ガンタンクは、RX計画の一機として開発され、RTX-44をベースに熱核反応炉、コア・ブロック・システムを組み込んだ機体である。上半身こそ人型であるが、下半身は戦車そのものという風貌は、二足歩行の有効性の検証が十分ではなかった当時としては当然の善後策であった。その結果として誕生したのが、他のRXナンバリングとは異なる外観をもつことになったガンタンクである。
ガンダムの完成により、近距離、中距離、遠距離の戦闘レンジによる性能特化の方向性もあって、ガンタンクは十分な戦果をあげることとなる。また、少なくとも地上においての走行性能は、二足歩行よりも耐久性に優れ、行動範囲の限界を押し広げるものであった。これは、キャタピラの有用性を再認識させるものであり、G-FIGHTERへのキャタピラの採用やガンタンクIIが開発される要因の一つにもなっていると言える。
武装は、全て固定武装となっており、ガンダムのような汎用性は持ち合わせていない。搭載される兵装は、120mm低反動砲に40mm4連装ボッブ・ミサイル・ランチャーと、ビーム兵器ではなく全て実弾兵器になっている点も特徴の一つとなっている。これは、キャタピラの採用と同様に、培ってきた技術と信頼性のある兵器を優先したためである。
RXシリーズ最後の登場となったガンタンクです。MGが商品化されてから、3機揃うのにずいぶんかかりましたね…。しかし、長い間待たされただけのことはある出来になっています。特徴的なプロポーションはもちろんのこと、全身のいたるところにこれでもかとギミックを満載しており、作っている間も作ったあとも飽きさせない工夫がされています。キャタピラも、一つ一つが全て別パーツで再現されていて、非常にリアルな仕上がりになっています。固定武装以外ないキットではありますが、その分中身が非常に濃くなっていますよ。
尚、ガンタンクのレビューは、「機体の特徴」と「V作戦」の2部構成となっています。
ガンダムVer.2.0のときと同様に、コア・ファイターから紹介します。コア・ファイター自体は、ガンダムVer.2.0に付属したものとまったく同一のものです。
もちろん、コックピットハッチも開閉可能となっていますよ。設定どおりのスライド開閉方式です。
主翼を大きく見せるための引き出し機構もそのままです。左翼が引き出した状態、右翼が引き出していない状態となります。
唯一違う点は、付属のクリアスタンドです。ガンダムVer.2.0で付属していたものは、飛行イメージを再現したものですけど、このガンタンク付属のものはランディングギアになっています。右写真は、そのスタンド単体の写真になります。
コア・ブロックへの変形は、先ずは主翼を収納折りたたみ、続いてシート位置を機首裏を押し込んで90度回転させます。
シート位置をMS状態にしたら、機首を収納します。
最後に機首を折りたたみます。機首を折りたたむと、垂直尾翼は連動で収納されるようになっています。
これで、コア・ブロックへの変形が完了しました。ガンタンクのコア・ブロック周りの大きさと見比べると、だいぶ小さく見えますね。
ガンダムのAパーツに相当する上半身です。ガンタンクの場合もAパーツでいいのかしら…?
Bパーツ相当の下半身です。通常MSとは異なり、まんま戦車のような外観です。
全てをあわせればガンタンクの完成です。腕や胴回りもしっかりしていて、ガッチリした風貌です。しかし、脚がない分全長はだいぶ低いですよ。
頭部のアップです。顎を引くといった可動は出来ませんが、なかなか優秀な可動範囲ですね。
頭部のキャノピーももちろん開閉可能。ただ、あまり大きくは開かないですね…。
キャノピーには、内側にフレームを再現するためのパーツも付属します。このパーツを使うかどうかは選択式ですので、お好みで。
頭部を首ごと抜き取ると、底には発光ユニット(MGエクシアIMと同一のものです)が内臓されていて、頭部の数箇所が光るようになっています。
目?センサー?に相当する部分が、緑に光ります。こんなところに目らしきものがあったのですね…。
さらに、コックピットの計器パネルも光っちゃったりします。これにはビックリ。光漏れもないですし、光量も十分ですよ。
続いて、120mm低反動キャノンを。写真は分かりやすいように取り外した状態となります。15cm前後あるので、結構な長さです。
この低反動砲には、リコイルを再現するためにABSスプリングがバレルの中に仕込まれていて、伸縮するようになっています。
MGならではの解釈として、胸部装甲上面がトラベリングロックとしての機能を持っています。ただ、戦車のように砲身を完全固定するようなものではないようです。
肩の可動範囲は、水平位置まで肩をあげられるようになっています。出来ればもうちょいと言いたい所ですが…ガンタンクにはそこまでの可動範囲は必要ないかな;
肘は、そのままでは45度ほどしか曲がりませんけど、関節を引き出すことで90度まで曲がるようになっています。見た目を損なわずに、可動範囲を広げていますよ。
腕の40mmボッブ・ミサイル・ランチャーも、きちんと再現されています。しかも…
腕を回転させることで、バレルが前後に動いちゃうのです。劇中の発射シーンの動きそのもものですね。
胸部エアインテークも開閉可能だったりします。おまけに、ただ開くというのではなく、歯車により上下どちらかを動かせば開くようになっています。
背中のリコイルダクトの装甲をはずすと、120mm低反動砲の弾丸がディティールが再現されています。塗り分けてやるとよりそれっぽくなります。
腹部のコックピットハッチももちろん開閉出来ます。コア・ブロックのハッチも機首を下げることで開きますので、申し分ないです。
腰は、コア・ブロックが内臓されてるとは思えないほど横方向に動きます。
ただ、横方向の回転可動については、申し訳程度にしか動きませんorz
腰の前後のスイングは、下半身側が装甲をスライドさせながら前後に動くようになっているので、上半身側と合わせて意外と動いちゃいます。
キャタピラは、一つ一つが別パーツになっていて、それを片側につき38個組み立てることで、1本のキャタピラになります。付けは外しも簡単に出来ますよ。
転輪部分には、ABS製のスプリングが内臓されていて、動きに合わせて伸縮するようになっています。ただ、ショックアブソーバーの角度がかなり水平に近い上にABSスプリングも硬めなので、思ったような効果は得られにくいです。
キャタピラユニット外側の装甲をスライドさせると、レバーが姿を現します。このレバーを反対側へ動かすことで、転輪位置が下側へ移動し車高が少しだけ高くなります。先ほどのショックアブソーバーは、車高を上げたほうが効果を実感しやすいですよ。
変更後にハッチを閉めることで、ロックがかかるようになっています。
さらに、キャタピラユニットそのものを中央ブロックから外側にずらす(向かって左側)ことで、さらに柔軟に可動するようになります。
キャタピラユニットと中央ブロックは、3軸ジョイントで連結されているのでものすごーく可動します。
キャタピラを取り外して、ジョイントが見えるようにしてみました。ほとんど見えない部位ではあるのですが、ダミーじゃなく伸縮可能なアクチュエーターなんかも再現されています。
正面下側は、ドーザーユニットも展開出来ちゃいます。ブルドーザーのように舗装が可能なんでしょうかね?
後側は、アウトリガーも開閉可能です。ほんとに全身至る所にギミックが詰め込まれています。アウトリガーを開くと、ダクトも露出しますよ。
底面もご紹介。ディティールは、過度になることもなく適度な感じでよいです。スラスター状のディティールも内部フレームから再現されているのですが、内部フレームの状態と比べると数が半分なんですよね…。つまり装甲に隠れてしまう部分があるということです;
このガンタンク唯一のオマケ要素は、同スケールのフィギュアの多さでしょう。ハヤト、リュウ、ミライ、ブライトの立ちフィギュアに加え、頭部コックピット用のハヤト、コア・ブロック用のハヤト、リュウの着座フィギュアが付属します。
「機体の特徴」はここまでです。引き続き「V作戦」をご覧ください。