MG 1/100 OZ-00MS トールギスI EW [ TALLGEESE I EW ] 完成レビュー

2012.05.28 | author: | MASTER GRADE | 開発計画
MG 1/100 OZ-00MS トールギスI EWMG 1/100 OZ-00MS トールギスI EW

ガンダムを作った5人の科学者らによって開発された、ほぼ全てのMSの原点となる機体。”重い機体の機動性をバーニアの出力で全て補う”、というパイロットへの負担を完全に無視した設計で、あらゆる戦闘パターンにおいて単機で対応可能なよう作られている。特徴としては、まず機体の大きさである。A.C.における一般的なMSのサイズは16m前後であるが、このトールギスは一回り大きい17.4mとなっており、装甲材の違いなどと合わせ機体重量も1tほど重い。しかし、そのデッドウェイトを無視出来るほどの出力を誇る”スーパーバーニア”を搭載することにより、設計から20年経ってなお最強の機体として存在し続けることが出来たMSだと言えるだろう。
武装は、機体全長に匹敵するほどの長さを誇るドーバーガンを標準装備とし、非常に高い火力をトールギスに与えている。ただ、その反面発射時のリコイルもかなり大きく、射撃精度や腕関節への負担が懸念されたが、トールギスにおいては肩と腕による2点保持とすることにより、安定した射撃性能、諸関節の負担軽減を実現している。パイロットは、ゼクス・マーキス(ミリアルド・ピースクラフト)。このトールギスを乗りこなせる数少ない人物の一人である。

お待たせしました、”MG トールギスI EW 完成レビュー”の公開です。ガンダムという作品群に登場するMSとしてはかなり独特なデザインの機体で、騎士を彷彿とさせる外観をしています。そのオリジナリティの高さゆえに人気も高く、かねてよりMG化を待ちわびていた人も多かったのではないでしょうか? 自分もそんな一人だったので、今回は楽しく組ませていただきましたー。ただ、TVシリーズに馴染みのある身としては、EW仕様(Endless Waltz 敗者たちの栄光)となっているため、一部デザイン、カラーリングなどがTV版と異なるのがちょっと残念だったかな……。でもまぁこれはこれで純白の騎士という雰囲気が出てますし、悪くはないのですけどね。
今回のこのトールギスI EWは、事前アンケート結果に基づき従来の簡易製作方法で作り、500万Hit記念としてプレゼントすることになった初めてのケースのキットでしたから、いろいろな意味で勉強にもなりました。このレビューが公開される頃には、当選者のinfernoさんの手元にも届いているかな? この度はプレゼント企画へのご応募、ありがとうございましたっ_(._.)_ そして、当選おめでとうございます!
こういったプレゼント企画は今後も開催する予定ですので、そのときにはまた多くの方にご参加いただけたらと思います。さて……それではそろそろ完成レビュー本編とまいりましょうか。今回は1編構成ですけど、最後までごゆるりとお楽しみくださいませ〜。

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作成中から各部位ともに独特な雰囲気がありましたが、こうして完成した状態を改めてみても……形状、デザイン的な面においてかなり珍しい外観をしたMSとなっています。一見すると太腿、サイドアーマーのボリュームに目が行き、対する胸部が小ささが気になりますけど、大きく張り出したショルダーアーマーと大型のスーパーバーニアのお陰で決して見劣りしない上半身に仕上がっていますよ。そして、こちら2枚はクリックすることで大きい状態をご覧いただけます。

ちなみに、今回の”MG 1/100 OZ-00MS トールギスI EW ”で使用した塗料は、最終的に以下9色となりました。
ガンダムマーカー  : グレー、メカグレー、ゴールド、メッキシルバー、イエロー、レッド
ガイアカラー    : EXシルバー
Mr.カラー     : クリアーブルー、クリアーグリーン


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頭部は、顎を引く方向への可動はイマイチですが、見上げる方向はこれまた独特な関節構造によりそれなりに優秀です。頭部マスクを取り外すことで、下からリーオータイプのセンサーが露出します。プロトタイプ・リーオーという呼び名がしっくりくる絵柄ですな。

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腕周り、肩周りの関節可動範囲は、ご覧のようになかなかのものです。肘は連動可動で外装がスライドするようになっており、見た目も楽しめますな。ただ、肘は伸ばしてもまっすぐにはならず、若干曲がったような状態が限界という変わった構造になっています。それとショルダーアーマーの出っ張り部分には、ドーバーガン、シールドの各連結アームを固定するためのハードポイントが内臓されてたり〜。

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コックピットハッチももちろん開閉可能……なのだが……相変わらずこのガンダムWシリーズのコックピットハッチは味気ないですな〜; もう少しこう……凝った演出が欲しいところです。外装ハッチそのものがシンプルになるなら、内部ハッチを取り付けて二重構造にするとか、演出の手段はいくらでもあるでしょうにorz

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腰周りの可動については、水平回転軸、前後の可動幅ともにギリギリ及第点……ってとこです。装甲の干渉により思ったほどは動きません。それと腹部のボールジョイントはバーニアなどの重さにはそのままでは耐えられませんので、しっかり補修してやる必要があります。キットそのままorちょっと盛った程度では、自重に耐え切れず仰け反っていきますから;;

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背面の各バーニアの展開をご紹介。スーパーバーニアは、内側か外側どちらか一方のノズルカバーを開くことで、全てが連動可動して展開するようになっています。結構手の込んだ連動ギミックですね〜。取説ではウイングをとなっていますが、少し力の入れ加減を間違えるとウイングが簡単に外れてしまうため、カバー側を持って展開させた方が無難です。
それに対しリアアーマーの方は、ぱかっと引き出す極々シンプルなタイプ。ただ、腰裏の展開ギミックは、手で持ったときに無意識に閉じやすいため飾るときは気をつけましょー。ユニコーン系とか何度スラスターを閉じてことに気づかず撮影してしまったことか……;w;

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股関節の開脚方向の可動は、実用レベルとしては問題ない可動性能かと。ただちょっと変わってるのは、サイドアーマーが腰と太腿側面の両方で固定されているため、脚を開くとサイドアーマーが面白い動き方をします。なかなかユニークですね〜。

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膝、足首の可動をまとめてみました。膝は、MGとしてはお馴染みの外装とフレームの連動可動がいい感じにアレンジされて組み込まれています。足首も前後左右ともにしっかり動いてくれるため、設置面への追従性は充分すぎるほどありますよ。

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ここからは付属品の紹介です。まずはメインウェポンのドーバーガンから。こちらにも入り組んだ連動ギミックが内臓されているのですけど、ガンプラとしてはめずらしくスプリングが使われています。昔のバンダイキットでは、ホワイトメタルなどの金属パーツを含むモノもちらほらありましたが、最近は”プラモ”という言葉への拘りが感じられるほどマテリアルにプラスチック以外を使用することがほとんどなくなっています。例外的なのは、LEDユニットとコード類(被覆のある銅線など)くらいかな。
ちょっと話が逸れましたね; このドーバーガンのギミックは射撃時のリコイルを再現しており、バレルを押し込むことでスライドエンドなどが連動可動し、バレルから手を放すとスプリングの力でスライド類が元に戻るというものです。まぁ……あえてスプリングを使う必要があったのかは少々疑問ですけど、この手のギミックは珍しいのでたまにはいいかもしれません。

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続いてシールドです。コンパクトなラウンドシールドで、裏にはハンドグリップ、サーベルが装備されています。騎士というとタワーシールドとかカイトシールドのような大きいモノを連想しがちですが、こういうラウンドシールドタイプもデザイン的に味があっていいですね〜。

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ビームサーベル刃は、普通のSB1かと思いきや、反りが再現されたSB4でした。成型色のクリアーピンクはちょっと濃い目のタイプです。あとガンダムW系のMGではお馴染みになっている交換用の各種指(平手用、握り拳用、サーベル持ち用、ライフル持ち用の計4種)とアクションベース1のジョイントアタッチメントが付属します。

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付属品の紹介も終わりましたので、ここからは武装を装備させていろいろなポージングをお楽しみくださいましー。ちなみに、こちらの写真もクリックすることで大きい状態をお楽しみいただけますっ。

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スタンドを使わずのポージングから見てみましょう。足首の可動がよいので、両足ともに地面をしっかりと捉えてくれます。デザイン的に四肢がガッチリした印象の強いトールギスだけに、接地性の良さはドッシリとした安定感に繋がりますねー。背中のスーパーバーニアや右腕のドーバーガンといった重量ブツに負けることなく、ちゃんと自立してくれますよ。

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しかし高機動MSであるトールギスには、やっぱりフライングポーズの方が似合うかな〜。それと、この間先行公開した写真を見てくれた方より質問を頂いたので回答します。今回使ってるスタンドは、半透明タイプのアクションベース1となります。アクションベース1が店頭で販売される前に、種死の1/100レジェンドの初回限定版に付属していたモノで、現在に至るまで一般販売はされていません。整理してたら出てきたので、今後ちょこちょこ使う機会もあるかもー。

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フライングポーズをいろんな角度から。肩周り(背面のスーパーバーニア含め)と太腿周りがこれだけボリュームアップした機体もめずらしいですからねー、ポージングの迫力というか、見所的なモノが、従来のMSとはちょっと違います。手先、足先が細くなっている分、機体の中心である胴体周りにギュッとした塊があるようなイメージで、キットの大きさの割りには存在感が結構大きいです。

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トールギスってガンダムWの世界では大柄な機体になってますが、UCなどで考えると逆に一回り小さいじゃないですか。なので他の様々なMSと同スケールで比べてみた場合、見た目はそんなに大きくないんけど……存在感は20m級のMSみたいな、そんな不思議なキットになっています。
個人的には、腕と肩の2点保持の観点からドーバーガンの取り回しに不安があったのですけど、思ったよりはよく動いてくれますね。ただ、肩の付け根部分の引き出し機構には一部ポリキャップ保持によるボールジョイントが採用されているため、ポージングによっては怒り肩などの状態がドーバーガンの重さに耐えられないケースがままあります。
腰などもそうですが、ボールジョイントはコンパクトなパッケージングでフレキシブルな可動が出来ますけど、形状的に保持力は低いことが多いですから、素組み&簡易仕上げメインの場合はしっかりと調整した方がよいかもしれません。

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そのドーバーガンですが、さらに両手持ちによる3点保持も可能だったりします。ただ、さすがにこの状態だと保持出来るポージングがかなり限定されますけど、これはこれで迫力のある1枚になりますな〜。

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続いてはビームサーベルを用いたポージングです。肩の可動をうまくつかうことで、迫力のある斬撃シーンを再現出来るのが素晴らしい。しかしこのトールギス、武装がドーバーガンとビームサーベルしかないため、付属品としては物足りなさがありますね……。

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ショルダーアーマーの大きさ+ドーバーガンがあるため背中のスーパーバーニアとも干渉しやすく、右腕を使ってのポージングでは可動に少し気を使います。ただ、肩付け根が可動するためのクリアランスがしっかりと確保されていますから、スーパーバーニアのポジションなどに気をつければ意外とポージングの自由度は高いです。あとは保持もしっかりしていれば言うことなしなのですけどね。
振りかぶる、振り下ろす、振り抜く、切り払う、刺し構えるなどなど、マッシブな機体のサーベルによる近接戦闘ポーズは迫力ありますなー。

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もちろんドーバーガンやシールドを破棄してのポージングも可能です。この方がスーパーバーニアへの干渉がない分、より幅広い斬撃ディスプレイが出来ますよ。今回のトールギスI EWでは、スーパーバーニアのMS本体との接続方式が ”肩 ⇒ 背中” へと変更されたわけですけど、ガンプラなどの立体物にとっては適切なデザイン変更でしたね。

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最後は、いろいろなポージングを高解像度画像でご紹介。どの写真もクリックすることで大きい状態を閲覧可能です。迫力のある1枚をお楽しみくださいませー。このトールギスに関しては、一応もう1体製作予定だったりします。そのときはTV版のカラーリング要素を強めた仕上がりにしたいなー……とか思ってますけど、いつになることやら;

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以上、”MG 1/100 OZ-00MS トールギスI EW”の完成レビューでしたっ。最後まで閲覧いただきありがとうございましたーm(_ _)m この後総評もありますので、よかったら合わせて読んでいってくださいな。

総評です……あれ?MGの総評ってFAユニコーン以来? ひー、丸1年空いてるっ!?ΣΣ(゚Д゚;) MG自体はその間も7体ほど作ってますけど、レビューを書いていたのはRGばかりでしたね; いかんいかん、溜まってるレビュー待ちキットも手をつけてきますので、ちょっと待っててくださいね;
さて本題のMGトールギスの総評を。パッと見なら全体的な完成度は高いと思いますが、じっくりチェックすると要所でのツメの甘さがチラホラ見えてしまうかなーというのが率直な印象です。プロポーションは、少々メリハリを強調しすぎてるところもありますけど、個人的には概ね良好だと思います。可動性も首や腰で若干のマイナスはあるものの、接地性も高いですし、肩から腕、膝周りといった四肢もよく動いてくれますから、基本ポージングに支障がでるようなことはありません。色分けは、EW仕様の新カラーリングをよく再現している、といいたいところですが、ウイングの黄色いライン、要所の赤やグレー、クリアーパーツなど(一応再現用のシールは付属)、あちこちに色分けが出来ていない箇所があるため、ちょっとマイナスですね。
一方ギミックはというと、MGならではのいい意味でのアレンジが各部に効いていて、スーパーバーニア、ドーパーガン、肘、膝関節など、トールギスらしさを活かす演出が多数あります。ただ、要所の関節に保持力不足のボールジョイントがあるため、ポージングの安定度は若干低めです。ユーザーへの配慮は、そのあたりを考慮しての採点となっています。オマケ要素は、ギミックの独自性による加点がほとんどかな。付属品的な意味では……言わずもがなですね(^^;
結論として、これまでの5体のガンダム(ウイングガンダムのみTV仕様もあり)、そしてエピオンと、MGでは全てEW仕様でのリリースだったため、このトールギスもEWとなるのは分かりますが、ボックスアートにも「ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光」のロゴを付けた上でのEW仕様にするなら、やはりテンペスト装備は付けて欲しかったところです。ギミック要素などいい面もたくさんあるのに、小さな問題点の積み重ねに加え、こういった中途半端な立体化がMGキットとしての存在感を希薄にしてしまっています。最近のガンプラは、メディアと連携した同時展開(MSV系とかイロイロ)をすることも多々ありますけど、ただリンクしているというだけで、劇中と立体物の間にある垣根はそのままなんですよね。UCなどの成功したケースというのは、片方の人気に引っ張られているだけですから、もっと相互を活かし引き立てるような商品展開にしていかないと、飽きられるのも早いと思います。このトールギスのように実際に手にしても劇中とは何か違う……そんな中途半端なキットばかりにならないよう、もう一工夫して欲しいですな。
でもまぁ、ここまでマッシブなトールギスはROBOT魂では味わえませんし、スーパーバーニアなどの連動ギミックはMGならではの要素なので、トールギスファンなら一度は作ってみても良いかもしれませんね。
    

OZ-13MS ガンダムエピオン Endless Waltz版   XXXG-01D2 ガンダムデスサイズヘル Endless Waltz版   XXXG-01W ウイングガンダム

            

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