MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0 [ GUNDAM ] 完成レビュー

2008.09.15 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 RX-78-2ガンダムVer.2.0MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0

連邦軍初のMSとして開発された3機の内の1機で、白兵戦を想定した機体となっている。コックピットは、コアブロックシステムと呼ばれる脱出装置を兼ねた小型戦闘機を変形収容した形となっており、他の2機も同様の仕様で規格の統一が図られている。このコアブロックシステムだけにとどまらず、使用されている素材、部品どれをとっても採算を度外視したワンオフ(ある意味3機セットのワンオフである)に近い仕様になっており、性能を可能な限り追求した機体である。V作戦本来の目的である量産については、この3機を元に機体構造の簡略化、コストダウンをすることで実現(RX-79ジム)している。
しかし、この機体の最大の特徴は、MS史上初のビーム兵器を形態したことにある。当時、宇宙艦船しか搭載していなかったメガ粒子砲に匹敵する火力を全長18mの機体が実装したことで、ガンダムは戦場において類稀なる戦火をあげることとなる。また、兵器のバリエーションも多岐にわたり、実弾のハイパーバズーカ、ビーム兵器の一環としてのビームサーベル、ビームジャベリン、ガンダムハンマーと白兵戦を主体とした機体らしい兵装も数多く見られる。

ガンダムMk-II、Zガンダム、ザク、ゲルググとVer.2.0化する中、遂に登場したガンダムVer.2.0です。これまでの流れ、「劇中により近い」をある意味とことん追求したキットとなっています。MG化する際の基本となっていた、リアルタイプのアレンジとは逆行しますが、今までのアレンジがあるからこそ、劇中に近いキットが受け入れられるのでしょうね。今回のVer.2.0も、Ver.1.5で過剰なまでに施されたモールドは完全に消えていますし、大型化していた肩の縮小等1stにより近く作られています。
しかし、劇中に近いだけではなく、コアブロックシステムを再現したままでの腰のひねりを実現(Zやザクもそうですね)していたり、ある意味PGを超えたコアファイターの再現等数々の新規ギミックも盛りだくさんです。これぞVer.2.0ですね。

MG 1/100 RX-78-2 ガンダム Ver.2.0

先ずはコアファイターから。これまでのコアファイターでは随一の出来ではないでしょうか。キャノピー開閉、完全変形、シートの回転、ミサイルハッチ開閉とPGの仕様をそのままにさらに+αまであります。そのためにランディングギアをオミットしたのだとしても、専用スタンドでカバーしていますし。まぁ、欲を言えばランディングギアは個人的に欲しかったかも。

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設定通りのキャノピー開閉を実現しつつ、コックピット内部も比較的作りこまれています。って、ぁぁ、内側をグレーで塗り忘れています? 忘れてますねorz

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後ろの鋭角的で、微妙な傾斜がついているあたりも再現されています。ちなみにコアファイターの部分塗装はキャノピーと垂直尾翼の白、ミサイルの赤、コックピット内部の蛍光グリーンです。

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このサイズで、ミサイルハッチの開閉まで再現できるとはすごいですね。小さすぎてハッチを開けにくいのが難点ですが。

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翼を大きく見せる為のアレンジとして、主翼を展開してからさらに引き出すギミックが取り入れられています。左が引き出し済み、右が引き出していない状態です。結構変わりますね。

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機首下の一部を回転させることで、コックピットブロックが90度回転し、MS時の正位置になります。変形に伴うブロックの移動を実現しているのは、記憶してる限りPG Zガンダムのみだと思うので、、、ほんと凄いです。

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コアブロックへの変形は非常にシンプルですが、一応。先ずは主翼をたたみ・・・

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続いてシートを回転させ機首を収納した後、胴体へと折り畳めば完了です。垂直尾翼は、きちんと機首折り畳みに連動して収納されます。

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あっという間にコアブロックへ変形完了。コアファイターという1/100では小さなパーツですが、内容が非常に濃いですね。

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Aパーツ内部です。奥にはちょっと分かりにくいですが肩関節に絡むシリンダーもあります。備考にあげた写真の方が見やすいかもです。

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別角度から。中央に丸い形状をしたモールドがありますが、ここを軸に腰をひねることが出来ます。このためにコアブロックとの干渉をしないよう内部にクリアランスを確保しているのですね。

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Bパーツの接合部。前側に大きく穴が開いています。ここは、コアブロックの機首部分を伸ばせるよう確保されたスペースで、これのおかげでハッチを開けた際にコックピットが露出するようになっています。

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シンプルでしっかりとした作りなのですが、手足の必要以上に太くなった感じも少し消えて劇中イメージにかなり近い仕上がりだと思います。モールドも皆無といっていいほどありません。

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これまでのMG系と比べると肩がすっきり小さくなっている以外に、胸部ダクトの違いがあります。本来はこの形が1stなのですが、従来のMGでは黄色い部分が外側にまで張り出していました。(パーフェクトの中の人を除く)

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頭部形状もかなり違います。全体的に丸みを帯び、クマドリも大きくなっています。でも、こうして見ると昔はこんな顔してたなぁとオモイマス。尚、今回の頭部では、両脇ダクト、正面のスリットとモールドではなく全て穴あきですよ。加えて頭部を上に向かせると、ダミーですがシリンダーも顔を覗かせます。

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コックピットハッチは、腹部のスライドも再現されていますし、従来どおりブロックを跳ね上げることも出来ます。しかし、そのままだと開けても中はご覧の通りコックピットが見えません。

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しかし、収納した機首を下にスライドすることでコックピットが露出するようになります。このアタリを再現するにあたってかなり試行錯誤があったのでしょうねぇ。

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背中から見ても非常にすっきりとしています。すっきりとしてる中にも、肘やかかとといった劇中イメージを再現しつつもパーツを上手く分割することで可動の妨げにならないような工夫も見られます。

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背中がスッキリしてる印象を与える一番大きな要素は、バックパック…いやランドセルでしょうね。形状もさることながら厚さも薄く作られています。

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胸部ダクトは設定通り開閉します。開閉すること自体はこれまででもMGで再現されたことはあったのですが、PGと同じように3枚のフィンが連動して開閉可能です。

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股間の部分の収納スペースも再現されています。ここは大気圏突入時のフィルムが入っていた場所(劇場版ではフィルムではなく冷却材のようなものが噴出していたようですが)ですね。

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肘は180度曲がります。加えて指は第二関節まですべて曲がります。いつもどおり中指から小指までは一つに固まっているのですが、今回は切り離して全て独立可動出来るようにしています。

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立膝も楽にきまります。今回のガンダムの特徴として、腰アーマーの接合部の多重間接化になっていて脚の可動を極力妨げないような工夫が凝らされています。

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膝も180度まがるのですが、ニーガードの内側にもう一枚装甲が設置されています。これによって、劇中では膝を曲げても金属が曲がるような感じで膝内部のフレームが露出しなかったのですが、イメージ的にそれに近いような仕上がりを見せることが出来ます。

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足裏のモールドもしっかりと。加えてつま先の独立可動も実現しています。足首にも前後にシリンダーギミックを採用したりと豪勢な仕様になっているのですが…残念なことに横方向の可動範囲はそこまで広くありません。

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驚いたことに、脚は180度の開脚が可能です。しかし、股関節にここまでの可動範囲を確保しているなら、足首ももう少しがんばって欲しかったですねぇ。

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ついでといってはなんですが、片足立ちも楽にバランスとれます。まぁ、これは最近のMGキットなら大抵出来るのではないでしょうかね。

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続いては武装に。ビームライフルは形状は非常にシンプルですが、上手いパーツ分割で内部形状も一部再現しています。また、オプションのナパームも装着可能です。

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バズーカは、ガンダム付属としては初の色分け再現となっています。マガジンは一体式で取り外し不可です。グリップ部分は持ちやすいようスイングします。

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ビームジャベリンは、設定通りビームサーベルに連結して使用するようになっています。ガンダムハンマーは、、、これ流用でしょうかね? 掌の凸と合わないですし。

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シールドもモールドを極力抑えたシンプルな形です。気になるのは裏面ののぞき窓下両脇にあるグレーの取っ手状のもの。Gアーマー時の固定補助パーツでしょうかね?

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PGで導入していた、のぞき窓のスライドギミックも。これ自体はおそらくアレンジ…でしょうね。

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ライフルの保持力は、そこそこ…でしょうか。シールドのマウントは、肘下への固定とグリップの2重固定です。尚、シールドのマウント位置は上下にスライド可能です。

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全体の可動範囲が広いので、幅広いポージングが可能です。特に肩も大きく迫り出すことが出来るので、ライフルの両手持ちも楽に決まります。また、シールドは背部ランドセルへの固定も可能。

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ハイパーバズーカも楽にもてます。ここで気づくのは、グリップ部分の可動は手首の可動域の狭さをカバーするためのものだということ。そう、手首の可動域はかなり狭いのですよ〜。

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ビームサーベルのクリアーピンクはやや薄め、形状は標準的なものです。

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ランドセルからの抜刀は、もう出来て当たり前の世界になってますが、このガンダム、サーベルラックが収納可能になっています。これは抜いたあとは収納すべきなんでしょうかね? それともGアーマーの絡みでしょうか…。

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パトレイバーであった巨大警棒のロングバージョン…じゃなくてビームジャベリンです;;

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今回、このビームジャベリンのクリアパーツは、オールクリアー、つまり透明です。以前だとクリアーピンクで成型されていたのですが、シャープさを出す為か、、、コストの絡みか、まっ透明です。適当な塗料が無かったのでそのまま透明にしていますが、できれば成型段階で色を入れて欲しかったですねぇ。

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ガンダムハンマーの付属も、今ではごくごく普通になってます。ただ、恐らく…流用でしょうねぇ。Ver.1.5から変わってない気もします;; ま、完成度は高いわけで、きちんと持てない以外はさして問題もないですが。

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〆は、恒例のラストシューティングの1シーンを。肩を引き出して上方に上げることが出来るので、真上に上げることが出来ます…って肩アーマーの位置が若干オカシイかな…上げ方間違えた…のかorz そのうち撮り直すかもです_/ ̄|○

総評です。前回のデスティニーに続き、かなり長いレビューとなりました; スタイルをアレンジしたガンダムも好きなのですが、ここまで劇中を再現したガンダムは、MGとしてガンプラが再スタートして以来なかったので、ある意味貴重でもあり、非常に新鮮でもありました。これまでのガンダムを遥かに上回る可動性を実現しつつ、コアブロックの完全再現、色分け、プロポーションの維持と現時点でのガンダムとして最高峰の位置づけかと思われます。オプションとなる装備もナパームまで再現され、ハイパーバズーカが一丁のみの付属(最後の二丁持ちの再現はもう一つ買うしかない)という点を除けば、ボリュームも十分と言えるでしょう。
ですが、肩、肘、指、腰、股関節、膝、つま先とこれでもかという可動範囲を確保している割に、手首、足首の可動範囲は相変らずという欠点も。このアタリは限界点なのでしょうかねぇ…。いや、腰のひねりまで再現したバンダイさんですから、今後のキットで克服してくれることでしょう。あとは、ビームジャベリンのクリアパーツの成型色と、ガンダムハンマーの流用はよしとしてもグリップの凹凸くらいは合わせて欲しい、くらいでしょうかね。
諸所の欠点はあるものの、全体のまとまりのよいVer.2.0として恥じない出来だと思いますので、1stが好きなガンダム世代の皆様、懐かしさついでにお一ついかがですか?
    

RX-78-2 ガンダム(REAL GRADE)   FA-78-1 フルアーマーガンダム   RX-75 ガンタンク   RGM-79 ジム Ver.2.0   Gファイター ガンダムVer2.0用V作戦モデル

            

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