意です。ただし、アーマーとボディを繋ぐアーム(アドバンスドMSジョイント)の保持力が高いため、スタビとの連結がなくても意外と問題なかったりします(^^;

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股関節周りです……といっても、普通の股関節ではありませんが; 写真上段を見ての通り、いわゆる股関節というモノはこのZガンダムにはありません。その代わり、脚部は後側にあるフレームプレートに固定されています。変形のための措置なわけですが、この構造ゆえの可動の制約もありますので、出来ればMG系のスタイルの方がよかったかなぁ……。その可動に関しては、開脚方向はかなりスムーズに動きます。サイドアーマーの干渉も少ないですし優秀な方ですねー。

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フロントアーマーも軸とボールによる2重関節構造なので(取り付け箇所が太腿側と特殊ですが)、こちらも脚部の動きを阻害することはありません。問題は後ろ方向の可動でして、背面にあるフレームプレートが邪魔をし、後方への可動はほとんど出来ないのですorz MSのようなロボットモノのポージングにおいて、脚を後側に動かす機会は思ったほど多くはないのですけど、飛行姿勢など体を反らすようなポージングでは重要になりますから、ここまで動かないのはちょっとイタイですね;
一方膝の可動は、130〜140度くらいと肘と大体同じ可動性能となっています。外装形状的にも可動範囲を確保しづらいのは分かりますが、膝の場合はもう少し曲がってくれると……というのが正直なところかな;

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足首周りの可動に関しては、変形機構の恩恵もありなかなか優秀です。前後方向はつま先と踵が独立して動くので、ちょっとした表情付けにも役立ちます。そして横方向も予想外(といったら失礼かw)に可動範囲が広いため、接地性はそこそこ高い方だと思いますよっ。これまでは、装甲の形状的にあまり横方向には動かないキットが多かっただけに、これは嬉しい誤算ですね。

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ここからは付属品の紹介です。最初はロングビームライフルから。塗装で要所にメタリックを配している分、元のイメージとは少し変わってしまってますが、まぁアレンジということで; WR用に、バレルの伸縮、サイトセンサー&グリップの折り畳み、ジョイントの展開収納が可能になっています。予備のカートリッジは残念ながら付属しません。

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専用シールドです。伸縮機能が再現されている以外に、劇場版仕様のミサイルランチャーも付属します。こちらは、取り付けたままWR形態へ変形することも可能ですし、取り外してTV仕様にすることも出来ます。ジョイントアームは2重関節になっているのですが、可動方向は1軸のみしか動かないため、ポージングがちょっと付けづらいケースもあります。

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その他付属品です。写真左上から、ポーズ固定の差し替え手、グレネードランチャー用マガジン、ビームサーベル刃2種4本、ランディングギア、アクションベース2用ジョイントアタッチメントになります。サーベル刃は、1/144サイズのモノがはじめから付属していますから、長さ調整の必要はありません。短い方はロングビームライフル用です。

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MS本体、付属品の一通りの紹介が終わりましたので、ここからは各武装を使ったMS形態での様々なポージングをお楽しみくださいませ。ちなみに、この一枚はクリックすることで大きい状態をご覧いただけます。

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まずはビームライフルからですね。手首、肘、肩、とどれも関節は固めとなっているので、これだけ長いビームライフルでもしっかりホールド出来ます。掌のダボとライフルグリップのピンの合いも丁度良い感じで、保持力に関しても問題はありませんでした。ただ……作例ではグリップも手も塗装+半光沢でのクリアーコート済みなので、キットそのままの状態だとひょっとしたら保持力が弱いかもしれません。

RG 1/144 MSZ-006 Zガンダム

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ライフル使用の大きめの写真です。ポージングに際しては、ライフル自体がかなり大きいため(バレル側だけでなくストック側も長い)、形状的に少々構え難いかな; しかし、その分見た目の迫力は増していますので、長いテールスタビライザーと組み合わせれば奥行きのある立体的なポージングを楽しめますよ。

RG 1/144 MSZ-006 Zガンダム

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フライングアーマーを展開すれば高機動形態を再現できます。先述の通りスタビライザーとフライングアーマーの連結は不可となりますが、その分フライングアーマーのポジショニングの幅が広がりますので、保持力もしっかりしている分、こちらの方がポージングの自由度が増すかもしれません。見た目的のもこちらの方が迫力ありますしねw

RG 1/144 MSZ-006 Zガンダム

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劇場版仕様であれば、シールド裏に内臓されたミサイルランチャーの発射姿勢を楽しめます。そういえば……ガンダムMk-IIも、劇場版仕様ではシールド裏にミサイルランチャーを追加装備(Mk-IIの場合は3連装)していましたね。しかも、シールドに対するミサイルの取り付け位置もZとほぼ同じ……何か意図的なモノがあるのでしょうか?

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ライフルの先端に専用の短いビーム刃を取り付ければ、ロングビームサーベル(見た目的にはビームランサー)にもなります。ですが、ただでさえ取り回しの悪いロングビームライフルなので、ポージングにはさらなる工夫が必要です(^^; 保持の問題がないだけに、悩ましいところですな;; 

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専用のマガジンを腕に取り付けることで、グレネード・ランチャーの発射姿勢もより様になります。ただ残念なことに、マガジンを装着したままの変形は出来ないので、WR形態をとるときは取り外す(劇中シーン風にいえばパージ)必要があります。また腕のハードポイントには、このマガジンとシールド以外にも、実はビームライフルも固定可能だったり〜……撮り忘れてますけどね_/ ̄|○

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最後はビームサーベルです。普段は腰のサイドアーマーの中に収まっていて、WR形態ではビームガンとしても機能します。腰を回すことが出来るため、斬撃姿勢もとりやすく、ポージングをしていて楽しいですね。サーベル刃の長さは、はじめから1/144スケールに合わせて成型されているので、見た目のバランスも良好。その代わりということではないのですが、サーベルグリップがかなり短く手元は少々寂しい感じがします。サイドアーマーへの収納の関係で短くなったと思われますが、ちょっと残念ですなぁ。

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最後は特大サイズの画像(クリックすると大きくなります)で〆です。ヘッドディスプレイの塗装のついでというのもありますが、今回のRG Zガンダムでは赤と青の成型色が個人的にはイマイチだったため、塗装したことで素組みとは少し違ったイメージ仕上がっています。色合い的なものは、人それぞれ好みもありますので一概には言えませんが、個人的には簡易的な仕上げとしてはなんとかまとまってくれたと思います。参考になれば幸いですー_(._.)_

「MS形態編」はここまでとなります。引き続き「可変機構編」をご覧くださいませ。
    

            

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