RG 1/144 RX-78-2 ガンダム [ GUNDAM ] 完成レビュー

2010.08.15 | author: | ETCETERA | 開発計画
RG 1/144 RX-78-2 ガンダムRG 1/144 RX-78-2 ガンダム

連邦軍初のMSとして開発された3機の内の1機で、白兵戦を想定した機体となっている。コックピットは、コア・ブロックシステムと呼ばれる脱出装置を兼ねた小型戦闘機を変形収容しており、他の2機も同様の仕様で規格の統一が図られている。このコア・ブロックシステムだけにとどまらず、使用されている素材、部品どれをとっても採算を度外視したワンオフ(ある意味3機セットのワンオフである)に近い仕様になっており、性能を可能な限り追求した機体である。V作戦本来の目的である量産については、この3機を元に機体構造の簡略化、コストダウンをすることで実現(RX-79ジム)している。
しかし、この機体の最大の特徴は、MS史上初のビーム兵器を形態したことにある。当時、宇宙艦船しか搭載していなかったメガ粒子砲に匹敵する火力を全長18mの機体が実装したことで、ガンダムは戦場において類稀なる戦火をあげることとなる。また、兵器のバリエーションも多岐にわたり、実弾のハイパーバズーカ、ビーム兵器の一環としてのビームサーベル、ビームジャベリン、ガンダムハンマーと白兵戦を主体とした機体らしい兵装も数多く見られる。

”REAL GRADE ”第1弾としてリリースされたガンダムです。1/144というサイズながら、PG、MGのようにフレームと外装を別々に再現したキットです。骨格であるフレームは、基本構造が成型段階で組立て済み(アドバンスドMSジョイント)になっているため、パーツ数はかなり少ないです。逆に外装はというと、1/1ガンダムがモデルになっているのですが、1/1ガンダムの特徴である”パネルラインに合わせた色分け ”をほぼ再現するほど細かくパーツ分割されています。このギャップが、今のところRGの最大の特徴と言えるかもしれません。
他にも、スライド連動ギミック、プロポーションと可動性の両立、金属箔でありながらテトロンシールと同じ薄さのリアルスティックデカールなど、見所が大変多いキットです。肝心の出来上がりはというと、当サイトでは普段使わないサイズでもあるため、いつもとは作風を少し変えています。光沢処理(下処理は簡易的にしかしてません)をしている分、今までの半光沢状態とは見栄えが違うと思いますが、パッケージアート風ということでお楽しみいただけたらと思います。
それでは、プラモ系レビューとしては初の1カラムレイアウトでのご紹介でーす。

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光沢仕上げだけでなく、首、バックパック、肘、膝関節等にクロームシルバーを使っているので、見た目の仕上がりが普通のガンダムとはちょっと違っています。デカールの配置は、お台場ガンダムを元にそれっぽく貼っています。それにしても、装甲の色分けの細かさはほんとに凄い。再現されていないのは、上腕の関節近くくらい(ここだけシールによる色分け)ですよ。

RG 1/144 RX-78-2 ガンダム

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バストアップ。1/144とは思えないシャープでカッコイイ顔つきです。顎を引く動きは苦手ですが、見上げる動きは2重関節が上手く働いていてなかなかの可動範囲を実現しています。内部の黄色パーツは、黒かグレーで塗った方が良かったほどですよ(^^;

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腕の可動範囲もかなりのものです。肩の付け根は、引き出し機構こそないものの、左写真のように大きく跳ね上げることが出来ます。肘の動きに合わせて上腕裏側の装甲が連動可動し、手首も広い意味での2重関節化がされています。

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腰の動きは…及第点くらいかな〜。ただし、コア・ブロックを可動タイプ(写真の状態は可動タイプを使用)ではなくコア・ファイターにした場合は、もっと動かなくなりますよ。

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腰には↑の可動以外にも、股関節のポジションをスライドするための機構もあります。左右の写真で、褌部分の位置が違っていますよね。

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コックピットカバーの開閉も可能です。1/144なのに凄いなぁ…。ただ中のコア・ブロックが、可動用タイプだと写真のようにダークグレー一色のパーツなので、ここの周りだけでも塗り分けた方がいいかもしれません。

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バックパックの装甲カバーも1/1ガンダムのようにスライド展開します。さらに、メインスラスターノズル上にあるベーンも左右それぞれ動いちゃいますよ。

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腰後には上下に開くハッチが備わっていて、ここにバズーカをマウント出来るだけでなく、アクションベース2用ジョイントアタッチメントを差し込めるようになっています。まぁ裏を返せば、後にハイパーバズーカをマウントしたまま、スタンドを使うことは出来ないということなのですが…;

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脚周りの可動をまとめてみました。股関節の開脚率は非常に良好です。膝についても可動範囲は問題ありません。ですが太腿と膝装甲の連動スライドギミック(サイズ的に実装出来てることは凄い)が、少々動作幅が広すぎますね; 足の可動もMGガンダムVer.2.0のようにつま先まで動きますし、前後方向の可動は優秀だと思います。最後の横方向…すなわち接地性に関しては、もう少しがんばって欲しかったかなぁ〜。

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ガンダム各部を一通り紹介したところで、一旦コア・ファイターのレビューにうつります。コア・ファイターについても1/144とは思えないギミックが満載です。ノズル周りのディティールが簡素化されているものの、比較的スタイルもいい方(MGには及びませんが)です。コックピットハッチは開閉可能(!?)ですし、小さいながらもランディングギアも再現されています。

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もちろんコア・ブロックへの変形も再現されています。上段の流れは、主翼と機首を収納、折りたたんだ状態。下段は、そこから尾翼を前方へスライドして収納するという差し替えなしの完全変形です。

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変形させたコア・ブロックは、ちゃんとガンダム本体へと収納させることが出来ます。ただし、可動タイプのブロックよりも腰周りの動きはかなり制限されますよ。その代わり、コックピットカバーを開けたときの自然さはこちらに分がありますね。

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ここからは付属品の紹介です。先ずはビームライフルからです。色分けがグリップ周りだけ白成型という一風変わったものだったので、白い成型色の部位をクロームシルバーで塗装しています。

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ハイパーバズーカの色分けも見事ですな〜。バズーカのグリップは、普通にダークグレー成型でしたが…ビームライフルと合わせるためにシルバーにしちゃいました;

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シールドは意外と普通でしたね。除き窓のシャッター開閉まで再現されたらどうしようかとビクビクしましたが、入らぬ心配?だったようです。でも裏面を見ると…シャッターのツマミのモールドはしっかり再現されてます;

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あとの付属品は…ビームサーベル刃、固定用の出っ張りの付いたサーベル、アクションベース2用のジョイントアタッチメントですね。しかしサーベル刃は、どうみてもMGサイズのものなので、1/144ガンダムには長すぎます_/ ̄|○

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ビームライフル、固定用ピンの付いたサーベルは、シールドの裏面に収納固定が出来ちゃったりします。少々ごちゃっとはしますけど、これで全武装(サーベル4本も…)を携行出来るわけですね。

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あともう一つ。握り拳で固定された手以外にも、可動タイプの手が付属します。コチラでないと武器を持てないわけですが、指の付け根、第2関節まで動くという恐ろしい代物です。しかも手の甲以外は、ランナーから切り出すだけなんですよ。PPとABSという性質の違う素材を組み合わせることで出来る技術なのですが、驚きを通り越して気持ち悪いくらいです(^^;

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お馴染み立膝も忘れていません。うはー……こりゃまた綺麗な立膝だ……。1/144サイズでこれだけ見事なポージングを見れるとは思っていませんでしたよ。これは、第2弾のシャアザクも楽しみですなっ!

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それでは、ここからは付属品を使っていろいろポージングさせて(ようやくですよ;)いきましょうか〜。付属武装は標準的な内容ですが、柔軟な可動性によりどんなポージングでも比較的容易にとれますよ。

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ビームライフルを立膝をついて構える姿勢も、余裕をもってポージング出来ますし、とても自然です。可動範囲が優秀なおかげですね。

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純粋なアクションベース2は持っていないので…ブルーフレームのタクティカルアームズII用のものを拝借してきました; アームもそのままなので少々長いですが、ディスプレイには問題ありません。

RG 1/144 RX-78-2 ガンダム

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肩の引き出し機構はないですけど、ビームライフルの両手持ちもご覧のとおり決まります。1/144サイズとはとても思えません; シールドをきちんとランドセルに固定出来るのも、さりげなく嬉しい点です。

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ハイパーバズーカに関しては、少々持たせにくいものの保持自体は問題ない(ビームライフル同様、手への固定用ピンがグリップにあります)ので、ポージングの幅も広いですよ。

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機体解説のところでも紹介しましたが、バズーカを背部マウントラッチに固定することで、ご覧のようなフル装備状態も取れます。1/144という小ささを感じさせないボリュームです。

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サーベルは、肩に装備したままの状態で、腕をまわして握らせることが可能。腕の柔軟な可動範囲のおかげなのですが……動きすぎて気持ち悪いです(^^;

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外見上、唯一の欠点とも言うべき長すぎるサーベル刃; どう見ても、MGに使われているSB1ランナーのサーベル刃(RGではAランナーと統合されています)ですよ。これは…さすがに少し短くした方がいいと思いますorz

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長さを除けば、ガンダム本体の非常に広い可動範囲のおかげで、サーベルを使ったポージングも思いのままです。被写体を写真の枠一杯に撮っても、ディティール負けしていませんね。「これ新しいMGだよ」と、RGを知らない人に見せても違和感がまるでなさそう……。

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最後はせっかく1/1ガンダムがモデルになっているので、それらしいポーズでも〜。最初は、サーベルを持たせて東静岡Ver.から。キット標準のマーキングは静岡のものを再現しているので、取説の指示通りそのまま貼れば手軽に再現できます。

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ですが、今回の作例では昨年のお台場のガンダムを模したものなので、やはりサーベルなしが似合います。観に行ったのは8月下旬だったので……早いなぁもう1年か…。そういえば、会場で買ったHGの限定版、積んだままだったorz

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オマケー。閲覧者の方からご要望のありましたMGとの対比です。ディティール的にはぺガンの方がいいのですけど、残念ながら作ってない(ノーマルとアニメカラー両方とも;;)ので…ガンダムVer.2.0でご容赦ください;
今回の撮影のためにガンダムVer.2.0を箱から取り出した瞬間、「何、MGってこんなに大きかったっけ!?」と驚きました; 見比べると、情報量の密度の差もあって、同じガンダムとは思えません; Ver.2.0は、ほんとに昔のアニメを意識した作りだなーと再認識できた瞬間でもありましたよ。

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以上、”RG 1/144 RX-78-2 ガンダム ”のレビューでした。縦に長ーいページになってしまってスミマセンでした; 最後までご覧頂き、感謝です_(._.)_

総評ですよ。RGが発表されたときは、正直なところそれほど惹かれなかったんですよ。それは現行のMGとPGにある程度満足していたため、敢えて1/144でまた新しいグレードを作らなくても…と思ったからです。しかし、蓋を開けてみれば驚きの連続です(^^; プロポーション、可動性、色分け、ギミック、これらは文句なしの満点ですよ。ここまでレポートとレビューで散々書きましたから、もう言わなくても凄さはわかって頂けたと思います。これらが一つになった完成状態は……凄いを通り越して気持ち悪いくらいでしたので追加点+3をあげちゃいますw オマケ要素としては、武装に足りないものもあるけど基本は押さえている、ギミックと共通するオマケ要素もある、という点から多めの加点にしました。
問題は…ユーザーへの配慮ですね…。パッケージの仕上がりとかは高級感もあってよかったんですが、如何せん強度を犠牲にしています。組立て、ポージングといったものは慎重に作業をしたので、幸い今のところ破損はありません。しかし……腫れ物を触るような感じでしたので、ちょっと手荒に動かすとポキっと簡単に逝ってしまいそうです。まぁ1/144サイズにこれだけのギミックを詰め込めば、その反動は当然だとは思います。ある意味そのアタリを割り切ったキットと言えるかもしれません。あとは、リアルスティックデカール。テトロンと同タイプとなっているので、折り曲げる+粘着面が狭い場所へは不向きなシールです。一時的に貼ることは出来ても、時間と共にシールが真っ直ぐになろうとする力に粘着力が負けて剥がれてきますから…。金属の質感の再現は見事でしたので、もう一工夫欲しかったところです。
まぁ上記のような欠点があったとしても、このサイズでこの仕上がりを手軽に楽しめるガンプラは、現状他にありません。ガンプラ30周年の集大成のキットとして、是非一度お手にとって楽しんでいただけたらと思います〜。
    

RG ZGMF-X20A ストライクフリーダム   RG MSZ-006 Zガンダム   RG RX-178 ガンダムMk-II   RG ZGMF-X10A フリーダム   Gファイター ガンダムVer2.0用V作戦モデル

            

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